ライブコマースのメリット・デメリットとは?注目されている理由や始め方も解説
ECサイトの市場規模が拡大している現代において、「ライブコマース」というライブ配信を活用した販売方法が注目を集めています。自社でもライブコマースを取り入れ、売り上げをアップさせたいと考えている企業も多いでしょう。
そこで本記事では、ライブコマースが注目されている理由から、ライブコマースを取り入れるメリットとデメリット、成功させるための始め方や成功事例についても解説します。ライブコマースの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもライブコマースとは?
「ライブコマース」とは、ライブ配信で商品を紹介し、詳細を説明しながら視聴者に購入を促す販売方法です。ライブコマースでは、インフルエンサーやショップ店員などが配信者として商品を紹介します。
人気のインフルエンサーやショップ店員には多くのファンがいるため、おすすめされた商品は視聴者が興味を抱きやすく、購入につながりやすいのです。
またライブ配信中に視聴者と配信者がコミュニケーションを取れるため、ECサイトと比べるとより多角的な情報を提供できるメリットもあります。
ライブコマースが注目される理由とは?
ライブコマースはなぜ注目されているのでしょうか。ライブコマースの魅力とその理由を解説します。
商品の魅力を伝えやすい
ライブ配信はECサイトと異なり、写真や文章だけでは伝わらない商品の魅力を伝えられることが大きな特徴です
例えば、コスメ商品を紹介したい場合、ライブ配信であれば、実際に使用している姿を見せたり、使用後のメイク姿を見せて真似してみたいと感じてもらったりすることで、商品の特徴や魅力を伝えられます。
実演にあわせて、メイク方法のコツやポイントなどもあれば、視聴者の関心をより得やすいでしょう。
視聴者とコミュニケーションが取れる
ライブコマースでは、配信者と視聴者との間でコミュニケーションを取ることができます。コメント機能を活用して視聴者からの質問やコメントに答えるといった手法は、今までの販売方法にはなかったため、注目を浴びているのです。
また、質問やコメントを読み上げる際には、アカウント名の呼び上げを配信者に意識してもらうことで、視聴者はより親近感を抱きやすくなり、ファン心理を育てる効果も得られるのです。
購入前の不安を解消できる
ライブコマースではECサイトでの買い物で感じるような不安や疑問点を、コメント機能を活用して解消できます。
視聴者は、実店舗で店員さんに相談する感覚で質問ができるため、店舗で実際に買い物をするような購入体験が得られるのです。
ライブコマースの4つのメリット
ライブコマースを導入するメリットには、以下の4つがあります。
・双方向のコミュニケーションで購買意欲をアップさせられる
・インフルエンサーを通じて新規顧客を開拓しやすい
・新商品の開発やマーケティング戦略に活用できる
・購買体験の臨場感が増す
これらのメリットについて順に解説します。
双方向のコミュニケーションで購買意欲をアップさせられる
ECサイトでの商品販売は、購入者側からの意見が届きにくいため、どうしてもコミュニケーションが一方通行になるものです。しかし、チャット機能があるライブコマースなら、視聴者からのコメントや質問をその場で確認できるため、リアルタイムでの双方向のコミュニケーションが取れます。
視聴者の関心度を高い状態でキープさせられるうえに、購入にあたっての悩みや不安もその場で解消できるため、購買意欲をアップさせやすいのです。
インフルエンサーを通じて新規顧客を開拓しやすい
ライブコマースでは、基本的にインフルエンサーやショップ店員を配信者として起用します。配信者目当てに視聴する方も多いため、商品について知らなかった方や興味を抱いていなかった方にも商品を訴求できます。
とくに、紹介する商品のターゲット層と配信をするインフルエンサーのファン層が近ければ、視聴者はより関心を示しやすく、新規顧客の獲得につながりやすいです。
また、インフルエンサーを起用することで、商品のみならず企業やブランドの知名度やイメージの向上も狙える可能性が高まります。
新商品の開発やマーケティング戦略に活用できる
ライブコマースでは、リアルタイムで視聴者の感想や要望、質問や疑問などを聞けます。そうした視聴者の生の声は、既存商品の改良や新商品の開発における貴重な情報となりえるのです。
