Instagramを活用したライブコマースとは?ポイントや事例を解説

2023年11月27日

オンライン上でリアルタイムに配信するライブショッピングである「ライブコマース」は、さまざまな企業で導入されています。

また、最近では幅広い年齢層に人気のInstagramの機能「Instagram Live」を活用して、商品やサービスを販売する企業も増えてきています。

そこで本記事では、Instagramを活用したライブコマースの特徴やメリット・デメリット、成功事例を紹介しますので、参考にしてみてください。

Instagramを利用したライブコマースとは?

Instagramを利用したライブコマースとは?

Instagramを利用したライブコマースとは、Instagram Liveを通じて、自社商品やサービスを紹介する新たなマーケティング手法を指します。

ライブコマースでは、配信者と視聴者がリアルタイムでコミュニケーションを取れる点が特徴です。視聴者の不安や疑問をすぐに解消できることはもちろん、配信者は視聴者の反応を見ながら、状況に合わせて配信限定の特典を用意したり、提案をしたりしながら、視聴者の購買意欲を高められるメリットもあります。

Instagramを活用したライブコマースでは、商品やサービスのWebサイトリンクをコメント欄に表示した状態で、商品紹介のライブ配信を行う形式が一般的です。

Instagramを利用したライブコマースのメリット

Instagramを利用したライブコマースのメリット

Instagramを利用したライブコマースには、主に3つのメリットがあります。それぞれのメリットについて確認していきましょう。

導入しやすくコストを抑えやすい

Instagramを活用すれば、ライブコマースを簡単に導入でき、コストを大幅に抑えられます。ライブコマースを始めるときに欠かせない「出演者」や「紹介する商品」「配信設備」をすべて自社で用意できれば、初期費用なしでスタートすることも可能です。

Instagram Liveでは、メールアドレスやユーザーネーム、パスワード、誕生日、認証番号を登録してアカウントを作成するだけで、配信できる環境を整えられます。

スマートフォンが1台あれば、簡単かつ無料でInstagram Liveの配信ができる点は、ライブコマースのコストを抑えたい方にとって、大きなメリットといえるでしょう。

データ分析ができる

Instagramでは、ただライブ配信をするだけではなく、「インサイト」という機能によってデータ分析が可能です。具体的には、リーチしたアカウントの数や、ピーク時の視聴者数、コメントやシェアされた数を分析できます。

Instagramのインサイト機能を利用するためには、一般のアカウントからプロアカウントへの切り替えが必要ですが、無料での切り替えが可能です。

1つの投稿ごとに分析できるため、反応のよい配信内容の特徴を把握して改善していくことで、反応率が高いライブコマースを実施できるようになるでしょう。

ただし、ライブ配信のデータは、配信終了後には確認できなくなるので注意が必要です。配信後にもデータ分析を行いたい場合は、アーカイブにライブ動画を残すなどして、データ分析をおこないましょう。

ライブの告知コストが少なくて済む

Instagramのライブ配信では、フォロワーに自動で通知が届くため、ライブの事前告知のコストを抑えられます。

フォロワーが通知をオフにしている場合でも、Instagramのホーム画面でライブ配信が行われていることを確認でき、自然とライブに誘導できます。

そのため、Instagram Liveでは告知するためのコストを大幅に削減できる点が大きなメリットです。

Instagramを利用したライブコマースのデメリット

Instagramを利用したライブコマースのデメリット

Instagramを活用したライブコマースには多くのメリットがある一方で、いくつかデメリットもあります。ここでは、主なデメリットを3つ紹介します。

Instagram Live中に商品の購入ができない

ライブコマースの特徴は、ライブ配信中にそのまま商品を購入できる点です。しかし、Instagram Liveでは「商品購入ボタン」のような、すぐに商品を購入できる機能はありません。

そのため、ライブ配信中、視聴者が「欲しい」と思ったタイミングですぐに商品を購入できないデメリットがあります。対策として多くの企業では、Instagram Liveの終了後に、動画投稿機能の「ストーリー」を使用して商品のURLを掲載しています。

