ライブコマースの導入を成功に導くためのポイントとは?メリットや成功事例も紹介

2023年8月31日

新しいオンライン販売の方法としてライブコマースがさまざまな企業で導入され、多くの方に注目されています。ライブコマースに注目している方のなかには「導入するメリットを知りたい」「ライブコマースで成功するためのポイントを知りたい」という方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ライブコマースを導入するメリットや注意点、成功させるポイントについて詳しく解説します。さらに成功事例も紹介するので、ライブコマースの導入を検討している方や詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。

ライブコマースの仕組みとは?

ライブコマースの仕組みとは?

ライブコマースとは、ライブ配信を通して商品を販売する方法のことを指します。動画配信専用のプラットフォームや自社のECサイト、SNSアカウントでライブ配信をおこない、その中で紹介された商品やサービスを視聴者が購入できる仕組みです。

ライブ配信はメーカーや代理店などの自社社員がおこなうこともありますが、インフルエンサーやショップ店員に依頼することもあります。

また、ライブコマースでは、ライブ配信であることから配信者と視聴者で双方向のコミュニケーションが取れることも特徴です。視聴者のコメントや質問にリアルタイムで答えられるため、視聴者はより深く商品を知ることができ、通常のECサイトよりも購買につながりやすい傾向にあります。

ライブコマースの市場規模

ライブコマースの市場規模

現在日本だけでなく世界各国で市場を拡大させているライブコマースですが、なかでも市場規模が大きいのが中国です。ここでは、中国と日本、それぞれのライブコマースの市場規模について見ていきましょう。

ライブコマースが発展している中国の市場規模

中国でのライブコマース市場は急成長を遂げています。

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、2020年の中国のライブコマース市場は1兆500億元(日本円で19兆9,500億円、1元=約19円)となっており、前年の2019年と比べると約242%もの成長を記録しました。

さらに、2021年の市場は1兆9,950億元(日本円で37兆9,050億円)までのぼり、今後もますます成長していくことが見込まれています。

中国では、大手企業のライブコマース事業への参入が日本以上に激化しているうえに、ネットショッピングを利用する人からの認知度も非常に高い点が、市場規模拡大の一因といえるでしょう。

参考:ライブコマース、健全な発展を見据えて(中国) | 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ

ライブコマースの日本の市場規模

日本でのライブコマースは中国に比べるとまだまだ普及率は低いものの、ライブ配信市場は拡大傾向です。

株式会社サイバーエージェントらの共同調査によると、2021年7月時点で2020年のライブ配信市場規模は140億円の見通しですが、2021年には前年比約2.2倍の314億円、2024年には984億円まで成長すると予測されています。

参考:デジタルライブエンターテインメント市場規模は急拡大。2023年に700億円超、2024年には約1000億円へ | CyberZ|スマートフォン広告マーケティング事業

コロナ禍でのライフスタイルの変化によって実店舗での販売が難しくなったことも後押しとなり、ライブコマースを導入して集客・売上を伸ばした企業も多々存在します。実店舗とECサイトを掛け合わせた販売ができるライブコマースは、商品のサイズ感や使用感などを購入前に知っておきたい消費者のニーズに答えられる点も多いため、日本においても今後の新たな販売方法として期待されているのです。

ライブコマースを導入するメリット4つ

ライブコマースを導入するメリット4つ

ライブコマースには、ECサイトの運営だけでは得られないメリットがいくつもあります。ここでは、ライブコマースを導入するメリットについて、主な4つのポイントを紹介します。

商品の魅力を効果的に伝えられる

ライブコマースは、通常のECサイトよりも商品の魅力を効果的に訴求できます。写真や文章だけでは伝えきれない商品の情報を、動画やリアルタイムの受け答えでより詳しく、的確に伝えることができるためです。

例えば、洋服の素材感や化粧品の塗り心地などは、写真や文章で説明するよりも動画で見せる方が伝わりやすいです。商品の魅力が伝わることで、視聴者の購買意欲を高める効果が期待できます。

ユーザーの購入体験向上につながる

ライブコマースは、ECサイトに比べてユーザーの購入体験を向上させられるメリットも持っています。ECサイトは、商品選びから購入まで、基本的にすべて消費者が1人でおこないます。

しかし、ライブコマースでは配信者と視聴者が双方向にコミュニケーションを取りながら販売をします。視聴者は、自分の疑問や不安に思ったことをその場で聞いて解消できるので、実際の店舗で購入するような体験が可能です。

