ライブコマースの始め方とは?成功させるポイントやおすすめアプリも紹介
ライブコマースとは、ライブ配信を利用して視聴者とコミュニケーションを取りながら商品を販売する方法です。
そんなライブコマースを導入したいけれど、始め方がわからないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、ライブコマースの意味や始め方、成功させるために抑えておきたいポイントを解説します。「これからライブコマースを始めたい」「ライブコマースを始めたものの伸び悩んでいる」という方は必見です。
また、ライブコマースを始めるときに導入したいおすすめのアプリやツールも紹介します。
ライブコマースとは?
ライブコマースとは、ライブ配信を利用してオンラインで商品を販売する方法のことを指します。
具体的には以下のような流れで商品購入につなげます。
1.ショップ店員やインフルエンサーにライブコマースの依頼をする
2.依頼を受けた配信者がライブ配信で商品をおすすめする
3.配信を観た視聴者が商品を購入する
YouTubeなどのライブ配信上で、商品の宣伝や販売が行えることから、テレビCMやオフラインの広告をあまり見ない若年層にもプロモーションできる点が特徴です。
また、コロナウイルスの流行によって生活スタイルが変化したことで、近年、オンラインで商品を購入する消費者が増えています。そのことからも、ライブコマースを導入する企業は年々増加しており、今後もライブコマースの市場規模は拡大するといえるでしょう。
ライブコマースのメリット3つ
ライブコマースには以下の3つのメリットがあります。
・店舗での商品紹介に近い臨場感を演出できる
・双方向のコミュニケーションをとおして正確に商品内容を伝えられる
・インフルエンサーの視聴者を新規顧客として獲得できる
それぞれのメリットについて解説します。
店舗での商品紹介に近い臨場感を演出できる
配信中はリアルタイムで視聴者とやり取りできるため、実店舗に近い感覚で販売ができます。
ECサイトなどを利用した従来のオンライン販売では、実際に商品を手に取れないうえに、相談できる店員もいないため、消費者が商品選びから購入まで一人で行う必要がありました。
しかし、ライブコマースでは、配信者が商品の使用感や詳細を視聴者とコミュニケーションを取りながら伝えられます。
実店舗での購入に近い形で販売できるので、消費者へ臨場感のある購入体験を提供できるのです。ライブ配信前までは購買意欲が高くなかった方でも、配信をとおして購入を前向き検討するケースが多々あります。
双方向のコミュニケーションをとおして正確に商品内容を伝えられる
ライブコマースでは、配信者による一方的な商品紹介だけでなく、視聴者からのコメントをとおして双方向のコミュニケーションが可能です。
視聴者の疑問や不安点をその場で解決できるので、商品内容をより正確に理解してもらえます。その結果、消費者の不安を解消したり、納得感を得られたりするため、商品購入につながりやすいです。
購入後に「イメージと違った」というミスマッチも防ぎやすくなるので、返品やクレームの減少効果にも期待できます。
インフルエンサーの視聴者を新規顧客として獲得できる
ライブコマースをインフルエンサーに依頼すれば、そのインフルエンサーのファンが視聴するため、新たな顧客層の獲得も期待できます。新規顧客の開拓を目指している場合、ターゲットとなる視聴者層が多いインフルエンサーを起用することで、目標達成に近づけるでしょう。
また、インフルエンサーの視聴者層と商品の購買層が一致していれば、企業や商品のイメージアップが図れるほか、認知度の向上も狙うことができます。こうしたメリットを得るためには、適切なインフルエンサーの選定が重要です。
ライブコマースの始め方【準備段階編】
実際にライブコマースを始める手順を解説します。まずは、準備段階でやるべきことを確認していきましょう。
準備段階でやるべきことは以下の4つです。
・配信ターゲットと目的を明確にする
・配信方法を決定する
・配信内容を決める
・配信者を決める
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
1.配信ターゲットと目的を明確にする
「誰に視聴してもらいたいのか」というターゲットと、「何のためにライブ配信を行うのか」という目的を明確にしましょう。