さらに、配信中や配信直後のサイトへのアクセス状況、購入率などを検証すれば、オンライン上の行動マーケティングデータも収集できます。
また、視聴者の質問内容は、今後新商品を展開する際の方向性を決めるうえでの重要なデータとなることでしょう。例えば、質問で「○○色の色違いはありますか?」など、違う色についての内容があれば、その色のニーズが高い可能性があります。
さらに、事前に配信者の方に「色やサイズなどの質問があった場合、どのようなものが希望か逆に質問してほしい」と伝えておくことで、自然な流れでニーズの調査がおこなえるでしょう。
購買体験の臨場感が増す
ライブ配信では、食品や飲料などをリアルタイムで調理したり、食べたりすることで視聴者に臨場感のある購買体験を届けられます。そのため、視聴者の購買欲求を喚起しやすいです。
食品や飲料の場合は、実際に食べたときの感想をとおして、味や風味など臨場感のある情報が手に入ります。アパレル商品の場合は、写真では伝わりにくいサイズや質感を知ることができます。
また、化粧品や香水などは実際の使用感や香りの情報など、文章では伝えにくい情報を配信者の生の声を通じて届けることが可能です。
さらに、配信中に紹介した商品は、その場で購入できる導線が確保されているため、コンバージョンにつながりやすい点もメリットです。
ライブコマースの3つのデメリット
ライブコマースには以下のような3つのデメリットもあります。
・視聴者を集めるための集客施策が必要となる
・配信環境を整備したりトラブルに備えたりする必要がある
・最適な配信者を選ぶ必要がある
この3つのデメリットについて、順に解説します。
視聴者を集めるための集客施策が必要となる
ライブコマースは、告知や集客が非常に大切です。事前に何の集客施策もせずにライブ配信をおこなってしまうと、リアルタイムでの視聴者を集められず、十分な効果を得られない可能性があるでしょう。
とくに、自社のECサイトを利用したライブ配信である場合、認知度が低い状態で集客施策をしないと、視聴者が集まりにくいため、ライブ配信の成功は難しいといえます。そのため、事前にSNSやWeb広告を出し知名度の向上を図ったり、インフルエンサーに協力してもらい、ライブ配信の拡散をおこなったりする必要があります。
とくに大きな影響力をもつインフルエンサーに告知を頼むことで、より多くの方に視聴してもらえる可能性が高まります。ライブ配信をする際は必ずアナウンスをしてもらえるよう事前にお願いしておきましょう。
配信環境の整備やトラブル対策の必要がある
ライブコマースをおこなうには、配信機材や通信環境を整えておく必要があります。また、配信アプリなどのプラットフォームの準備も大切です。配信環境が整っていないと品質の悪い映像となってしまったり、カメラの転換ができなかったりといったことが起こりえます。
ライブコマースは基本的に生配信であるため、配信中にトラブルが起きる可能性もあるでしょう。そのため、トラブル発生時のマニュアルを作成しておくなどして事前に備えておくことが大切です。また、視聴者からの質問に対する回答集を準備しておくと、本番中のスムーズな進行に役立つでしょう。
最適な配信者を選ぶ必要がある
ライブ配信を依頼する配信者は、人気のあるインフルエンサーやショップ店員なら誰でもいいという訳ではありません。配信者と商品の関連性が低かったり、配信者のファン層が商品のターゲット層と違ったりすれば、視聴者の関心を得にくく、購買につながりにくい可能性があります。
そのような失敗を防ぐためにも、配信者を選ぶ際には、事前に候補者の視聴者層や配信者と商品の関連性をしっかりとリサーチするようにしましょう。そのうえで、販促する商品のターゲット層と一致する最適な配信者を選ぶようにしてください。
ライブコマースに適している商品例
ライブコマースには適している商品とそうではない商品があるため、紹介する商品の選定が非常に重要です。ライブコマースの特性をより活かせる主な商品は下記のようなものが挙げられます。
・グルメ
・衣料品
・化粧品や香水
・日用品
これらの商品は写真や文字だけでは、香りや質感などの情報を伝えるには限界があり、イメージがしにくいために、ECサイトでは購買につなげにくい傾向にあります。しかし、臨場感のある購買体験を提供できるライブ配信という特性を活かすことで視聴者の購買意欲を駆り立てることができるため、ライブコマース向きの商品といえます。
