日本におけるライブコマースのおすすめアプリ5選!選び方も解説

2023年10月2日

ライブコマースはライブ配信を活用した販売方法で、中国を中心に市場規模が拡大しています。近年、日本国内でも新しいEC販売の手法として注目を集めています。

ライブコマースでは、配信者が視聴者とリアルタイムでコミュニケーションを取りながら、商品やサービスの紹介・販売ができるという特徴があります。

とはいえ、ライブコマースの導入時に「どのアプリを利用すべきかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ライブコマースのおすすめアプリや選び方のポイントを紹介します。あわせてライブコマースを導入するメリットや注意点についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ライブコマースとは?仕組みについて解説

ライブコマースとは?仕組みについて解説

ライブコマースとは、ライブ配信を活用したオンライン販売の手法を指します。

ライブコマースでは配信者と視聴者がリアルタイムにコミュニケーションを取れるという特徴があり、視聴者が質問や感想をコメント機能を使って伝えることが可能です。

例えば、視聴者からの「商品の裏側を見せてほしい」「他のカラーが見たい」といったリクエストに対しても、配信者はその場で対応できます。

ライブコマースは、専用アプリや企業のECサイト、SNSなどを活用しておこなうのが一般的です。視聴者は配信中に紹介されている商品やサービスを購入できます。

ただし、YouTubeなどのSNSでは、視聴者が商品購入時に外部サイトへ遷移する必要があり、その過程でサイトから離脱してしまうなど、スムーズな購入導線という点では課題が残るのが現状です。

その点において、ライブコマース専用のアプリを活用すれば、視聴者がアプリ内で決済までスムーズに利用できるため、ユーザビリティや売上向上といった点でメリットがあります。

ライブコマースアプリの選び方

ライブコマースアプリの選び方

ライブコマースを専用アプリで始める際は、自社の商品やサービスにあったアプリを選ぶことが重要です。選び方のポイントとしては、「ユーザーの数や年齢層」「手数料」「配信ジャンル」の3つがあります。

ここでは、それぞれのポイントを紹介します。

ユーザーの数や年齢層があっているか

まずは、自社商品がどの年代をターゲットにしているのか明確にしておきましょう。

選ぶアプリによってユーザー層に違いがあり、10代や20代の若年層メインのアプリもあれば、30代以上の世代が中心のアプリもあります。

自社の商品やサービスのターゲット層が多く利用しているアプリを選ぶことで共感が得やすくなり、商品の売上アップにもつながりやすくなるでしょう。

手数料がいくらかかるのか

手数料もアプリを選定する際の項目として重要です。SaaS型やECモール型サービスを利用する場合、販売金額に対して数パーセント程度の販売手数料やプラットフォームの購入費が発生する場合があります。

中には、月額利用料に手数料が含まれるものなど、アプリによって課金形態は異なります。そのため、導入時に必要な費用や毎月のランニングコストは、選ぶアプリによって大きな差が生じるでしょう。

また、手数料の他にも、商品の発送や撮影機材に費用がかかることも忘れてはなりません。

事前に想定していたよりも費用がかさまないよう、予算を考慮しながら、複数のアプリを慎重に比較検討することをおすすめします。

配信ジャンルに合っているか

アプリの配信ジャンルと自社の商品がマッチしているかも必ず確認しておきたいポイントです。

ライブコマースアプリによっては、アパレルを中心にしたものもあれば、食品ジャンルをメインに取り扱っているものもあり、人気のある配信ジャンルが異なっているケースもあります。

そのため、自社で配信したい商品ジャンルに適したアプリを選ぶようにしましょう。

自社商品の魅力がしっかり伝わるかどうか、アプリと自社商品の相性を事前にチェックしておきましょう。

日本でのライブコマースアプリおすすめ5選!

日本でのライブコマースアプリおすすめ5選!

ライブコマースは、使用するアプリによってそれぞれ特徴が異なります。

ここでは、ライブコマースに使用できるおすすめアプリを6つご紹介しますので、アプリ選びの参考にしてみてください。

17LIVE

ライブ配信アプリとして人気の「17LIVE(イチナナライブ)」が、2023年7月末より17LIVEアプリ内でライブコマースに特化したサービス、「イチナナショッピング」の提供を開始しました。