ユーザーの購入体験を向上させることで、視聴途中での離脱を防いだり、購買意欲をかき立てられたりするなどのメリットが得られます。

新規購買層を開拓できる

ライブ配信を有名なタレントやインフルエンサーに依頼すれば、配信者のファンやフォロワーを新規購買層として開拓することにつながります。

それにより、従来の販促では集客できなかったユーザー層に対して販路が広げられる可能性が高まります。また、インフルエンサーのフォロワーは、ライブ配信を好意的に視聴してくれることが多く、高い宣伝効果が期待できるでしょう。

ただし、配信者の選定は会社やブランド、商品のイメージにも関わるため、慎重におこなう必要があります。

顧客の声を商品の企画に活かせる

ライブ配信中に寄せられた視聴者からのコメントはデータとして自動的に残るため、この声を参考に商品の企画開発に活かせます。ライブ配信中のコメントは、ECサイトのレビューよりも気軽に書きやすいため、多くのコメントが集まります。その結果、マーケティングに活かせるデータを多く集められるでしょう。

消費者のニーズが把握できれば、ライブ配信の内容やECサイトの改善に活用できたり、商品開発にも役立てられたりと、非常に有益なデータとなり得ます。

ライブコマースの始め方と必要機材

ライブコマースの始め方と必要機材

ライブコマースにはさまざまなメリットがありますが、具体的にはどのような流れで始めたらよいのでしょうか。ライブコマースを始めるときの手順と必要な機材について解説します。

ライブコマースを始めるにあたって必要なもの

ライブコマースを始めるためにまずは必要なものを準備しましょう。必要なものの例は、次のとおりです。

・カメラ
・ライト
・マイク
・配信アプリ
・配信をおこなう場所
・紹介する商品

予算を抑えたい場合は、スマートフォン1台で始めることも可能です。ライブコマースを実施するうえで必要なアプリを入れてライブ配信をおこなってみましょう。

ただし、効果的な販促をおこないたい場合は、商品をきれいに見せるためのライトやカメラが欠かせません。また、配信場所の背景の色についても、商品の映りがよくなるように配慮しましょう。

ライブコマースを始める手順

ライブコマースを始める際は、次の5つのステップで進めていきます。

1.紹介する商品を選定する
2.ライブ配信でおこなう企画を立てる
3.視聴者が購入する流れを検討する
4.機材の準備や設置をする
5.ライブコマースを実施する

最初に、紹介する商品を決めます。次にその商品を、ライブ配信内でどのように紹介するのかといった販売戦略を立てます。同時に出演者の選定やアサインなども進めましょう。

そして、商品の選定や戦略を決めたら、ライブ配信の告知をします。。とくに自社のECサイトやフォロワー数が少ないSNSアカウントで実施する場合は、配信前の集客に力を入れないと、リアルタイムでの視聴者が少なくなってしまいます。

また、機材準備が完了したらリハーサルもおこない、カメラの切り替えや音声確認など、当日のトラブルをできる限り減らせるように確認しておきましょう。

ライブコマースを導入する場合の注意点3つ

ライブコマースを導入する場合の注意点3つ

ライブコマースを成功させるためには、あらかじめ注意点を知っておくことも大切です。ここでは、ライブコマースを導入する場合の注意点を3つ紹介します。

配信者によって売上が左右される

ライブコマースの集客や売上は、配信者によって左右されやすい面があります。配信者の人気や知名度があまりなく、集客力が低かった場合には思ったような効果が得られないこともあるのです。一方で、配信者の知名度が高かったとしても、視聴者層と商品のターゲット層が異なっている場合は、ライブ配信の視聴者数に対して購入者の割合が少なくなりやすいです。

そのため、配信者選びは慎重におこなわなければなりません。配信者のファンやフォロワーは商品のターゲット層にマッチするのかを確認しましょう。

リアルタイムで視聴者を集めなければならない

ライブコマースを成功させるためには、事前の告知による集客が不可欠です。配信後にアーカイブ視聴できるケースも多いですが、ライブコマースの強みを活かすためには、リアルタイムでの集客が重要となります。

そのため、事前の告知や宣伝に力を入れ、ライブ配信の周知がどれだけできたかによって、当日の集客状況が変わります。SNSやメールマガジンなど、思いつく限りの方法を試してみましょう。さらに、告知は一度だけでなく、配信の数日前から当日まで繰り返しおこなうと効果的です。

