美容・コスメのライブ配信時に気をつけたい薬機法の基礎知識

2021年9月12日

美容・コスメ業界では、ライブ配信を用いた新しい販売・マーケティング手法として、ライブコマースが注目されています。ライブコマースにより顧客とのリアルタイムな対話を通じて、ネットを利用した購入に対する不安を軽減させることができます。しかし、美容・コスメを取り扱う場合は、薬機法への考慮も欠かせません。本記事では美容・コスメのライブ配信時に留意したい薬機法の基本的ポイントを紹介します。

美容・コスメ業界で注目されるライブコマースに潜むリスク

新型コロナウイルスの影響によって、対面での接客・販売が難しくなってきています。
美容・コスメ業界では実際に店舗を訪れてもらった際、お試しメイクやサンプルの利用時にさまざまな情報を顧客に提供することで購入に当たっての不安を解消することができていました。しかし、お試しメイクやサンプル提供の自粛によって顧客の不安を解消する機会が減少しています。

そんな不安を解消する販売手法の 1 つとして、ライブコマースに注目が集まっています。ここでは、ライブコマースのメリットとリスクについて紹介します。

ライブコマースの利点はリアルタイムな対話で顧客の不安を払拭できること

ライブコマースはライブ配信で商品を紹介し購入してもらう新しい販売・マーケティング手法です。
リアルタイムに顧客(視聴者)とコミュニケーションをとれるため、顧客の商品に対する不安や疑問をその場で解消することができます。そのため、不安や疑問があるため購入をためらっている顧客の気持ちを後押しし、購入につなげることができます。

そのため、コンバージョン率や購買単価の向上にもつながりますが、一方で美容・コスメをライブコマースで販売するにあたり、いくつか留意しておかなければならない点もあります。

配信内容が薬機法の広告規制に違反した場合、罰則も

美容・コスメ用品をライブコマースで販売するためには、薬機法について留意しておく必要があります。
薬機法とは、 2014 年に薬事法が改正され、法律の一部と共に法律名が変更されたものです。
薬機法では医薬品や医療機器などの品質と有効性及び安全性を確保するため、製造・販売・流通・広告などについて細かく制定されています。

上記のようなことが薬機法で定められているため、ライブ配信中に謳い文句として「シワ・シミをなくす」などの過度な表現をしてしまった場合には、罰則が科せられる可能性もあります。
加えて、薬機法に違反した企業というイメージが付いてしまうため、ライブ配信中の表現には細心の注意を払う必要があります。

次項では、薬機法に抵触するリスクを低減する方法について紹介します。

リスク低減のためには薬機法への対応が重要

薬機法に抵触するリスクを低減するためには、「薬機法が定める化粧品とはどのようなものなのか」や「特に気をつけたい表現」について知っておく必要があります。

ここでは上記 2 つの対応について解説します。

薬機法の定める「化粧品」とは

薬機法では以下のように化粧品が定められています。

“・薬機法 第 2 条の 3 <引用>
「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第一項第二号又は第三号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。”

薬機法の対象となる化粧品には、基礎化粧品や香水、メーキャップ化粧品などが含まれます。これらを販売する際には「表現」に気をつける必要があります。

特に気をつけたい表現

薬機法第 66 条では、虚偽又は誇大な記事を広告することが禁止されています。
化粧品に医薬品のような効果がある表現をしてしまわないように注意が必要です。

・薬機法 第 66 条<引用>
何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であることを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

上記条文では、解釈が広く、範囲が明確ではないため、「医薬品等適正広告基準」というものが厚生労働省から出されています。これは法律ではありませんが、解釈基準としてほぼ同等の効果をもつと考えられています。一方で上記基準は医薬品がメインとなっているため、化粧品の場合は日本化粧品工業連合会が発表している「化粧品適正広告ガイドライン」を参考にすることをおすすめします。

広告の出稿時だけでなく、ライブ配信時にも表現には注意を払う必要があります。
ライブ配信中の商品紹介に熱が入りすぎてしまうことで、「肌が若返る」や「老化を招く成分を取り除く」など過度な表現をしてしまうことも考えられます。

これらの表現は客観的な根拠もなく、消費者に誤解を与えてしまうため、避けるべき表現であるといえます。また、これまでも紹介したように薬機法にも抵触してしまう可能性もありますので、十分に注意した配信が必要です。

留意点を押さえてライブコマースを実践!

ライブコマースで美容・コスメ商品を扱う際には本記事で触れた薬機法などの制限を考慮したうえで実施する必要があります。

薬機法に配慮することで、ライブコマースのさまざまなメリットを享受することができます。
初めてイブコマースを実施したいとお考えの方は、サポートが充実しているライブコマース支援ツール「 HandsUP 」のご利用を検討してみはいかがでしょうか。

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このコラムを書いたライター
HandsUP 運営事務局
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