これまで「17LIVE」では、ライブコマースをおこなう際、商品購入時はユーザーが自ら商品販売ページへ遷移する手間が生じていました。

しかし、今回導入された「イチナナショッピング」では、ライブ配信にプラスして、商品購入や決済までアプリ内でシームレスに完結できるようになっています。

「イチナナショッピング」は、「17LIVE」の全ユーザーを対象に、出店者もしくはイチナナライバー(ライブ発信者)が商品を紹介して、販売をおこないます。リスナーと呼ばれるライブ配信の視聴者は、配信のトークを通じて商品の魅力や特徴を知ることが可能です。

「イチナナショッピング」での出店方法もシンプルで、基本的には4つのステップで完結します。

1.オンライン説明会に参加する
2.ショッピング機能を設定する
3.配信前に商品表示を「オン」にする
4.販売する商品を選択する

また、配信の途中でも商品を追加して販売できるなど、柔軟な配信対応が可能です。

イチナナショッピングでは、今後も定期的にライブコマースに関連する機能を拡充していく予定です。

17LIVE公式サイト

マルキャス

株式会社マルジュが運営する「マルキャス」は、4Kに対応しており、鮮明で見やすい配信を実現しています。

ライブコマースはもちろん、面接や面談、コールセンター、高齢者見守り、占い、カウンセリングといった、多岐にわたる使い方が可能です。PCだけではなく、スマホでの視聴や配信に対応しているのもマルキャスの強みといえるでしょう。

ユーザーは若年層が中心で、コスメやアパレルなどに興味のある若者に人気のある商品を販売したい企業に適しています。

マルキャス公式サイト

Peace you LIVE(ピースユーライブ)

Peace you LIVEは、国内最大級のライブコマースアプリです。2020年10月にサービスの本格稼働を開始し、年間100万点以上の販売実績を誇ります。

出店から配信までの手続きもシンプルで、最短10分程度で販売を始められるのも魅力です。出店者自身でライブ配信をおこなえるほか、高い販売実績を誇るライバー(配信者)に代理で販売してもらうことも可能です。

ユニークな「オークション機能」も備わっているなど、エンタメ性の高いアプリとなっています。

Peace you LIVE公式サイト

POPO

POPOは、ライブコマース機能の他、ショートムービーやライブ配信といった3つの機能を活用できるアプリです。

アプリの利用は無料なので、出店時の費用は発生しません。必要な費用は商品が売れた際にかかる販売手数料のみで、一律8.6%となっています。

また、POPO独自の「シティ機能」では、位置情報をオンにして配信することで、特定のエリアにいる視聴者を呼び込むことが可能です。

実店舗の集客・売上向上も期待できるため、店舗を持つ事業者におすすめといえるでしょう。

POPO公式サイト

1899mall

1899mallは、ファッションアイテムを中心に扱うライブコマースアプリで、ファッション部門においては国内最大の規模を誇ります。

インフルエンサーの限定店舗を展開していることが特徴で、人気インフルエンサーのライブ配信では、配信開始から30分で商品が売り切れたり、1回のライブで売上1,000万円以上を達成したりといった実績もあります。

経営母体は、インフルエンサーとのコラボアイテムやコラボブランドを展開してきた株式会社Sホールディングスです。1899mallでは、毎日セールやイベントも開催しているため、若者を中心としたファッションに興味のある視聴者に人気のあるアプリです。

1899mall公式サイト

ライブコマースを導入するメリット

ライブコマースを導入するメリット

ライブコマースを導入するメリットには、主に次の3つが挙げられます。

・商品の魅力を動画で伝えられる
・双方向的なコミュニケーションで消費者の不安を解消できる
・配信者を活かした宣伝ができる

動画で商品の魅力を伝えられるのは、ライブコマースならではの魅力です。キャッチコピーや写真だけでは伝わらない魅力も、動画だと説得力が増します。化粧品ならラメの光り具合、洋服なら裾の広がり方やビジューの輝き方などをわかりやすく伝えられるでしょう。

また、双方向でのコミュニケーションを図れるのも魅力です。これまでのテレビショッピングは出演者が一方的にセールストークを繰り広げる形でしたが、ライブコマースでは視聴者の疑問やリクエストにその場で答えられます。これにより、視聴者は購入時の不安を解消でき、購買意欲の向上にもつながるのです。

配信者のキャラクターを活かした宣伝活動ができるのもメリットといえるでしょう。とくに、インフルエンサーが自身のアカウントからライブコマース配信をおこなうことで、その商品やブランドを知らなかった客層に広くアピールできます。商品をさらに多くの層に知ってほしいときにも効果的です。