配信のターゲットと目的を決めていないと、視聴者の期待やニーズにそぐわない配信内容になる可能性があります。もし、ニーズに応えられなかった場合、自社商品の的確な訴求が難しくなるため、集客につながらない、もしくは集客ができても離脱されてしまうリスクが高まります。
そのようなリスクを減らすためにも、ターゲットと目的は具体的に絞り込んでおきましょう。
ターゲットを決めるときは、主に以下の5つを中心に設定します。どのような人物かを鮮明にイメージできるくらい具体的に設定するのがポイントです。
・性別
・居住地
・興味や関心
・現在の年収・収入
・学歴
・職歴
また、目的は「ライブコマースでの売り上げ向上」、または「自社や商品のブランド認知拡大」のどちらかに設定するのがおすすめです。ライブコマースの性質上、直接的な売り上げ向上や配信による認知度向上が得意分野であるため、これらをベースに目的設定をしてみましょう。
2.配信方法を決定する
配信方法には、さまざまなものがありますが、目的によって使い分けましょう。
売り上げを目的とする場合は自社サイト、自社や商品のブランディングが狙いならライブ配信のプラットフォームがおすすめです。自社サイトやECサイトで配信を行う場合は、HandsUPなどのライブコマース専門ツールを導入することで、配信環境を整えられます。
また、「YouTube Live」や「Instagram Live」などのライブ配信のプラットフォームでも、ライブコマースの配信が可能です。それぞれの配信方法にはメリットとデメリットがあり、商品やショップの特色によって最適なものが違ってきます。
具体的なメリットとデメリットは以下のとおりです。
配信方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
自社サイト | ・商品の利用、購入につながりやすい | ・新規顧客を取り込みにくい |
ライブ配信のプラットフォーム | ・手数料がかからず、気軽にライブ配信が行える | ・オリジナリティを出しづらい |
インフルエンサーとの相性や自社サイトの認知度など、状況によって適切な配信方法は異なるため、目的や環境に応じて配信方法を決めましょう。
3.配信内容を決める
配信方法が決まったら、配信で紹介する商品、サービスなどの内容を決めましょう。
ライブ配信はリアルタイムでの販促であるため、商品のメリットや効果を視覚的に訴えられるものや購入後のイメージがしやすいものを選ぶと、ライブコマースのメリットを受けやすいです。たとえば、アパレル用品や食品、コスメは視覚的に訴求しやすく、ライブコマース向きの商材といえるでしょう。
また、配信内容を視聴者が楽しめるコンテンツにすることも重要です。単に商品紹介をするだけでは視聴者が飽きてしまい、配信の途中で離脱される可能性があります。アパレル用品ならコーディネートの紹介、食品ならアレンジレシピの紹介など、視聴者を飽きさせないコンテンツを考えましょう。
4.配信者を決める
ライブコマースの配信者は、外部のインフルエンサーに依頼するか、自社の社員や店舗スタッフを起用するかの2パターンがあります。
商品の魅力を伝えられる人材が社内にいない場合は、外部のインフルエンサーを起用しましょう。インフルエンサーにはすでに一定のファンがいるため、高い集客力が見込める点がメリットですが、外部に依頼する分、費用がかかる点には注意が必要です。
予算をかけず、手軽に行いたいのであれば、自社の社員や店舗スタッフを起用しましょう。長期的にライブコマースを行う予定であれば、自社の社員や店舗スタッフをインフルエンサーのように育成するのもおすすめです。最初のうちは難しくても、長期的に集客が見込める可能性が高まります。
予算やリソースなど状況に応じて最適な配信者を選びましょう。
ライブコマースの始め方【配信直前編】
続いて、ライブコマースの配信直前にやるべきことを解説します。配信直前の段階で行うべきことは以下の3つです。
・スタジオや機材を用意する
・視聴者を集客する
・リハーサルをする
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
1.スタジオや機材を用意する
まずは実際に配信を行うスタジオや使用する機材を準備します。
スタジオはブランドイメージや商品の特徴が伝わりやすい場所を選びましょう。ブランドの世界観が反映された実店舗も商品の魅力を伝えやすいです。加えて、機材設営のしやすさも確認する必要があります。
また、機材は映像や音声をどの程度までこだわるかで選びましょう。初期費用をかけずに手軽にライブ配信を行うなら、身近にあるスマートフォンやタブレットで撮影してもかまいません。
