中国ライブコマースがアツい!最新の市況や成功事例で知る売上拡大のヒント

2022年11月25日

中国のライブコマース市場は拡大しており、2021年には1.2兆元(約25兆円)に達し、2025年には2.1兆元(約42兆円)を超えるとも言われています。本記事では何故中国でライブコマースが流行しているのか、顧客が集まるライブコマースとはどのようなものなのかなどを直近のデータや成功事例を交えて紹介します。

ライブコマース先進国である中国の現状

ライブコマースの先進国とされる中国では、ライブコマース市場は拡大を続けており、 2020年には9610億元(約19兆2200億円、1元=約 20 円)、翌年の 2021 年には1兆2012億元(約24 兆240億円)に急拡大しました。この成長は今後も続き 2023年には1兆6594億元(約33兆円)、2025年には2兆1373億元(約42兆円)の市場規模となることが予想されています。

2022-2023年中国直播电商行业运行大数据分析及趋势研究报告
出典:iiMedia Research(艾媒咨询) 「2022-2023年中国直播电商行业运行大数据分析及趋势研究报告(2022年6月)」

中国の3大ライブコマースプラットフォーム

中国で盛り上がりを見せているライブコマース市場を牽引しているのが、「Taobao Live(淘宝直播)」「TikTok(抖音直播)」「Kuaisyo(快手直播)」の3大ライブコマースプラットフォームの存在です。

それぞれのライブコマースプラットフォームでは、強みやユーザーの特徴が異なります。

Taobao Live(淘宝直播)

大手通販企業のアリババが提供するTaobao Liveは買い物目的で流入するユーザーが圧倒的に多く、売り上げに直結することが特徴です。また、ライブならではの特価価格を設定していることがあるため、注文数増加に寄与しています。

TikTok(抖音直播)

短編縦型動画の先駆けとなったTiktokでは、ユーザー母数が大きいものの、動画視聴を目的としていることから売り上げにつながりにくいという傾向があります。しかし、利用人数が多いため認知拡大を促す手段として用いることに大きな強みがあります。

Kuaisyo(快手直播)

Kuaisyoは中国版Instagramとも呼ばれている、短編動画やライブストリーミングを融合させたSNSです。ホームに表示される動画はいわゆる“映え”を狙った投稿よりも日常生活を感じられる投稿が多く、人々の日常生活に根差したプラットフォームです。Tiktokとユーザーの性別・年齢では大きな違いはありませんが、居住地域が異なっており、Tiktokは大都市の若い男女、Kuaisyoは地方の庶民的なユーザーをターゲットとしています。

中国でライブコマースが流行した背景

中国では莫大な市場規模となっているライブコマースですが、ここまで流行した背景にはどのようなものがあるのでしょうか。

インターネットによる情報入手が可能に

中国においてライブコマースが流行した背景の一つとして考えられる理由は、インターネットが広く普及したことです。多くの人がインターネットを通じて情報を収集・発信できる環境が整ったことで、 SNS や EC の利用が拡大しました。

コロナ禍における巣篭もり需要

新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛もライブコマースの流行を後押しする要因となったと考えられます。中国においても2020年には外出自粛が広がったことで、店舗営業が難しくなる状況にありました。
消費者が外に出られないため、店舗を構える企業の売上も立たないという状況はライブコマースの利用者とともに新たに参入する企業が増加するきっかけとなり、流行を後押しする結果となりました。

KOLの存在

中国のライブコマースでは、KOL(Key Opinion Leader)と呼ばれる特定のジャンルに高い専門性を持つインフルエンサーの配信により圧倒的な売り上げを記録しています。KOLは、SNSなどを通じて自分が詳しい分野の商品を宣伝する役割を担っており、ユーザーはその専門性を信頼して商品を購入します。中国のECでは粗悪品などが売られているケースが多いことから、信頼できるKOLの紹介する商品を買おうというインセンティブが働きやすくなっています。

ライブコマースの成功の鍵はまさにKOLの腕にかかっているといっても過言ではなく、ユーザーの購買意欲を掻き立てる、ライブ配信ならではの接客や商品に対する知識、そしてコメントへの対応などが相まって市場が盛り上がっています。

顧客がライブコマースおよび配信者に求めていることとは?