しかし、いずれにしても購入できるのはライブ配信後となってしまうため、視聴者の購買意欲が低下してしまうおそれがあるでしょう。

ライブコマースのデータが残らない

Instagramのライブ配信は一時的な配信であり、ライブ終了後はデータが消えてしまいます。

コメントの反応が大きかったタイミングや、離脱率が低かったタイミング、どのような人が視聴しているかなどの詳細なデータが残りません。そのため、ライブ配信後によりよい動画へと改善していくための分析が行いにくいのです。

ただし、Instagramには3種類のアーカイブ機能があり、ライブ配信後も30日間であれば動画の保存や視聴が可能です。保存した動画を見ながら、視聴者数やコメント内容を確認し、次回の配信に向けて改善していきましょう。

高画質での説明が必要な商品は不向き

Instagramでのライブ配信は、配信者や視聴者側の回線の問題などで画質が悪くなることがあるため、高画質での説明が必要な商品には不向きです。

多くのライブ配信アプリの場合、画質設定機能から通信状況によって画質を調整できますが、Instagram Liveには画質設定機能が備わっていません。

そのため、画質が求められる商品の紹介は避けるほうがよいでしょう。

Instagramを利用したライブコマースを成功させるためのポイント

Instagramを利用したライブコマースを成功させるためのポイント

Instagramを活用してライブコマースを成功させるためには、5つのポイントを意識することが大切です。それぞれのポイントを紹介していきます。

購入方法の紹介を構成や台本に用意しておく

紹介する商品の購入方法について、構成や台本にまとめておくことが大切です。

Instagram Liveには、すぐに商品を購入できる機能がないため、ユーザーが「どのような方法で購入できるのか」をわかりやすく提示する必要があります。

商品のURLをコメントで固定しておくことや、「Instagram Liveの終了後のストーリーから商品購入できます」といった案内を忘れずに行いましょう。

Instagram Live配信後は、Instagram Liveの配信内容をフィードに投稿したり、商品購入先のURLをストーリーで投稿したりして、視聴者がどこで購入すればよいのか迷わないように配慮してください。

インフルエンサーの起用に注意する

インフルエンサーを起用してライブ配信をするときは、紹介する商品の知識があるかどうかを事前に確認しておくことが大切です。

有名なインフルエンサーがライブ配信を行っても、視聴者が知りたいことに対して的確な回答ができなければ、ブランドのイメージダウンや売上があげられないといった事態につながります。

どのような経歴や知識があるのかや、視聴者がインフルエンサーに対してどのようなイメージをもっているかなどを事前に詳しく調査しておきましょう。

商品購入後がイメージしやすい紹介をする

Instagram Liveで商品販売をするときは、商品を購入した後がイメージしやすい説明を意識しましょう。

例えば、アパレル業界であれば、スタッフが着用している服のサイズや身長などの情報を説明に盛り込むと、視聴者は着用するイメージがつきやすくなり、安心して商品を購入できます。

また、視聴者の悩みや疑問に寄り添い、具体的な解決策を提案することで、視聴者との距離も縮まりやすくなります。視聴者とのコミュニケーションを大切にして、商品購入後がイメージしやすい説明を意識した配信を行い、売上獲得につなげましょう。

ライブ配信のみの特別感を演出する

リアルタイムでライブ配信を視聴した人だけが利用できる、限定クーポンやサンプルプレゼントなど、ライブ配信だけの特別感を演出することで、顧客満足度アップやファン増加が期待できます。

通常、ライブ配信からある程度時間が経過すると、視聴者の購買意欲は低下する傾向があります。しかし、ライブ配信の視聴者だけが利用できるクーポンや、お得な特典つきの告知によって、視聴者が「購入してみようかな」という気持ちになり、商品を購入してもらえる可能性が高くなるのです。

