従来ECの課題を解決!
ライブコマースで実現できることとは?

2022年1月31日

コロナ禍の影響もあり、近年EC市場が拡大しています。しかし、従来のECではCVRやリピート率の限界にぶつかり、売上が頭打ちになることも珍しくありません。そこで注目されているのが、ライブコマースによる接客DXです。この記事では、接客DXの考え方や期待される効果を中心に紹介します。

EC売上が頭打ちになる3つの要因

日本のEC市場は右肩上がりで成長を続けています。経済産業省の調査(「電子商取引に関する市場調査の結果概要」)によると、2013年には11.2兆円だった消費者向けECの市場規模は、2020年には19.3兆円にまで拡大しました。さらにコロナ禍による外出自粛の影響もあり、近年は物販系の分野が伸びており、2020年には前年比で2割以上の伸長率を記録しました。


出典:経済産業省HP

このように好調を維持するEC市場ですが、やみくもに始めてもなかなか成功はせず、売り上げが伸び悩む、あるいはそもそも十分な成果を得られず撤退する企業も多いのが現状です。そうした企業は、ECを行うにあたりどのような課題や限界に直面するのでしょうか?以下では、主なものを3つ紹介します。

CVRの限界

ECでは、情報発信が一方通行になってしまうため、消費者の購買意欲を最大限に高められないという欠点があります。
また、基本的には文字と画像のみで説明するため、実店舗の購買に比べ商品訴求力は劣ります。さらに、顧客が商品に関する疑問やネガティブなイメージを持ったとしても、その場で解消できない点もネックです。

リピート率の限界

魅力的な商品だとしても、ECの場合それだけでは購買意欲を維持できません。直接的かつリッチな接客体験を提供しにくいだけに、商品やブランドの価値や魅力を強く印象づけることが難しいからです。
また、ECでは質感などの正しい商品情報を伝えきれないことや、競合他社と顧客を奪い合うこともあり、これらもリピート率低下の要因となります。

エンゲージメント醸成の限界

ECでは顧客との接点が少なく、強固な結びつきをなかなか構築できません
また、画像や文字情報だけでは売り手の思いやストーリーが伝わりにくいという課題もあります。

ライブコマースがもたらす「これからのEC」に必要な接客DXとは

上記のようなECの課題は、店舗での販売であれば「接客」ができることにより顧客接点を作ることができたり、商品情報をより詳細に説明できたりするため、発生しにくくなります。この「接客」をECで行う方法として効果的なのが、ライブ配信とECを掛け合わせた販売スタイルである「ライブコマース」です。ライブコマースは接客のデジタルトランスフォーメーション、「接客DX」としての活用が注目されています。

日本のライブコマースにマッチする「接客DX」という考え方

接客DXとは、「デジタル技術を活用したおもてなし」です。実店舗で行われているような商品の説明や商品探しのサポートといったコミュニケーションを、オンライン上(ライブコマース)でも同様のクオリティで行う試みと言い換えられます。
ライブコマース大国の中国では、KOL(Key Opinion Leader)と呼ばれる特定のジャンルに強みを持つインフルエンサーが配信することで、売上拡大を図ることが一般的です。KOLは、SNSなどを通じて自分が詳しい分野の商品を宣伝する役割を担っており、消費者はその専門性を信頼して商品を購入します。
中国のECでは粗悪品などが売られているケースが多いため、信頼できるKOLの紹介する商品を買おうというインセンティブが働きやすくなっています。また、日本の接客業のような実店舗での「おもてなし」文化が中国にはないため、ライブコマースの方が商品について詳しく把握できることも珍しくありません。中国でライブコマースが非常に盛り上がっている背景には、こうした文化や商慣習の事情があるのです。

一方、おもてなし文化が根付いている日本では、ライブコマースにて実店舗と同じ質の接客を行うことが成果向上において効果的です。そのため、インフルエンサーやKOLを起用して商品を紹介してもらうよりも、例えば自社の従業員が配信し、丁寧に接客する方が売上拡大を期待でき、コストも抑えられます。

ライブコマースによる接客DXがもたらすこと

ライブコマースで接客DXを実現することで、CVRやリピート率の限界という、従来のECにおける制約を打破することができます。

■リッチな接客体験によるCVR向上
CVRに関しては、実店舗にいるような接客によるリッチな購買体験や、疑問をその場で解消できることにより、購買意欲を高められます。また、配信中に視聴者同士でコミュニケーションが取れる点も、購入を後押するうえで効果的です。

■「人感のある」接客と正しい情報伝達によるリピート率向上
リピート率に関しても、人感のある接客と正しい情報伝達により向上が期待できます。さらに、エンタメ性のある配信を定期的に行うことで配信者のファンが生まれれば、リピート率はより上昇します。

強い結びつきによるエンゲージメントの醸成

こうした接客DXが目指す最終ゴールは、エンゲージメントの醸成であり、顧客と企業の信頼関係をいかに構築し、他社との差別化を図るかが重要です。
エンゲージメント醸成のためには、以下の4点に取り組む必要があります。

①現状のリピート率や解約率など、エンゲージメントに関わる指標の把握
②顧客の行動データをもとにした嗜好の分析
③多様なコンタクトポイントの設置
④顧客のニーズに合った情報提供

加えてライブコマースにおいては、以下の3つのポイントを意識することが重要です。

エンゲージメント醸成3つのポイント

こうした取り組みによりエンゲージメントを醸成できれば、販売力の強化や売り上げの拡大に結びつき、自社のライブコマースを成長軌道に乗せられます

次の記事では、ライブコマースで売上をあげるために必要な要素を紹介しています。
ぜひ続けてお読みくださいませ。




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このコラムを書いたライター
HandsUP 運営事務局
HandsUP 運営事務局
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