ライブコマースのライバーの育成はなぜ重要?育成時に重視するポイントも解説
ライブコマースの出演者でもあり、成果を左右する存在でもあるのが、配信者である「ライバー」です。ライブコマースで最大の効果を得るためには、優秀なライバーの起用や育成が欠かせません。
しかし、ライブコマースをおこなう方の中には、「ライバーの起用ではなく、育成が大切な理由がわからない」「社内で思うようにライバーが育たない」といった悩みを抱える担当者も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ライブコマースにおけるライバー育成が重要な理由や、ライバーを育てるために重視すべきポイントについて解説します。
ライブコマースのライバーとは
ライバーは、ライブコマースに出演する配信者のことを指し、ライブ配信の中で視聴者とのコミュニケーションを取りながら、商品のPRや販売などをおこないます。
ECサイトの利用を促すこともあり、商品の売上に大きく貢献することから、ライブコマースにとって優れたライバーの起用は、EC事業の成否を大きく左右するといえます。
しかし近年、ライブコマースに参入する企業が増加傾向にあるものの、まだ日本ではライバーが不足しているのが現状です。そのため、今後日本でライブコマースを盛り上げていくためにも、市場への影響力を持つライバーを増やしていくことが重要課題となるでしょう。
ライブコマースを成功させるうえでライバー育成が重要な理由
ライブコマースを成功させるためには、ライバーを自社で育成することが重要といわれています。しかし、なぜ既存のインフルエンサーを起用するのではなく、育成が重要なのでしょうか。ここでは、ライバー育成が重要な理由を4つ紹介します。
商品知識を持った人を起用できるため
ライバーを育成するメリットとしては、自社製品の商品知識を持つ人を起用しやすくなる点が挙げられます。
既存のインフルエンサーをライバーとして起用することは、集客という観点では効果的ですが、外部から招いたインフルエンサーでは、自社商品の知識が少ないというデメリットがあります。そのため、ユーザーから「この配信者は商品のことをきちんと知ったうえで紹介しているのだろうか」と、不安に思われる可能性もあるのです。
一方、自社で育成したライバーであれば、事前に商品知識の共有がおこないやすいため、上記のような不安を感じさせにくくなります。視聴者から寄せられるさまざまな疑問や質問に即答できるほどの商品知識を持っているライバーとして育成できる可能性もあり、この点は、外部のライバーの起用では得られないメリットといえるでしょう。
ライブコマースの配信者が少ないため
国内のライブコマースに対応したライバーが少ない点も、ライバー育成が重要である理由のひとつです。
中国では、ライブコマースに特化した数多くのライバーが活躍していますが、日本にはまだそうした人材が少ないという実情があります。そのため、自社のターゲット層にマッチしたライバーが見つからない可能性も十分に考えられるのです。
このようなリスクを減らすためにも、自社の配信にマッチしたライバーの育成をおこなった方が、より理想的な人材を確保しやすくなるでしょう。
ライブ=実店舗の接客に近い双方向性のコミュニケーションであるから
ライブコマースは、一方的な配信ではありません。実店舗における接客のように、視聴者とコミュニケーションを取りながら配信しているため、ライバーにはコミュニケーション能力が求められます。
例えば、目の前のお客様の話を聞かずに一方的な説明ばかりをするのは、実店舗の接客ではあまりよく思われません。これは、ライブコマースでも同様です。
しかし、接客におけるコミュニケーションは、独学でライブ配信をおこなってきた方にとっては習得しにくい部分でもあるため、視聴者に不快な思いをさせてしまう可能性があります。このようなリスクを防ぐためにも、ライバーの育成をおこなうことが重要であるといえるでしょう。
購買・ファン化につなげるためには、さまざまな要素が必要であるから
ライブコマースには、商品の販売やファンの獲得といった目的があります。そのため、ライバーは単に場を盛り上げるだけでなく、商品知識やコミュニケーションスキル、クロージングスキルなどのさまざまなスキルが必要とされるのです。
