ライブコマースの効果測定方法

2021年9月12日

EC の新たな販売・マーケティング手法として注目されているライブコマース。しかし、実践すれば必ずしも効果が出るものではなく、マーケティング効果を測定し、改善を行っていくことが重要となります。本記事はライブコマースのマーケティング効果を把握するための測定方法について紹介します。

EC の新たな販売・マーケティング手法「ライブコマース」

EC利用率が上昇する中で、他社との差別化を図るECの新たな販売手法としてライブコマースに注目が集まっています。ライブコマースとは、ライブ配信を用いて商品の販売を行うマーケティングで、視聴者とのリアルタイムでの対話を通じて購入検討の不安を解消し購入を後押しすることが可能です。

商品の情報をもっと知りたい、使用例が見たい、別の商品の提案がほしいなどのユーザーのニーズにその場で応えられることからも購買意欲を高めやすい販売手法といえます。しかし、 1 度の実施のみで大きな効果が得られるというケースだけではないため、継続的に運用を進める必要があります。運用にあたっては、他のマーケティング施策と同様に効果測定を行い、効率的に PDCA サイクルを回すことが重要です。

次章では、ライブコマースのマーケティング効果を把握するうえで重要なポイントを紹介します。

認知、関心・検討、購入などKPIの設定

効率的に事業目標を達成するためには、目的や達成へのプロセスを具体化する必要があります。ライブコマースを行う際にも同様に、これらをきちんと定める必要があります。

その際に使用される指標として KGI ( Key Goal Indicator )と KPI ( Key Performance Indicators )があり、 KGI は最終目標、 KPI は過程を指します。 KPI は KGI 達成に向けた具体的な各プロセスの達成度を図るための指標です。以下に ライブコマースのKGI と KPI の設定方法を紹介します。

ライブコマースのKGI

まず、 KGI の設定ですが、最終的に多くの場合はユーザーの「行動」や「購入」に至るケースが多いです。その前段階として、検討フェーズの層に向けた「関心」や「検討」などを促すという目的も考えられます。または、新規商品を対象に「認知」を拡大したいというケースもあるかもしれません。
設定した KGI に応じてターゲットや配信するコンテンツを検討する必要があるため、どのようなユーザーを対象にするか、そのユーザーにどうなって欲しいか明確化したものを、事業に携わるチームメンバー全員に共有し共通認識を持っておくことが大切です。

ライブコマースのKPI

次に KGI が達成される数値を各指標にて KPI として設定していきます。 KPI は上記に挙げた例の「認知」「検討」「行動」などのような KGI の達成度を計るために設定すべき具体的な数値目標となるため、データをもとに仮説を立て計測すべき指標を明確化する必要があります。具体的な指標は次章にて紹介します。

KGIやKPIなどの効果の可視化がなぜ重要なのかについては以下でも紹介しておりますので、あわせてご覧ください。

ライブコマースの効果を測定する指標とは

効果測定に使用する指標は大きく 2 つあり、定量数値と定性数値に分けられます。
定量数値と定性数値はお互いに補完し合う関係となるため、どちらか一方を重点的に分析しているだけでは偏った見方となり効果的な改善につながりません。定量数値のみならず、定性数値を考慮した分析を行うことで事実に裏付けされたデータをもとにリアルなニーズを具体的に把握し総合的な判断に役立てられます。

①定量効果

定量数値には以下のような指標があります。定量数値は明確な数値やデータなどの「数字」で表せるもので、誰が見ても同じ認識を持つことができる指標です。

・流入数・視聴回数(視聴人数)
ライブコマースにおける流入数はライブ配信にアクセスされた回数を指します。
・流入経路
ライブ配信の視聴者はどういった経路で視聴を始めたのかの数値です。
・視聴時間・視聴完了率
ライブ配信時間のうちどの程度の視聴者が最後まで配信を視聴したか、またどれくらいの時間を視聴したのかの数値です。
・質問・コメント数
ライブ配信中に、質問・コメントがいくつ寄せられたのかの数値です。
・商品ページアクセス数(クリック数)
ライブ配信を通じて商品に興味を持った視聴者が商品ページへアクセスした回数です。
・購入数・売上
ライブ配信によって商品がどの程度販売され、売上につながったのかの数値です。

②定性効果

定性数値には以下のような指標があります。定性数値は一般的には数字化できない要素といわれており、「質」にあたる指標です。ただし、定性的な効果を数値化して把握できる場合もあります。

・人気商品の傾向
ライブコマースを実施しているうちに、ライブコマースではどのような商品が売れるのかの傾向を把握しておくことで新商品の開発にも役立てることができます。
・視聴者からの質問内容や傾向
配信に対する質問や感想などでどういった内容が寄せられているのかを把握しておくことで、番組の改善などにも活用できます。
・動画視聴前後のユーザーの行動
動画を視聴した後の行動には「サイトを訪れる」「商品を購入する」などが挙げられます。また「実店舗を訪れる」といった行動をとるユーザーも一定数存在します。

これらの指標を活用することはライブコマース売上向上のカギである、エンゲージメント醸成につながります。
以下ではどのように関わるのかをわかりやすく紹介しております。


また、これらのデータを実際に分析しライブコマース施策に活用する方法は以下でもご紹介しております。

効果測定を行って改善を行うことでライブコマースの成果を最大化

本記事で紹介したように、ライブコマースを成功させるためには、効果測定を行い、継続的な改善を繰り返すことが重要です。

ライブコマースは 1 度の配信で期待する効果が得られないからといって、はやい段階で諦めてはいけません。長期的に運用していくことに成功の秘訣があります。

ライブコマースの成果を最大化させるためには、目的を定め、その目的に沿ったKPIを設定し、効果測定や分析を継続的に実施し改善につなげることが重要です。本記事での内容を今後のライブコマース活用にお役立ていただけますと幸いです。

ライブコマースで自社ECの売上向上をお考えの方は、今回の内容とあわせて以下もぜひご覧ください。

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このコラムを書いたライター
HandsUP 運営事務局
HandsUP 運営事務局
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