日本のライブコマース市場はどうなる?「今」と「これから」を徹底解説

2021年12月15日

日本のEC需要は伸びているといわれていますが、ライブコマース市場はまだまだ黎明期と言われています。一方で、ライブコマースは日本の従来ECが抱える課題を解消できると予想されていることもあり、今後のライブコマース市場拡大が期待されています。この記事では、日本のライブコマース市場の今とこれからについて解説します。

日本のライブコマース市場の「今」

ライブコマースは成長が期待される市場ですが、日本での普及はこれからと言える状況です。本章では、日本のライブコマースの市場規模や利用者の状況から、ライブコマースの今を解説します。

ライブコマースの市場規模は

残念ながらライブコマースの市場規模に関する統計データはまだありません。(2022年5月現在)
しかし2020年7月に発表された経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によると2019年の日本国内のBtoC向けEC市場規模は、前年比7.65%増の19.4兆円に拡大しています。また、同年の日本国内のBtoB向けEC市場規模も前年比2.5%増の353.0兆円に拡大しているとされています。また、CyberZとデジタルインファクトの共同調査によると、ライブ配信市場規模は2020年で140億円の見通し、2021年には前年比約2.2倍 314億円に急拡大すると予測されています。

出典:経済産業省ウェブサイト
出典:CyberZとデジタルインファクトの共同調査

このことから、ライブコマースと関連性のあるEC市場規模とライブ配信市場規模から、今後ライブコマース市場の高い成長性が予想されています。

日本市場はライブコマース黎明期

EC文化が先行し、ライブコマースが流行している国として中国が挙げられます。ライブコマース大国である中国と比べると日本におけるライブコマースの認知度はまだまだ高くはありません。
2020年6月に発表された三菱UFJリサーチ&コンサルティングのリサーチ「ライブコマースの動向整理」によると、ライブコマースについて「内容も含めてよく知っている」のは4.1%。「聞いたことはある」を含めた認知度は21.9%。であるという結果も出ており、日本におけるライブコマース市場はまだまだ黎明期にあるといえる状況です。

出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「ライブコマースの動向整理」

利用者の約70%は直近1年以内に利用開始と急成長中!

一方で弊社が2021年7月に調査したライブコマースに関する利用実態調査によると、利用者の約70%が過去1年以内にライブコマースの利用を始めたという調査結果が出ております。このことから、日本におけるライブコマースの認知度、利用者数は現在急速に増えていることがわかります。要因の一部として、コロナ禍で重要視されるようになった「おうち時間」中のライブ配信や動画の閲覧ユーザーが増加していることも関連していると考えられます。

参考:ライブコマースに関する利用実態調査

【調査方法】インターネットリサーチ
【調査目的】性別・年代別などによるライブコマースの認知・利用経験・今後の利用意向などの違いを把握する
【調査対象】全国在住の20~59歳の男女 AND 直近一年以内にECを利用した方
【実施期間】2021年7月2日~2021年7月5日
【有効回答数】400名

日本のライブコマース市場が拡大している理由

日本におけるライブコマース市場拡大の背景を理解するうえでは、コロナ禍による生活様式の変化と、従来型ECの課題がポイントとなります。

ライブ配信が一般化しEC利用の需要も高まっている

コロナ禍による外出自粛でおうち時間の充実に注力する人が増えたことで、ECに対する需要が高まっています。従来のEC利用はほぼ頭打ちの状況でしたが、コロナ禍以降は、需要が一気に拡大しました。

EC利用は従来よりも一般化され、現在も需要は高い水準を維持しています。EC需要の高まりと普及によってライブコマース市場も拡大していくと考えられます。

ライブコマースは従来ECの課題を解消できる

EC需要の高まりに加え、ライブコマースが従来ECの課題としていた部分を解消できると期待されていることも市場拡大を後押ししています。主な従来ECの課題としては「CVRの限界」「リピート率の限界」「エンゲージメント醸成の限界」が挙げられます。