当日になって慌てずに済むように、集客についての施策は計画的に実行しましょう。

配信トラブルが起こるリスクがある

ライブコマースでは、想定外のトラブルが起こる可能性があることも念頭においておきましょう。ライブ動画はリアルタイムで配信するため、トラブルやミスがあったとしても編集で内容をカットできません。そのため、万が一トラブルが起きてもそのまま配信されてしまいます。

機材や通信回線のトラブルから配信者のコメントミスなど、想定されるトラブルの対応策をあらかじめ練っておき、準備段階でリスクを最低限におさえられるようにしておきましょう。

また、配信者とは綿密に打ち合わせをして、リハーサルや配信テストは念入りにおこなうことをおすすめします。

ライブコマースの導入を成功させるポイント4つ

ライブコマースの導入を成功させるポイント4つ

ライブコマースを成功させるためには、具体的にどのようなポイントを重視すればよいのでしょうか。ここでは、ライブコマースを成功させるための4つのポイントを解説します。

出演者と視聴者のコミュニケーションを重視する

ライブコマースでは、配信者と視聴者のコミュニケーションをとくに重視しましょう。

通常のECサイトは店頭に足を運ばなくても商品が購入できる利便性がある一方で、情報は発信者側からの一方通行となってしまいます。しかし、ライブコマースはECサイトの利便性に加えて、配信者と視聴者の双方向でのコミュニケーションが可能です。

配信者は視聴者から寄せられるコメントを確認しながら、円滑なコミュニケーションを図りましょう。視聴者から寄せられた疑問点や悩みを、配信者がすぐに解消すれば、視聴者の購買意欲はアップし、売上につながる可能性が高まります。

配信者の選定にこだわる

配信者の選定も注意すべきポイントです。

単純に集客力だけを考え、フォロワー数の多さや知名度だけで配信者を選定するのはおすすめできません。集客はできたとしても、視聴者層と商品のターゲット層がマッチしていなければ、商品の購入につながらなくなってしまいます。そのため、配信者の選定は集客力だけでなく、本来の目的である売上アップにつながるかを確認してから依頼しましょう。

また、配信者自身が商品に興味がないと、それが視聴者に伝わってしまいます。商品についての理解が足りていない場合は、実際に商品を一定の期間使用してもらったり、レクチャーをしたりなどしてフォローするとよいでしょう。

ライブコマースに適した商品を使う

ライブコマースでは、ライブ配信での紹介に適した商品を選ぶことも重要なポイントです。ライブコマースと相性のいい商品は主に次の4つです。

・アパレル
・コスメ
・家電
・食品

これらは動画のほうが魅力が伝わりやすい特徴があることから、ライブコマースの定番ジャンルとなっています。また、ライブコマースは20~30代の世代の利用が多いため、この年代の層をターゲットにした商品も向いているといえるでしょう。

参考:NTTコム リサーチ「「ライブコマース」に関する調査結果」

配信のクオリティと時間にこだわる

視聴者の多くは配信自体を楽しみにして視聴します。そこから商品のリピーターにつなげるには、視聴者が楽しめるようなコンテンツを準備することが必要です。

そのためにも、配信の内容は配信者にすべて任せるのではなく、ある程度の台本をつくっておきましょう。また、商品のターゲット層を事前に調査し、その層から好まれる構成にするのもおすすめです。

さらに、配信の時間帯や頻度、配信時間の長さにもこだわることが重要です。多くの企業は、週に1回程度のペースで1~3時間の配信をおこなっています。ベストな配信の時間は紹介する商品によって異なるので、配信をおこなうなかで調整していくのがよいでしょう。

日本で使えるライブコマースのサービス3選!

日本で使えるライブコマースのサービス3選!

ここからは、ライブコマースを導入する際に使えるおすすめのアプリを3つ紹介します。実際にライブコマースを始めるときの参考にしてみてください。

HandsUP

HandsUPは、ライブ配信サービス「17LIVE」を提供している、17LIVE株式会社が運営するライブコマースサービスです。スターバックスや大丸松坂屋、さらに有名なコスメブランドやアパレルブランドまでさまざまな企業で導入されている実績があります。

HandsUPの最大の魅力はライブコマースツールの提供だけでなく、コンサルティングもおこなっている点です。コンサルティングにおいては、新規顧客の獲得と認知層への販促の2つの目的に合わせたサービスを提供しています。

さらに、17LIVEや他社配信サービスでのライブ配信のサポートも手掛けており、ライブコマースを成功させるためのノウハウを多く有しているのが強みです。ライブ配信のインフルエンサーを多数抱えているため、事前の集客や配信者の調整面でも強力なサポートを得られます。