本格的な映像や音声にこだわりたい場合は専門機材が必要なので、配信の目的や予算に応じて適切な機材を選択しましょう。
2.視聴者を集客する
配信内容が確定したら、ライブ配信の告知を行います。ライブコマースは、まず視聴者に見てもらわなければ始まらないため、告知は配信内容と同程度に重要です。
具体的には、以下の3つを決めて告知を始めましょう。
・告知の内容
・告知する日時
・告知する頻度
ライブ配信の告知は、遅くても配信の1週間前には行いましょう。自社サイトをはじめSNSアカウントやメルマガなど、使えるツールはすべて利用し、できるだけ多くの方にアプローチするように体制を整えましょう
また、告知後は、視聴方法に関する問い合わせが多くなることが予測できます。スムーズに対処できるよう、予測される問い合わせについての対応方法もあらかじめ準備しておきましょう。
そして、インフルエンサーを起用する場合は、インフルエンサーのSNSアカウントでも告知してもらえるよう、事前に依頼しておくのがおすすめです。ライブ配信までに期間がある場合は、インフルエンサーの方にライブ配信の情報を詳しく共有しておくことで、配信内容についての質問に回答してもらいやすくなります。
3.リハーサルをする
スタジオや機材の準備、告知の手配が完了したら、配信本番を想定したリハーサルを行います。リハーサルはできるだけ本番と同じ環境や内容で実施しましょう。
配信を非公開にした状態で、映像や音声に問題がないかリハーサルしておくと、何か問題があっても、本番までに解決する時間があるので安心です。
また、配信本番中の視聴者からのコメントへの対応や、配信時に起こり得るトラブルの対策をリハーサル時に確認、検討しておくことも重要です。
ライブコマースを成功させるためのポイント4つ
ライブコマースを成功させるためには4つのポイントがあります。
・知識量や熱量のある配信者を起用する
・配信の流れや構成を考える
・視聴者に伝わりやすい画面構成にする
・配信データの分析をする
上記のポイントを抑えながら配信の準備を行うことで、よりライブコマースを成功させられる可能性が高まります。各ポイントを詳しく確認していきましょう。
知識量や熱量のある配信者を起用する
配信者選びにおいて、紹介する商品の知識があり、ブランドへの熱量も大きい方を起用しましょう。商品を心からよいと思っており、「人におすすめしたい」という熱意がある方に配信してもらうことが非常に重要です。
ライブコマースは、リアルタイムでの配信である分、知識や商品愛のなさがそのまま視聴者へ伝わってしまう可能性があります。このような様子が視聴者に伝わってしまうと、不信感をもたれて、商品の購買意欲に悪影響をあたえてしまいかねません。
そのため、上記に該当するインフルエンサーが見つからなければ、自社スタッフの起用も検討してみましょう。どうしてもインフルエンサーを起用したい場合は、自社スタッフと2人で出演してもらうことで知識などをカバーする、のもおすすめです。
配信の流れや構成を考える
ライブコマースの大きなメリットとして、視聴者と双方向でコミュニケーションを取りながら商品紹介を進められることです。しかし、ライブ配信を始めたばかりの段階から、コメントが来るとは限りません。そのため、コメントが来ない場合を想定した配信内容も考えておきましょう。
商品紹介からスタートし、視聴者がある程度増えてきた段階で質疑応答の時間を設けるなどの構成がおすすめです。また、ライブ配信の最初の段階に重要な情報やインパクトのある内容を盛り込むと、視聴者が見逃す可能性もあるため、待機者の人数に応じて構成をいくつか用意しておくことも有効でしょう。
反対に、配信初期段階からコメントが予想以上に来る場合もあり得るので、臨機応変に対応できるよう、複数のパターンを想定しておいてください。
視聴者に伝わりやすい画面構成にする
視聴者に「この商品が欲しい」と思ってもらうためには、視聴者からの見え方にも気を配りましょう。スタジオの照明が暗かったり、音声が遠かったりすると商品の魅力を十分に伝えられず、購入までつながりにくくなります。
構成内容や画面の明るさ、配信者の話し方などにも配慮し、視聴者がよい気分で見ていられるような画面構成を心掛けましょう。
また、複数のカメラでの配信を行う場合は、それぞれのカメラの目的にあわせた構成にすることが大切です。インフルエンサーをアップで捉えたり、商品に焦点をあてたり、目的によって適切なアングルは変わってきます。