ユーザーが魅力に感じるメリットの伝えたり、購入に近づいているユーザーに最後の一押しとなる呼びかけを効果的におこなうなど、ライバー独自のさまざまな技術が求められます。
上記のような高いスキルを習得してもらうためにも、ライバーの育成に取り組むことは大切であるといえるのです。
ライブコマースのライバーを育てるために重視するポイント
ライブコマースのライバーには、コミュニケーション能力や接客力といったスキルが求められます。そのうえでライバーを育成する際に重視すべきポイントを、7つ紹介します。
表情
ライブ配信において、視聴者は常にライバーの表情を見て感情を読み取ります。そのため、ライバーがはっきりと感情を出すことで、商品の魅力などが視聴者により伝わりやすくなるのです。
とくに笑顔の表情は重要です。作り笑いではなく素の笑顔を出すためには、ライバー自身が配信を楽しむことを心がける必要があるでしょう。
声量
感情表現が豊かな表情でも、声量が少ないと商品やライバーの魅力が視聴者に届きません。また、声が小さい人は自信がないと思われたり暗い印象を与えたりするため、話を最後まで聞いてもらえなくなる傾向にあります。
反対に、声量があると活発で自信を持っているイメージを視聴者に与えられるため、説得力が高まり視聴者の好感度も上がります。そのため、配信をする際は声量も意識するようにしましょう。
ただし、声量が大きいほどよいという訳ではありません。あまりにも大きすぎる声や、突然大きな声を出すことは、視聴者を不快にさせてしまう要因となりますので、声のメリハリを意識して聞き取りやすいかどうかを重視することが大切です。
ボディランゲージ
身振り手振りが小さいと、盛り上がりに欠ける印象を与えます。とくに、固定画角の場合は動きが少ないと棒立ちしているようにも見え、視聴者がつまらないと感じてしまいかねません。
実店舗とライブ配信では距離感が異なるため、配信でのボディランゲージはリアクションが伝わりにくく、視聴者が物足りなく感じてしまう可能性が高いです。そのため、配信では多少大げさに感じられるぐらいの身振り手振りの方が、画面に動きが出てよいでしょう。
恥ずかしい気持ちが前面に出てしまうと、やらされ感が出て視聴者に見透かされてしまうので、恥ずかしがらずに自信を持ってボディランゲージをおこなうことが重要です。
インタラクション
視聴者とのインタラクション(相手の行動に対しての反応)は、大きく分けて4つに分類されます。種別や具体例、対応方法を下記にまとめました。
種別 | 具体例 | 対応方法 |
---|---|---|
感想 | 「かわいい」 | リアクション(共感)する |
質問 | 「サイズは?」 | ニックネームを読み上げ必ず質問に応える |
要望 | 「アップで見たい」 | 可能な限りリクエストに応える |
意思 | 「買います」 | 心からの感謝を伝える |
視聴者からのコメントに対しては、できる限り即答を心がけましょう。また、コメントが来ないときは、質問を投げかけたり呼びかけたりして、視聴者がコメントしやすい雰囲気を演出することが大切です。
「AとBのどちらが好きか」を聞くような、クローズドクエスチョン(選択肢を持つ質問)を投げかけるのも効果的です。使用するライブコマースのプラットフォームにアンケート機能があれば、それを活用するのも効果的でしょう。
商品知識
商品の魅力を伝えるためには、豊富な商品知識が必要です。そのうえで、マニアックな質問や、細かな質問が来ることも想定しておくと、回答に詰まることなく対応できます。
また、商品に関する質問には必ず明確に回答することが重要です。「肌質改善にいいかも」などの曖昧な表現は避け、自信を持ってはっきりと返答しましょう。そうすることで、視聴者はライバーの言葉を信頼でき、購入につながる可能性も高まります。
また、商品自体のメリットや、その商品を購入することで得られる感情的な満足感なども、商品を訴求するうえで視聴者の心を動かす情報になり得ます。
クロージング力
