マーケティングとは？戦略の立て方と施策成功のポイントを紹介
新規顧客の獲得や売上向上を目指すうえで必須となるのが、マーケティング戦略です。しかし、これからマーケティングをおこなっていく企業担当者の中には、「マーケティングの基本的な知識を知らない」といった悩みをお持ちの方もいるかと思います。
そこで本記事では、マーケティングに関する基本的な種類や手法について紹介します。また、マーケティングの学習に役立つ本も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
マーケティングとは？
マーケティングにはいくつかの定義がありますが、基本的には継続的に商品やサービスを販売できる環境を構築する活動を指します。
具体的には、顧客のニーズを満たせる商品やサービスの開発から、提供手段の確保、さらには顧客への的確なアプローチなど、これらすべての要素がマーケティングに含まれます。
継続的に商品やサービスを販売していくためには市場にいる顧客のニーズを把握し、そのニーズを満たせる最適な商品やサービスを提供し続けられる環境整備が必要です。
マーケティングの具体的な活動方法
マーケティングでは、一般的に「市場調査」から始まり「戦略設計」を経て「広告宣伝」をおこない「効果検証」といったプロセスをたどります。
「市場調査」では、例えば試供品や無料トライアルを利用してもらい、率直な感想や意見を出してもらうことで顧客が求めているものを探ります。市場調査で得られたデータをもとに、効率的に商品やサービスを宣伝するためにはどのような手法を用いるのかを決めるのが「戦略設計」です。
「広告宣伝」では、商品やサービスを購入してもらうきっかけ作りや、認知度向上に向けた取り組みをおこないます。最後に「効果検証」をおこない、マーケティング活動の効果を洗い出し、改善を繰り返すのが基本的な流れです。
主なデジタルマーケティングの種類
マーケティングは利用する媒体などの条件で、いくつかの種類に分けられます。ここでは、Webなどのデジタル媒体を利用する「デジタルマーケティング」の種類を4つ紹介します。
Webマーケティング
Webマーケティングは、Webサイトでのマーケティングに特化した手法です。Webサイトに掲載するWeb広告の運用や、検索エンジンから訪れる人を増やすためのSEO対策などをおこないます。
顧客となり得るユーザーの流入を増やして、販売やブランディングを促進することを目的とするケースが多いです。また、最近ではスマートフォンアプリを利用した際の行動履歴をデータとして蓄積し、マーケティングに活用するデジタルマーケティングも広まりつつあります。
ソーシャルメディアマーケティング
ソーシャルメディアマーケティングは、SNSやYouTubeなどのソーシャルメディアに特化したマーケティング手法です。InstagramやX（旧Twitter）をはじめとしたSNSのアカウントを運用し、投稿や配信をおこないます。
SNSでの情報発信をおこなうとともに、ユーザーとコミュニケーションを取ることによって、より親密度が高まり、アカウントの成長につながります。
また、SNSではユーザーのリアルな感想や口コミが集まりやすいです。これらの情報を活用し、ニーズを満たす商品開発に役立てられる点もソーシャルメディアマーケティングの魅力のひとつです。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは、自社で所有しているさまざまなコンテンツを活用するマーケティング手法です。
デジタルコンテンツを活用するイメージが強いコンテンツマーケティングですが、紙のパンフレットやダイレクトメールなどのオフラインコンテンツもツールとして幅広く用いられています。
顧客となり得るユーザーに対して商品やサービスを積極的に販売するためではなく、有益な情報を提供し続けて興味を抱いてもらったり、信頼関係を構築したりすることが主な目的です。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングは、SNSなどで大きな影響力のあるインフルエンサーを起用して、自社商品やサービスのプロモーションをおこなうマーケティング手法です。インフルエンサーに自社商品やサービスのプロモーションをおこなってもらうことで、新規顧客に対する認知拡大やファンの獲得を狙います。
さらに、ジャンル特化型のインフルエンサーであれば、商品やサービスにマッチした人物を起用することで、ユーザーの共感を得られやすくなるでしょう。さまざまなマーケティング施策や効果測定がおこなえる柔軟性も利点です。
マーケティング施策を成功させるために重要な要素
マーケティング施策を成功させるためには、マーケティング手法についてより深く理解する必要があります。ここでは、マーケティングにおける重要な要素を3つ紹介します。
セグメンテーション
セグメンテーションとは、市場の細分化を意味します。市場の中の潜在的な顧客を特定のグループに分類し、細分化することを指します。このプロセスは通常、マーケティングの初期段階で実施されることが一般的です。
顧客の年齢や住んでいる地域、職業や収入から趣味・趣向までさまざまな条件をもとに細分化します。
セグメンテーションによって、顧客を細かく区分することは、自社商品やサービスがどのような顧客層に最も受け入れられるのかを見極めるために有効です。
ターゲティング
セグメンテーションで分類されたグループから、自社の商品やサービスを購入してくれる見込みのある顧客を絞り込み、選別するのがターゲティングです。