「これからライブコマースを始めたい」という企業や、「ライブコマースを始めてみたけれど効果が出ない」といった悩みを持つ企業におすすめのサービスです。

SHOPROOM

SHOPROOMはアイドルやモデル、アーティストなど有名人の配信が中心のライブ配信プラットフォーム「SHOWROOM」から派生したライブコマースサービスです。有名人のライブ配信に特化していることを生かし、ライブコマースではアイドルやアーティストが手掛けるプロデュース商品やコラボレーション商品などが紹介されています。

アプリを利用している年齢層は低めなので、若年層をターゲットとする商品に向いているサービスといえるでしょう。

Live Shop!

Live Shop!は、有名タレントやインフルエンサーがファッションやメイクなどを中心に配信しているライブコマースプラットフォームです。

動画はスタジオで撮影しているものが多くクオリティが高いため、商品をよりいっそう魅力的に伝えられます。また、Instagram Liveのようにスマホから気軽にライブ配信に参加できるツールであるため、興味を持ったユーザーが視聴しやすい仕様となっています。

アパレル商品やコスメの訴求に適したアプリといえるでしょう。

ライブコマース導入の成功事例を紹介

ライブコマース導入の成功事例を紹介

実際にライブコマースを導入して成功した企業の事例を紹介します。今回は17LIVEやHundsUpにおける事例をピックアップしましたので、ぜひ参考にしてみてください。

①株式会社アイスタイルリテール

株式会社アイスタイルリテールは日本最大級の化粧品ポータルサイト「@cosme」の企画、運営をおこなっている企業です。@cosmeの公式通販サイト「@cosme SHOPPING」にて開催されたスペシャルイベント「@cosme BEAUTY DAY」でライブコマースを導入し、ライブ配信での販促を実施しました。

ライブコマース導入後の変化としては、スペシャルイベントの課題であった目玉商品以外の通常品の販売促進を果たすことができたほか、集客率のアップやWebコンテンツよりも高い購買意欲を獲得することにも成功しました。

また、ライブ配信内外でも社内スタッフが協力しながら配信コンテンツの制作に取り組んだ結果、社内スタッフの関係性の向上やモチベーションアップにもつながったようです。

②株式会社再春館製薬所

株式会社再春館製薬所は、漢方の医薬品や化粧品の製造、販売をおこなう企業です。

化粧品の無料お試し体験をおこなう消費者の新規獲得のために、新たな営業手法としてライブコマースが導入されています。ライブコマースを導入した結果、従来の営業にかける人員と同じ稼働数で4倍の売上を得られました。

また、事前アンケートで記載された購入予定商品ではなく、ライブ配信上でおすすめした商品が多数購入されていたそうです。このことからも、ライブコマースは消費者の行動を大きく変える要因となり得ることがわかりました。

③株式会社ファンケル

株式会社ファンケルは、日本有数の化粧品、健康食品メーカーです。Webコンテンツでの集客の限界と既存顧客とのタッチポイントの不足を課題に感じていたことから、販売促進と既存顧客とのコミュニケーション強化のためにライブコマースを導入しています。

ライブコマースの導入後は通常の購入者に比べてLTV(ライフタイムバリュー、顧客生涯価値)が15%もアップしたほか、ライブ配信での購入者のうち新規購入の割合が最大で7割にもおよびました。

また、企業と既存顧客とのタッチポイントが増えたことに加えて、顧客同士のコミュニケーションが新たに生まれており、顧客ニーズの理解にもつながっているそうです。

ライブコマースの導入時は成功ポイントをおさえておこう

ライブコマースの導入時は成功ポイントをおさえておこう

日本でも市場を拡大し続けているライブコマースは、今後もさらなる発展が予想される新たなオンライン販売の方法です。従来の販売方法にはないさまざまなメリットが得られる一方で、成功させるためにはしっかりと準備をおこない、ポイントをおさえて始めることが重要です。

17LIVEが提供するHandsUPはライブコマースの売上をつくる重要要素を分解し、企業の属性や目的に合わせて最適な販売戦略を提案します。

またPDCAを回し、勝ちパターンを確立するまで企業と伴走する形でサポートを受けられるうえに、ライブコマースを成功へ導く支援ツールも提供してくれます。ライブコマースの導入に不安のある企業や成功させたい企業は、ぜひHandsUPでライブコマースを始めましょう。