また、視聴者が満足感を得ることができれば、次回以降も継続してライブ配信を視聴してもらえるでしょう。

配信の成果を分析する

ライブ配信後はそのまま終わりにするのではなく、配信後の売上や視聴者数、反響の大きかったコメント内容などを分析して、次回以降の配信改善につなげることが大切です。

ライブ配信後にあらためて質問を受け付けたり、商品を購入してくれた人に対してお礼のメッセージを送ったりといった、きめ細やかな配慮も欠かせません。

思うような売上にならなかった場合は、視聴者や出演者の意見や感想も参考にしながら、どの部分がダメだったのかを分析し、次の配信に活かすことが大切です。

Instagramを利用したライブコマースの成功事例

Instagramを利用したライブコマースの成功事例

Instagramを利用したライブコマースで、販売促進につながった成功事例を5つ紹介します。Instagram Live配信の中で好評だった点や工夫した点も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

SNIDEL(スナイデル)

20~30代に人気のアパレルブランド「SNIDEL(スナイデル)」では、Instagram Liveでお客様とのコミュニケーションを大切にしながら、丁寧に商品説明や質問に対する回答をしたところ、定番アイテム以外の商品を購入してもらえました。

中でも高いPV数を記録したInstagram Liveが、同じアイテムで150cm台と160cm台のスタッフの着比べを紹介する「ショート&トール」の動画です。

スタイル抜群のモデルではなく、視聴者の体型に近いスタッフの着用画を増やす工夫をしたことで、購入後のイメージがつきやすくなり、売上アップにつながりました。

マジョリカマジョルカ(資生堂)

資生堂のマジョリカマジョルカでは、専属メイクアップアーティストによる新商品の紹介をInstagram Liveで配信しています。

ライブ配信では、商品の魅力や使用方法、おすすめポイントを中心に、視聴者からの質問への回答を交えながらプロ直々に配信している点が特徴です。

また、タレントの浜辺美波さん監修の香水を紹介するライブ配信では、浜辺美波さん本人を出演者に起用し、マジョリカマジョルカの世界観を楽しめるInstagram Live配信でのプロモーションを展開して、注目を集めました。

COHINA

D2Cブランドを手掛けるnewnが展開する、155cm以下の小柄な女性向けのアパレルブランド「COHINA(コヒナ)」では、Instagram Liveを700日間連続で配信しました。その結果、事業開始から3年で、月商1億円を超える規模の成長を遂げています。

ライブ配信の出演者は、必ず155cm以下の女性を起用することにこだわり、月に20~30もの商品を投入しながら毎週3日のペースで新作を発表しました。

ライブを視聴したら必ず新作を確認できる楽しさや、既存顧客ファーストで取り組む姿勢が好感を呼び、顧客リピート数は50%超と高い数値を維持しています。

ロフト

生活雑貨の販売店を展開するロフトも、Instagram Liveでの配信を積極的に行っています。タレントや実演販売士などを積極的に起用し、ロフトで販売している美容品やステーショナリーの紹介をしている事例です。

また、Instagram Liveで紹介した商品の購入導線として、公式オンラインショップの専用ページのURLが記載されているため、ライブ視聴者が購入しやすくなっているのも真似したいポイントです。現在では、ロフト公式アカウントの他に、文具とコスメに関する専門のアカウントを開設し、そちらでもInstagram Liveを積極的に行っています。

みんなのパーソナルトレーナー

みんなのパーソナルトレーナーは、パーソナルトレーナー専門のマッチングサービスで、新たな集客手段としてInstagramの運用を始めました。運用の中でも、ユーザーとの接触回数を増やすために、Instagram Liveを導入しています。視聴者と一緒にトレーニングを行う配信や、視聴者の質問に回答する配信を実施しました。

その結果、Instagramのフォロワーとの親密度が高まり、サービスへの誘導や企業へのファンの形成に成功しています。

Instagramを使ったライブコマースを成功に導こう

Instagramを使ったライブコマースを成功に導こう

Instagramを使ったライブコマースは、コストを抑えて手軽に導入できる便利なツールです。しかし、しっかりと戦略を立てないと、思うような結果を得られない可能性もあります。

そこでおすすめなのが、ライブコマースの導入から運営まで一気通貫でサポートする伴走型ソリューションサービス「HandsUP」の活用です。

HandsUPでは、ライブコマースを成功させるための支援ツールを提供しています。使いやすい操作と万全のサポート体制により、初めてライブコマースを導入する方でも安心して利用することが可能です。

ライブコマースを活用し、自社サービスの課題改善や販売促進につなげましょう。