ライブコマースを導入する前に知っておきたい注意点

ライブコマースを導入する前に知っておきたい注意点

一方で、ライブコマースを導入する前に知っておきたい注意点は次の通りです。

・配信者の選定が重要
・集客方法を考える必要がある
・配信時のトラブルにも備えることが大切

まずは、配信者(ライバー)の選定が重要となります。配信は自社スタッフなどを起用する場合と、ライバーに依頼する場合の2通りがあります。

ライバーに依頼する際は、商品の魅力をしっかり伝えることができるか、視聴者への影響力がどの程度あるのかを確かめておきましょう。単に人気があるライバーに依頼するのではなく、自社商品との親和性をチェックすることも重要です。

また、日頃から視聴者を増やすための広報活動や、SNSアカウント運用の知識も必須です。アクセス数やフォロワー数で伸び悩んでいる企業は、ライバーに頼るだけではなく、集客方法のプランニングもおこないましょう。

さらに、ライブ配信の際はネット回線が遮断されたり、コメント欄にマナーの悪い書き込みをする視聴者がいたりと、生配信ならではのさまざまなトラブルが考えられます。事前にトラブル時のガイドラインを作成しておき、早急に対処できる体制を整えておきましょう。

日本でライブコマースを成功させるためのコツ

日本でライブコマースを成功させるためのコツ

中国ではライブコマース市場が活発で、多くの方が日常的に活用していますが、日本ではまだまだ認知度が低いという現状があります。

日本でライブコマースを導入し、成功させるためにはどのような点に気をつければよいのでしょうか。ここでは、日本国内でライブコマースを成功させるためのコツを4つご紹介します。

配信者の選定は慎重に検討する

配信者の選定は慎重におこないましょう。配信者の選定がその後の商品の売れ行きやブランディングに影響を及ぼすといっても過言ではありません。

インフルエンサーや人気ライバーに依頼する際に注意したいのは、その人たちが持つフォロワーと商品のターゲット層の相性がよいかです。若い女性向けのアパレル商品であれば、その商品のイメージに近い配信者を起用するのが効果的です。

また、ターゲット属性だけではなく、商品に対して熱意を持って販売してくれるかといった配信者の人柄も大切なポイントです。

商品に対しての知識を保有しているか、イレギュラーな質問にも対応できるだけのスキルが備わっているかなども見極めましょう。

視聴者と積極的にコミュニケーションを取る

ライブコマースのメリットは、リアルタイムで視聴者とコミュニケーションが取れることです。このメリットを活かせなければ、ライブコマースを活用する意味がないといえます。

配信者が一方的に話すだけでは、従来のテレビショッピングと変わらないため、コメント欄をこまめに確認し、意識的に視聴者と関わることが大切です。

さまざまなコメントに配信者が積極的に反応することで、視聴者がコメントをしやすくなり、活気のあるライブ配信になるでしょう。

購入したくなる「仕掛け」を考える

視聴者が「今すぐ欲しい!」となるような仕掛けを考えることも、売上向上につなげる重要なポイントです。見ていておもしろいだけの配信では売上につながらないため、具体的に購買意欲につなげる仕掛けを考えましょう。

例えば、下記のようなものが挙げられます。

・ライブ配信の視聴者だけ送料無料にする
・「本日だけの価格(や特典)」と期間の縛りを設ける
・次回使えるクーポンを同封することを伝える

配信に参加した視聴者だけの特典やキャンペーンを用意することで、購入を後押しする仕掛けになります。

データ分析をおこなう

ライブ配信後にデータ分析をすることも、ライブコマースの成功につなげるために欠かせない作業です。

配信中は、多くの視聴者がコメントやリクエスト、配信の感想などを残してくれます。配信後にすべてのコメントを確認し、わかりにくい点はどこだったのか、ネガティブな感想の原因は何なのかなどを丁寧に分析しましょう。

さらに、アクセス数やコメント数、アクセス経路、購入数などのデータを毎回分析し、次回への改善点を明確にしていくことも、ライブコマースを成功させるために重要です。

自社に適したライブコマースのアプリを選ぼう

自社に適したライブコマースのアプリを選ぼう

ライブコマースは、YouTubeやTikTokといった大手SNSでも配信可能ですが、商品購入時に外部サイトに遷移する必要があります。その点、決済までアプリ内でシームレスに完結可能なライブコマースアプリは、企業にもユーザーにもメリットがあります。

ライブコマースアプリを活用する際は、自社の商品やサービスとの親和性が高いアプリを選ぶことが重要です。

アプリによって人気の配信ジャンルやターゲット層などが異なっているため、自社の商品・サービスとあっているか、また手数料などコストも比較しながら、自社にマッチしたアプリを検討しましょう。