購入につなげるための最後のアクションがクロージングです。コメントの中に、「色で迷っている」「買おうかな」といった購入に関するものがあれば、最後の一押しをするチャンスです。
購入後のベネフィットを伝えたり、「◯◯のシチュエーションならこっち」といった具体的な解決策を提案したりすることで、同じ迷いを持つ視聴者の背中も後押しすることができます。
また、「これ持ってます」「買いました」といったコメントには感謝の気持ちに添えて、「どういった場面で使用しますか?」と問いかけをおこないましょう。その結果、視聴者の返答によって「そういう使い方もできるのか」と他の視聴者に気づきを与えることも可能でしょう。
パッション
ライバー自身がその商品を愛し、商品の魅力を多くの視聴者に知って欲しいという目的を持つことで、パッションは自然とわいてきます。
そのためには、ライバーが心からライブコマースを楽しめる環境を構築しましょう。例えば、すべて指示した配信内容でライバーに演じてもらうのではなく、ライバーの意見を積極的に取り入れたライブコマースを作り上げることで、ライバー自身が楽しいと思える環境作りにつながります。
ライバーが自分らしさを忘れずに視聴者とともに楽しめるライブコマースを作り上げましょう。
ライブコマースのライバーに適性のある人の3つの特徴
ライブコマースは、ライブ配信でオンライン販売をするという特性上、ライバーに適性のある方とそうではない方を判断しやすい傾向にあります。
ここでは、ライブコマースのライバーに適性のある人の特徴を3つ紹介します。
社交的・臨機応変な対応ができる人
ライブコマースでは、不特定多数の視聴者に配信を視聴されながら、さまざまなコメントが寄せられます。そのため、ライバーには初対面でも人と仲良くなれるコミュニケーション能力のみではなく、質問や要望に対して応じられる柔軟性が求められます。
相手との共通点を見つけて会話を盛り上げたり、積極的に話しかけたりして自分から人間関係を構築できる社交的な性格の持ち主は、ライバー向きといえるでしょう。
また、想定外の状況に陥った場合に、落ち着いて臨機応変な対応ができる人も、ライバーに適しているといえます。
得意分野がある人
料理やダンス、楽器演奏やゲームなど、配信で活かせる得意分野を持っている人は、差別化を図れるためライバーに向いています。さらに、自分の得意分野に特化して配信することで、視聴者の共感も得られやすく印象付けられるため、固定ファンを獲得しやすいです。
一見すると、配信に活かせそうにない得意分野でも、ユーザーの共感を得られるケースは多々あります。例えば、食べ歩きが好きであれば、隠れグルメスポットやお取り寄せグルメの紹介に活かせるでしょう。犬や猫などのペットを飼っている方であれば、ペット用アイテムやペット同伴で楽しめるホテル・レストランの紹介ができます。
自分にしか出せないオリジナルな分野に特化して配信することで、視聴者の共感を得ることは十分に可能でしょう。
向上心がある人
配信を開始して間もない時期は、視聴者数がなかなか伸びず、思い悩む経験をすることも多いです。そうした状況にいても向上心がある人は、人気ライバーと具体的に何が違うのか、自身の配信に足りない要素について常に考えています。
なぜ視聴者数が伸びないのか仮説を立てて原因を探り、検証して改善を試みる向上心がライバーには必要不可欠です。
視聴者のコメントに積極的に耳を傾け、視聴者が自分に求めているものを見極めて改善を常に試みる姿勢を持つ人こそ、ライバーに適しているといえるでしょう。
自社に適したライブコマースのライバーを育成しよう
ライブコマースを成功に導くキーポイントは、ライバーです。しかし、日本国内ではライブコマースのライバーがまだ少ない実情があるため、自社商品とマッチした人材を探すよりも育成に重点を置いた方が、自社に適したライバーを起用したライブコマースが実現できるでしょう。
育成する人材は社交的かつ向上心があり、臨機応変な対応力を身につけた方をリストアップすることがおすすめです。ライバー育成のポイントは、視聴者の好感度を得るための演技力と、商品知識やクロージングといった販売力を意識しましょう。
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