例えばCVRの限界として、これまでのECショッピングの場合、ユーザーは商品画像や説明文、他のユーザーからのレビューなど限られた情報しか得ることができず、購入の決断までに至らない・不安を感じながら購入するといった状況でした。

ライブコマースの場合、配信者が商品を手にとって紹介してくれるため、サイズ感や使用感をチェックでき、配信中はリアルタイムでのコミュニケーションが取れるという特徴から、視聴者はその場で疑問を解消することができ、「CVRの限界」「リピート率の限界」「エンゲージメント醸成の限界」につなげることができます。
ライブコマースでの具体的な課題解決については以下もご覧ください。

実店舗を訪れている感覚でECショッピングができる点は、従来ECではできなかった部分であり、ライブコマース市場の拡大につながっている理由と考えられます。

上記のような理由から今後の市場拡大が見込まれるライブコマースですが、成功させるためには早めに準備に取り掛かることが重要です。続いては、日本のライブコマース市場の今後について解説します。

日本のライブコマース市場の「これから」は?

成長が見込まれるライブコマース市場に参入しようとしている企業は、今後の市場がどのように変化していくのか把握することが重要です。今後の展開を予測しそれに応じた準備に取り組むことで先行者としてライブコマースを成功させることができます。

D2C企業の増加に伴い取り組む企業は増加

今後「D2C(Direct to Consumer)」という商品の企画から製造、販売までを自社で行う仕組みの企業によるライブコマースの取り組みが増えていくと考えられます。

D2C企業は、SNSを活用したクラウドファンディングでの資金集めを行うなど、SNSとの親和性が高く、ここにライブコマースが加わることで販路の拡大が予想されるといったメリットが大きいためです。また、日本では大企業のライブコマースはこれからという状況のため、D2C企業が中心となった市場拡大が期待されます。

ライブコマースの魅力的なプラットフォームが確立

現在の日本のライブコマース市場では、専用のプラットフォームは未熟な状況にありますが、今後は、配信環境の確立とともに魅力的なプラットフォームが出てくると予想されます。

ただし、プラットフォームがあれば成功するというわけではなく、ライブコマースのプラットフォームを本格運用できるかどうかが重要です。適切にプラットフォームを使いこなすための知識やスキル、人材育成などは必要不可欠だといえます。

専門インフルエンサーの台頭

日本のライブコマース市場が未成熟な背景には、ライブコマースを専門としているインフルエンサーが不足している点があります。ライブコマース大国である中国では、大規模なインフルエンサーの育成が行われていますが、日本ではそのような仕組みがまだ出来上がっていません。

しかし、ライブコマースに対応したライバーの育成を行っている企業も増えてきているため、今後は、専門インフルエンサーの台頭により、さらに市場が活発になっていくと予想されます。

ライブコマース成功を伴走型で支援する17LIVEのライブコマースソリューション

ライブコマースは今後の成長が期待される市場ですが、成功を収めるためには、現状と今後の展開を把握し、それを踏まえたうえでの入念な準備、計画立てが必要不可欠です。準備なしで参入し成功を収められるほど簡単ではないため、早い段階で準備に取り組む必要があります。

一方で、ライブコマースに関するノウハウやスキルを持たない企業の場合、何から始めればいいのか分からないケースもあると考えられます。弊社のライブコマース支援ソリューション「HandsUP」であれば、コンサルティングサポートから独自のライブコマースツールの提供まで行っているため、導入から定着までしっかりとサポートが可能です。
HandsUPに興味のある方は、以下からお問い合わせください。

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このコラムを書いたライター
HandsUP 運営事務局
HandsUP 運営事務局
HandsUPは全世界5,000万ユーザーを抱えるライブ配信プラットフォーム「17LIVE」が提供するライブコマースソリューションです。本サイトでは弊社がライブ配信で培ったノウハウを生かし、ライブコマースに関するトレンド・業界動向からノウハウ、成功事例まで、ライブコマースの実践に役立つ様々な情報をお届けします。