リハーサル時には、それぞれの工程でカメラアングルが適切になっているかも確認しておきましょう。
配信データの分析をする
ライブコマースで売り上げを伸ばしていくためには、ライブ配信の効果を測り、都度改善していく必要があります。そのためにも、ライブ配信後には必ずデータ分析を行いましょう。
主に以下の6つのデータを確認します。
・視聴者数
・コメントの内容
・自社サイトへの遷移数
・購入件数
・購入された商品の傾向
・離脱率
上記のデータの分析を行い、今後のライブ配信やマーケティングに活かすことで、ライブコマースでの売り上げ改善が図れます。
たとえば、視聴者数では目標を達成していたにもかかわらず、購入件数では予想よりも下回った場合は、配信内容や配信者のミスマッチがあった可能性が考えられます。また、購入された商品の傾向から、ターゲットのニーズを新たに発掘できるかもしれません。
このように配信データの分析は今後の販売につながるため、積極的にデータの収集を行いましょう。
ライブコマースを始めるときに導入したいおすすめのツール・アプリ3選
これからライブコマースを始めるなら、どういったツールやアプリが必要なのかわからない方も多いでしょう。最後にライブコマースを始めるときに役立つツールやアプリを3つ紹介します。
HandsUP by 17LIVE
HandsUP by 17LIVEは、業界を問わず300以上の企業のライブコマースをサポートしているサービスです。「スターバックス コーヒー」や「ロクシタン」、「FANCL」などの有名ブランドでも導入実績があります。
ソースコードを設置するだけで自社ECサイトにライブ配信機能を追加できるため、お手軽にライブコマースを導入できる点がメリットです。また、プラットフォーム内で決済が可能なのもHandsUP by 17LIVEの魅力のひとつです。ライブ配信中に販売もできるため、離脱が起こりにくく、集客から購入までワンストップでできるという特徴があります。
さらに、HandsUP by 17LIVEはツールの提供だけではなく、ライブコマースに関するコンサルティングも特徴的です。ライブコマースの運用方針の提案から、ノウハウの共有、PDCAを効果的に回すための定期的な会議まで、ライブコマース分野が成長できるよう徹底的にサポートします。
加えてHandsUPに限らず、17LIVEや他のSNSでのライブ配信のサポートもおこなっています。ライバーを含め、自社で多くのインフルエンサーを抱えているため、配信前の集客や配信者の割り当て時にも強力なサポートが可能です。
これからライブコマースを始める方、ライブコマース事業を成長させていきたい方におすすめのサービスです。
Firework
FireworkはWebサイト内に縦型のショート動画が置けるマーケティングプラットフォームです。Fireworkを利用すれば、自社サイトでのライブ配信が可能になります。
SNSでのライブ配信であれば、ある程度のフォロワーを集められなければ効果を得ることは難しいものです。
しかし、Fireworkを利用することで、自社サイト内でライブ配信が行えることから、サイトに集客ができれば十分に効果が期待できます。
また、動画編集を手軽に行える無料ツールも利用できるので、プロのような見栄えのよい動画も簡単に作れます。
ブランドや商品をしっかりPRしたい、オリジナリティを演出したい場合におすすめです。
TAGsAPI
TAGsAPIは既存のECサイトにライブコマースを追加できるプラットフォームです。短いコードを追加するだけで簡単に配信ツールを導入できるため、ライブコマース導入のコストを大きく削減できます。
また、配信を視聴しやすいように設計されているため、ユーザーが配信サイトまでたどり着きやすく、視聴者数を伸ばしやすくなっている点も特徴のひとつです。
さらに、運営会社であるMofflyは、これまで多くのショップのライブコマースをサポートした実績があります。配信制作のサポートや販売戦略の支援まで行っているため、初めてのライブコマース導入でも安心でしょう。
ライブコマースの始め方や成功のコツを知って配信を成功させよう
本記事では、ライブコマースの始め方や成功させるポイントを解説しました。ライブ配信で満足な効果を得たい場合は、ライブコマースの正しい始め方のほか、成功させるコツを抑えておくことが大切です。
SNSやライブ配信の需要の高まりにあわせて、国内でのライブコマースの需要もさらに高まることが予想されます。ライブコマースをうまく活用し、自社のオンライン販売の売り上げをアップさせましょう。