このターゲティングが甘いと、効率的なマーケティング戦略を立てることができません。近年ではさまざまな商品やサービスが市場に溢れており、仮に商品力が強かったとしても、ターゲティングがうまくできていないと売上を伸ばすことは難しいでしょう。
そこで、自社商品やサービスのニーズが高い市場を特定し、そこに対してアプローチをかけるターゲティングが重要です。
ベネフィット
ベネフィットとは、マーケティングにおいて、顧客が商品やサービスを利用した際に得られる満足感などのプラスに働く感情のことです。その商品がどのような効果を顧客に与えるかをイメージする際に用いられます。
商品やサービスが持つ特徴や強みなどの長所を表現するメリットとよく比較されますが、ベネフィットは消費者である顧客視点での情報が中心です。そのため、メリットとベネフィットは共通の部分とそうではない部分が存在します。
また、ベネフィットは、顧客が商品やサービスを利用している風景をイメージしやすいため、顧客の感情にどのように作用するかを把握しやすいです。
マーケティング戦略立案に役立つ4つのフレームワーク
マーケティング戦略を立案するときは、調査の際に必要となるフレームワーク（分析手法）を知っておくことが大切です。ここでは、主なフレームワークを4つ紹介します。
3C分析
3C分析は、3つの要素「Customer（市場・顧客）」「Competitor（競合）」「Company（自社）」それぞれの環境を分析するフレームワークです。3C分析は、市場や顧客、競合などの実情を分析する外部環境と、自社が持つ強みや弱みを客観的な視点から明らかにすることで、自社が成功する道筋を探し出すことができます。
3C分析をおこなう際に重要となるのが、できるだけ客観的なデータを集めることです。他社の意見や解釈が混ざるデータがあると的確な分析ができないため、数値や一次情報を中心に情報収集をおこないましょう。
4P分析
4P分析の4Pとは「Product（商品・サービス）」「Price（価格）」「Place（流通）」「Promotion（販促活動）」の頭文字を取ったもので、マーケティング施策立案の際に用いられるフレームワークです。
4P分析は、自社が行っているマーケティング活動を細分化して詳細に分析することで、将来の具体的なマーケティング戦略の立案が容易になります。
とくに、現在のマーケティング活動に問題を抱えている場合は、4P分析をおこなうことで問題点を洗い出せる可能性があります。
SWOT分析
SWOTとは、「Strngth（強み）」「Weakness（弱み）」「Opportunity（機会）」「Threat（脅威）」の頭文字を取ったもので、自社の現状を分析する際に用いられるフレームワークです。
内部環境である自社の強みと弱みをセットで分析することによって、現状を客観的な視点でとらえることができるため、新たな強みの発見や弱みだと思っていた部分の改善点が見えてきます。
さらに、自社の弱みや脅威を抽出することで将来のリスクが浮き彫りになることから、想定されるリスクを回避するための対策も立てやすいでしょう。
PEST分析
PESTとは、「Politics（政治）」「Economy（経済）」「Society（社会）」「Technology（技術）」の頭文字を取ったもので、自社で制御することが難しいとされる外部環境の把握に用いられるフレームワークです。
中でも、人口統計や流行変化、技術革新などのマクロ環境が自社に与える影響を把握し、将来の脅威を予測する点において有効とされています。
自社のマーケティング活動に影響を及ぼすマクロ環境を分析することで、市場の長期的な変化を予測し、マーケティング戦略の方向性を見定めたいときにPEST分析は役立ちます。
マーケティングの学習に役立つ本2選
マーケティングを効率よく学びたい方におすすめの書籍がいくつかあります。ここでは、マーケティングの基本を学習するために役立つ本を2冊紹介します。
世界一わかりやすいマーケティングの教科書
「世界一わかりやすいマーケティングの教科書」では、マーケティングの経験が浅い方でも理解できるよう非常にわかりやすく解説されています。
マーケティングにおけるコミュニケーションの役割と重要性について書かれており、マーケティング成功のカギを握るコミュニケーションから具体的なマーケティングの実践方法までも詳しく紹介されています。
また、事例が豊富に掲載されているため、多くの成功事例を参考にしてマーケティングの視点や考え方を学びたい方にもおすすめの本です。
SNSマーケティングのやさしい教科書。
SNSを活用したマーケティングをおこないたい方にとって必見の書籍です。この本では、SNSマーケティングの基本や機能、ユーザー層ごとに好まれる情報の発信方法まで丁寧に解説されているため、これからSNSによるマーケティングを始めようと検討している方におすすめです。
FacebookやInstagram、X（旧Twitter）を中心としながらも、その他のSNSを運用したマーケティングにも触れており、SNSマーケティングの全体像をつかむこともできます。この1冊でSNSマーケティングの基礎や運用面のノウハウを幅広く学習できるでしょう。
SNSマーケティングのやさしい教科書。 Facebook・Twitter・Instagramーつながりでビジネスを加速する技術 株式会社グローバルリンクジャパン 清水将之
マーケティングを勉強し売上拡大を目指そう
効果的なマーケティング戦略を構築するためには、企業と顧客の双方の視点から総合的に分析し、最適な手法を選択する必要があります。また、急速な市場変化に適応するためには、マーケティング知識を常にアップデートし続けることが不可欠です。
初級者から上級者向けまで多岐にわたるマーケティング関連の書籍が出版されているため、自身の理解度にあったものを選択しましょう。
