越境ECを立ち上げるメリットとは?立ち上げる方法や成功のポイントも解説

2024年10月28日

越境ECとは、日本国内から海外の顧客に向けて商品を販売するEC(電子商取引)のことです。グローバルな市場に進出するための効果的な手段として、多くの注目を集めています。

しかし、越境ECの利点や具体的な始め方がわからないために、参入をためらっている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、越境ECを始めることのメリットや、その具体的な立ち上げ方法、そして成功させるための重要なポイントについて詳しく解説します。

越境ECとは

越境ECとは

越境ECとは、日本国内から海外の消費者に向けておこなうオンライン販売のことを指します。海外に実店舗を持たなくても、オンライン販売を通じて国際的なビジネス展開ができるため、日本の企業の参入も増えています。

現在の日本における越境ECの市場規模は、中国や欧米に比べるとそれほど大きくありません。しかし、日本製品の品質の高さやブランド力は海外市場で高く評価されており、越境ECを活用して販路を広げる動きが注目されているのです。

世界の越境EC市場は2021年に約7,850億USでしたが、2030年には約7兆9,380億USドルにまで成長すると予測されています。この成長予測も、日本企業が越境ECに取り組むべき理由の一つといえます。

越境ECを立ち上げるメリット4選

越境ECを立ち上げるメリット4選

越境ECを立ち上げる主なメリットは、次の4つです。

・新規販路を開拓できる
・海外で実店舗を構えるよりも簡単に出店できる
・日本製品の需要が高い
・経済的に成長している国を狙える

それぞれ確認していきましょう。

新規販路を開拓できる

越境ECを利用して海外市場に進出することで、国内のEC市場では見込めない新しい顧客層にアプローチすることが可能です。例えば、日本国内では既に競争が激しい市場でも、日本製品が手に入りにくい国をターゲットにすることで、新規顧客の獲得が期待できます。

さらに、越境ECに参入している日本企業はまだ少ないため、日本独自の高品質な製品をいち早く投入することで、ブランド認知度の向上や売上の増加が見込めます。

海外で実店舗を構えるよりも簡単に出店できる

現地に実店舗を出す際には、テナント料や調査費用など多くの経費がかかります。さらに、店舗の内装、スタッフの雇用、在庫管理といった運営コストも必要です。

また、現地での不動産契約や法律、税制などの知識も必要となり、これらの対応には多くの時間とリソースが必要となります。言語や文化の違いもあり、契約手続きや規制対応には専門的なサポートが欠かせません。

一方、越境ECを利用すれば、実店舗に比べて経費や準備期間を大幅に削減できます。初期投資が少なく、運営コストも低いため、リスクを抑えて海外市場に挑戦することが可能です。

日本製品の需要が高い

日本製品は、品質の高さや優れたデザイン、細部へのこだわりから海外で高く評価されています。特に、和紙や陶器、漆器、茶道具といった伝統工芸品は、その品質の高さと独自の美しさで多くの海外消費者に支持されているカテゴリです。

また、アニメやマンガといったポップカルチャー関連商品も、世界中に熱狂的なファンが存在し、その需要は年々増加しています。

このように、海外で人気のある日本独自の商品を販売することで、海外ユーザーの心をつかみ、大きな売上を期待できるでしょう。

経済的に成長している国を狙える

経済成長が著しい国や日本より人口が多い国は、多くの可能性を秘めています。消費者の購買力が増えると、新しい商品の需要が高まるからです。

経済が成長して中間層が拡大すると、高品質な商品の需要が増え、日本製品が評価される機会も増えるでしょう。

特に、中国は経済成長率が高く、越境ECやライブコマースが盛んにおこなわれているため、大きなターゲット市場となります。

中国は世界最大のEC市場を持ち、日常的にオンラインショッピングがおこなわれています。日本製品に対する信頼も高く、特に化粧品や電化製品、食品などが人気です。

越境ECを立ち上げる際の3つの方法

越境ECを立ち上げる際の3つの方法

越境ECを立ち上げる方法としては、次の3つの方法があります。

・自社でECサイトを構築する
・国内のECモールを利用する
・海外のECモールを利用する

それぞれの方法について解説します。

自社でECサイトを構築する

海外向けの自社サイトを一から立ち上げるには、Webサイトの構築、ショッピングカートの設定、決済システムの導入など、多岐にわたるスキルや知識が必要です。さらに、顧客情報を扱うため、セキュリティについての理解も欠かせません。

多言語対応も重要で、多言語に対応したWebサイトを作ることで、国際市場での競争力を高めることができます。

自社サイトを構築する主なメリットとして、売上手数料や年間維持費がかからない点があります。初期の開発費用は高くつくかもしれませんが、サイトが完成すれば、コストを抑えつつ収益性を高めることが可能です。

また、デザインや機能を自由に変更できるため、自社ブランドをより強く打ち出し、成長させやすい環境を整えることができます。

国内のECモールを利用する

越境ECを始める最も手軽な方法は、国内のECモールを利用することです。代表的なプラットフォームには、Amazonや楽天があります。これらのECモールはグローバル化が進んでおり、日本国内のECモールからでも海外の消費者に商品を販売することが可能です。

Amazonや楽天では、越境EC専用のサービスやサポートも充実しています。例えば、商品説明を自動で翻訳する機能があり、出店者が自ら多言語対応する必要がありません。