ライブコマースの始め方を4ステップで紹介
ライブコマースを成功させるためには、以下の4ステップで始めるのがおすすめです。
1.取り上げる商品や目的を設定する
2.配信者を決める
3.配信方法を決め、機材を準備する
4.配信の台本やトラブル対応のマニュアルを作成する
これらの内容を詳しく解説します。
1.取り上げる商品や目的を設定する
まずは、配信の目的を決めましょう。「自社商品やサービスのファンを作る」「初回の配信なので認知度を向上させることを重視する」など、ライブコマースを導入する目的を設定します。
配信する目的が決まったら、それにあわせて取り上げる商品を決めます。その際、季節やトレンドを意識することが大切です。
また、購入の決め手となるようなおすすめのポイントを押さえておけば、商品の魅力を視聴者に伝えやすくなります。さらに、関連性の高い商品、例えば「同じコーディネートとして組み合わせられるセットアップやトップス+上着」や「同じシリーズの洗顔料と化粧水」などを紹介すれば、メイン商品だけでなくそれに関連する商品も欲しくなるような、魅力的なライブ配信になります。
2.配信者を決める
配信する目的が決まったら、配信者を決めましょう。基本的には、インフルエンサーもしくは自社の社員を配信者として依頼するのがおすすめです。インフルエンサーに依頼した場合、集客がしやすいというメリットはあるもののそれだけでは売り上げアップにはつながらないため注意が必要です。
というのも、商品のターゲット層とインフルエンサーのファン層を一致させなければ、ライブコマース本来の目的である、商品の購入につなげられないためです。
的確にインフルエンサーを選べば、集客効果から売り上げアップに加え、企業やブランドのイメージのアップも狙えます。
自社の社員を配信者にする場合は、商品知識が豊富にある方へ依頼しましょう。視聴者からの質問に対して的確に答えられるため、商品やブランドへの信頼度を高められます。
自社社員を起用する場合は、自社のSNSアカウントで告知をおこなったり、ライブコマース用のランディングページを制作したりして、事前の集客に注力することがポイントです。
3.配信方法を決め機材を準備する
続いて、配信方法を決めましょう。
ライブコマースの配信には、SNSのライブ配信機能を利用する方法と、ライブコマースのプラットフォームサービスを利用する方法があります。配信のしやすさや操作性の高さ、販売する商品に適しているかなどを試行錯誤しながら決めましょう。
配信方法が決まったら、機材の準備をします。スマートフォン1台でも配信は可能ですが、商品の見栄えをよりよくするためには、専用のカメラやライトなどの機材をそろえる必要があります。
また、ネット環境が整っていなければ、配信が途切れるといったトラブルにつながりかねないため、Wi-Fi環境の整備にも配慮しましょう。
4.配信の台本やトラブル対応のマニュアルを作成する
最後に、配信の台本やトラブル対応のマニュアルを作成しましょう。生配信では、当然のことながら動画の編集ができません。また、生配信だからこそスムーズな進行も大切です。進行がもたついてしまうと、退屈に感じたユーザーが離脱する可能性もあります。
このような事態を防ぐためにも、あらかじめ台本やトークマニュアルを用意し、本番までにテストをしておきましょう。
また、生配信では機材や配信のトラブルがつきものです。トラブルが発生した際に、慌てたり、配信が止まってしまったりしないように、あらかじめ想定されるトラブルの対策を検討し、マニュアル化しておくことも大切です。
ライブコマースのメリット・デメリットを理解して取り組もう
昨今、注目を集めているライブコマースは、さまざまなメリットが多く存在しますが、それと同時にいくつかのデメリットも確かに存在します。しかし、これらのデメリットは、工夫と努力により克服することが可能です。ライブコマースに取り組む際には、本記事で紹介した多数のメリットとデメリットの解決策を理解してから、より有益な結果を引き出すために取り組んでみてください。
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