ECの販売手法は数多くありますが、なぜライブコースが人気なのでしょうか。
次項からは顧客がライブコマースに求めていることについて解説します。

商品購入における時間節約につながる情報提供

EC上には膨大な数の商品が出品されています。その中から自らのニーズを満たす商品を見つけ出すには多くの時間を必要とします。

例えば、流行の衣服を購入したいと思っている顧客がいる場合、トレンドカラーや柄、素材を意識したうえで商品を選定する必要があります。最終的にいくつかの候補に絞った段階においては、自らのセンスで購入する商品を決定します。

商品購入に至るまで多くの時間を要しますが、ライブコマースであれば最新の流行り商品を信頼感のあるインフルエンサーが紹介してくれるため、その商品を買えば選択ミスの可能性も低く、大幅な時間の節約にもつながります。

“ライブ“ならではのタイムセール

ライブコマースはテレビショッピングと同じく、短時間で消費者の心を掴む必要があります。そのため、開催前の告知でも特別価格を前面に押し出し、お得感を演出する価格戦略が取られるケースも多くあります。
ライブならではの「今だけ価格」で商品を安く購入できるというメリットも、多くのユーザーから支持される理由の一つです。

配信者とのコミュニケーション

ライブコマースには配信者とチャットなどを通じたリアルタイムのコミュニケーションが可能という特徴があります。中国のライブコマース売上上位に入るインフルエンサーの場合、配信時には平均して200万人もの視聴者が集まるほど人気の高いインフルエンサーも存在します。

配信時にはこういったインフルエンサーとコミュニケーションを取れることに魅力を感じ、視聴や購入をする人も少なくありません。

ライブコマースを行うにあたって、メリットや成功ポイントをもっと知りたい!という方はこちらの記事もご覧ください。



中国におけるライブコマース成功事例

中国では多くの企業がライブコマースに参入しています。

百思寒( BAISIHAN )12 日間のイベントでダウンジャケット 300万着の販売を達成

中国で1998年に創業したアパレルブランド「百思寒(BAISIHAN)」の課題は、取り扱っているグースダウンキルトの認知度・普及率が不十分であることでした。

認知度を高めるため、百思寒(BAISIHAN)はECへ多くの広告を出稿するなどさまざまなプロモーションを行いましたが、売上が安定せず一過性の人気にしかなりませんでした。そこで、新たにライブコマースによるファン層・リピート層の獲得に乗り出しました。

百思寒(BAISIHAN)は上述でも紹介したような顧客の求めるライブコマースを実施するために、商品の選出や特別クーポンの配布、配信中のコミュニケーションなどを行い、顧客の求めるライブコマースを実現しました。

結果として、ライブコマースは大成功し、1日のライブ配信で300万着のダウンジャケットの販売を達成し、2万人以上のファンを獲得することにも成功しています。

15分で15000本の口紅を売り上げた「口紅王子」

中国では企業以外にも、インフルエンサーが商品を紹介し、「爆発的に売上を伸ばす」成功事例もあります。
淘宝のコスメ系のインフルエンサーとして活躍しはじめた李佳琦(Austin)が2時間のライブストリームセッションの間に380本以上ものリップスティックを試した際の配信では、15分間に15000本を販売に成功しています。

彼は元々、ロレアルの化粧品販売員であったこともあり、その販促スキルをライブコマースでも応用でき
それぞれの商品に対する深い理解度と高い説明が可能となり、顧客に支持され、その説明スキルの高さが爆発的な売上を記録する要因の一つとなっています。


日本でも同様の成功事例は今後続々と出てくることが予想されます。ライブコマースプラットフォームをお探しの方は17Liveの「 HandsUP 」を是非ご検討ください。

このコラムを書いたライター
HandsUP 運営事務局
HandsUP 運営事務局
HandsUPは全世界5,000万ユーザーを抱えるライブ配信プラットフォーム「17LIVE」が提供するライブコマースソリューションです。本サイトでは弊社がライブ配信で培ったノウハウを生かし、ライブコマースに関するトレンド・業界動向からノウハウ、成功事例まで、ライブコマースの実践に役立つ様々な情報をお届けします。