さらに、Amazonの「グローバルセリング」などの商品を海外へ簡単に届けるための物流サポートも利用可能です。

国内のECモールを利用することで、初期投資を抑えながら出店できます。ただし、利用料や販売額に応じた手数料がかかる点や、オリジナリティを出しにくいというデメリットもあります。

海外のECモールを利用する

海外のECモールを利用して商品を販売する方法もあります。

欧米では、AmazonやeBayが代表的なプラットフォームです。これらのECモールは広範な顧客基盤と強力なインフラを持っており、出店することで効率的に商品を販売できます。

中国では、天猫国際がよく利用されます。このプラットフォームはアリババグループが運営しており、品質の高い海外商品を求める中国の消費者に人気があるプラットフォームです。

海外のECモールを利用することで、現地の消費者に直接リーチでき、現地の市場動向や消費者ニーズに即した販売戦略を展開できます。

ただし、現地のECサイトと交渉する必要がある点に注意が必要です。

越境ECを立ち上げる際のポイント

越境ECを立ち上げる際のポイント

越境ECを立ち上げる際は、商品選定やターゲットの選定、現地の法規制の調査が必要です。また、リソースを確保し、適切な出店方法を選択する必要があります。

ここでは、越境ECを立ち上げる際のそれぞれのポイントをみていきましょう。

商品を準備しておく

越境ECで成功するためには、扱いやすい商品を選ぶことが重要です。軽量でコンパクトな商品は、輸送コストを抑えることができます。また、現地で人気が高い商品や需要が期待できる商品を選ぶことも成功させるためのポイントです。

出店する国によっては、自社製品を現地のニーズに合わせて改良する必要がある場合もあります。さらに、現地の消費者の好みに応じた製品ラインナップやデザインの変更も検討しましょう。

例えば、特定の色やデザインが好まれる地域では、そのトレンドに合わせた商品を提供することで競争力を高めることができます。

販売ターゲットを絞り込む

効果的なマーケティング戦略を立てるためには、販売ターゲットを明確にすることも重要です。ターゲットとする国、年齢層、性別、趣味・嗜好など、具体的な条件を設定しましょう。

ターゲットが明確でないと、広告の内容や配信方法が曖昧になり、メッセージが届きにくくなります。しかし、ターゲットを明確に設定することで、広告の文言や画像、動画などのコンテンツをターゲットに合わせることができ、プロモーションの効果が高まります。

さらに、自社の商品がターゲットに適しているかどうかを確認するためには、事前にアンケート調査や現地調査をおこなうことも有効です。

現地の法律や規制などを確認する

現地の商習慣や法律、そして輸出に関する規制を確認することも重要です。商品によっては輸出が規制されており、特に特定の化学製品や医薬品、食品などは各国で異なる規制があります。

これらの規制に違反すると、輸出が禁止されたり、法律違反として処罰されたりするリスクがあるため、しっかりと確認しておかなければいけません。

例えば、中国には「ポジティブリスト」という制度があり、特定の条件を満たす商品に対して優遇措置が適用されます。

ターゲット国の法律や規制をしっかり理解することで、トラブルを避け、スムーズに越境ECに参入できるでしょう。

人員と予算を確保する

商品の調達、在庫管理、注文処理、カスタマーサービスなどの各業務に必要な人員数を見積もり、必要な予算を事前に確認しましょう。また、マーケティングやプロモーション活動を担当する専門スタッフの確保も重要です。

特に、輸送コストやECサイトの構築・運用費用はしっかりとシミュレーションしておくことが大切です。輸送コストは商品の重量やサイズ、発送先によって大きく異なるため、詳細に計算する必要があります。

さらに、ECサイトの構築方法によって求められる人員のスキルも異なります。既存のプラットフォームを利用する場合は比較的簡単にサイトを構築できますが、独自のECサイトを構築する場合はプログラミングスキルが必要です。

自社に必要なスキルや業務内容に基づいて、必要な予算をシミュレーションしましょう。

出店方法を決める

ECサイトを自社で構築する場合、初期投資が大きくなり、サイトの設計や運営にはプログラミングやマーケティングのスキルが必要です。

一方、国内のECモールに出店する場合、初期投資を抑えつつ簡単に越境ECを始められます。しかし、売上に応じた手数料が発生し、プラットフォームの規約に従う必要があるというデメリットもあります。

さらに、現地のECモールに出店すると、現地の消費者にリーチしやすくなりますが、現地の法律や商習慣に関する専門知識が必要となり、言語の問題も発生するでしょう。

どの出店方法を選ぶかは、これらのメリット・デメリットを踏まえ、中長期的な視点で検討することが重要です。自社が持っているノウハウやリソース、越境ECの目的を考慮し、総合的に判断しましょう。

越境ECを立ち上げてビジネスの規模を海外レベルに拡大しよう

越境ECを立ち上げてビジネスの規模を海外レベルに拡大しよう

越境ECを立ち上げることで、国内市場が飽和している場合でも新たなビジネスチャンスを見つけられる可能性があります。さらに、海外に実店舗を設けるよりも、手間とコストを抑えて出店できるのも大きな利点です。ただし、越境ECを成功させるには、現地の法規制や市場調査が重要となります。

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