アパレル業界で成功する越境ECの始め方とは?成功に必要なポイントとおすすめプラットフォームを紹介
越境ECとは、日本国内にとどまらず、海外の顧客に自社製品を販売する手段です。アパレル業界でも、海外市場をターゲットにすることで、売上拡大のチャンスが広がります。
そこで本記事では、なぜアパレル業界に越境ECが向いているのか、そして越境ECを始める際に押さえておくべきポイントについて解説します。越境ECへの参入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
越境ECとアパレル業界の現状
日本ではアパレル関連のEC販売が増加傾向にありますが、依然として多くの消費者は、実際に店頭で商品を確認してから購入することが一般的です。
一方、世界のアパレル業界ではEC販売が急速に拡大しており、国内市場での売上が頭打ちとなっている日本企業にとって、越境ECを活用した海外市場への進出は新たな成長のチャンスとなっています。
経済産業省の調査によると、日本国内のファッション市場は縮小傾向にある一方で、海外では主要国のファッション市場が成長を続けています。具体的には、2013年の206兆円から2020年には325兆円にまで拡大しています。
特に、東南アジアではECを利用したファッション商品の購入が急増しており、この地域は今後の成長市場として注目されているほどです。例えば、タイではEC販売の利用率が増加しており、日本のアパレル企業にとっても進出の好機となっています。
アパレル業界で越境ECを始めるために必要なこと
アパレル業界で越境ECを成功させるには、まずターゲットとなる国や地域を選定し、その市場に合ったブランディングやプロモーション戦略を立てることが重要です。
ここからは、アパレル業界で越境ECを始める際に押さえておくべきポイントについて解説します。
市場を獲得する国の選定
越境ECを成功させるためには、ターゲットとする国を慎重に選ぶことが重要です。狙う国のアパレル市場の規模や消費者の特徴に応じたマーケティング戦略が、ビジネスの成功を大きく左右します。
国の選定では、売上を伸ばす可能性が高い国だけでなく、将来的な市場の成長性や競争の状況も総合的に考慮する必要があります。市場調査や競合分析をおこない、どの国で効率的な広告や販売戦略を展開できるかを見極めましょう。
例えば、中国やアメリカはアパレル市場が大きく消費者の購買力も高いため、幅広い消費者層にリーチでき、売上増加の大きなチャンスがあります。
また、ブラジルやインドのように、EC市場の成長が著しい国も注目すべきといえます。。これらの国々では市場がさらに拡大する見込みがあり、競争が激化する前に早めに参入することで、優位なポジションを確立できる可能性があります。
ブランディングやプロモーションの戦略立案
ターゲットとする国が決まったら、その国の文化や国民性に合わせたブランディング戦略を立てることが重要です。日本国内でうまくいった戦略でも、そのまま海外に適用すると消費者の関心を引けないことがあります。
そのため、ターゲット国の消費者がどのようなブランドに注目し、共感を得るのかを詳しくリサーチしなければいけません。国によっては、品質やデザインよりも価格が重視されたり、サステナビリティが購買の決め手となったりする場合もあります。このような消費傾向に合わせた戦略を立てることが大切です。
また、進出する国のアパレル市場を徹底的に調査し、競合他社と差別化することも不可欠です。独自のデザイン、高品質、優れたサービスなど、自社の強みを明確に示し、その強みを生かした効果的なプロモーションをおこなうことが成功のポイントとなるでしょう。
言語・物流・決済のサービス設定
ECサイトをターゲット国の言語に対応させることは、現地の消費者に利用しやすい環境を提供するために重要です。商品のラベルやパッケージも適切に翻訳することで、消費者に安心感を与えられます。
また、海外発送に対応した物流体制を整えることで、注文後に商品を迅速に届けることができます。信頼できる物流パートナーを選び、配送時間の短縮に努めることが、顧客満足度の向上につながるでしょう。
さらに、オンライン決済では、国ごとに主流な決済方法に対応することが大切です。多様な決済手段を導入することで、購入のハードルを下げ、顧客がより便利に利用できる環境を整えられます。
これらの対応をおこなうことで、消費者にとって利用しやすく、信頼感のあるECサイトを実現できます。
越境ECでアパレル業の成果を上げるためのおすすめサイト5選
アパレル業で越境ECを成功させるには、適切なプラットフォームの選定が大切です。ここでは、越境ECにおすすめの5つのサイトをご紹介します。
Tmall 天猫(中国)
Tmall(天猫)は、中国最大級のECプラットフォームであり、特にブランド公式店舗や認定店舗を展開するB2Cのプラットフォームとして知られています。アリババグループが運営しており、世界中の企業がTmallを活用して中国市場に商品を販売しています。越境ECでも主要なプラットフォームとして広く利用されているのが特徴です。
アリババグループはニューヨーク証券取引所に上場しており、世界的にその名を知られています。特に日本製品の需要が高く、家電や化粧品などが中国市場で人気です。ユニクロやミキハウスなどの日本企業も積極的にTmallに出店し、中国での売上拡大を目指しています。
Tmallは日本企業にとって、中国市場にアクセスするための重要なプラットフォームであり、越境ECを通じて中国市場に進出する際の有力な選択肢となっています。
Vip.com 唯品会(中国)
Vip.com(唯品会)は、2008年に設立され、わずか4年後にはアメリカで上場を果たした急成長企業です。アクセサリーやアパレル分野を中心に、中国市場で確固たる地位を築いており、Tmallと並んで中国を代表する3大ECサイトの一つとして広く知られています。
Tmallがあらゆるカテゴリーの商品を取り扱う総合ECサイトであるのに対し、Vip.comは主に女性向けのファッションやアクセサリーに特化したフラッシュセール形式のECサイトとして差別化を図っています。
フラッシュセールとは、短期間の間に大幅な割引をおこなう販売手法で、在庫処分や集客を目的としています。この戦略により、Vip.comは顧客を効果的に引きつけ、成長を続けています。
Yahoo!奇摩(台湾)
Yahoo!奇摩は、2006年にヤフーが台湾のショッピングサイト「奇摩站」を買収して誕生した、台湾版のYahoo! JAPANのECサイトです。
このサイトは、BtoC、BtoB、CtoCの3つのビジネスモデルを展開しており、幅広いユーザー層に対応できることが大きな特徴です。
特に、女性ユーザーに人気があり、アパレルやコスメといった商品がよく売れています。さらに、美容家電なども売れ筋で、女性向けの商品やサービスを提供する企業にとって、理想的なプラットフォームとなっています。
momo購物網(台湾)
momo購物網は、台湾を代表するECサイトの一つで、もともとテレビショッピングから始まりました。2000年代初頭にはECサイトを立ち上げ、豊富な商品ラインナップとスピーディーな配送サービスを強みに、台湾国内で急速にシェアを拡大し、成功を収めました。
このサイトの特徴の一つは、「momoカード」というクレジットカードを提供していることです。カード利用者は1〜5%のポイント還元が受けられ、さらにセール期間中にはお得なキャンペーンが頻繁におこなわれるため、消費者にとって魅力的な特典が用意されています。
また、momo購物網は、品揃えの多さだけでなく、ユーザーにとって便利なサービス設計も評価されています。例えば、アプリから簡単に返品手続きをおこなえる機能や、迅速な配送サービスなどが、ユーザーから高い支持を得ている要因です。
Shopee(東南アジア)
Shopeeは、東南アジア最大級の越境ECプラットフォームであり、日本からシンガポール、台湾、タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナムの6カ国に商品を販売できる場を提供しています。
このプラットフォームでは、販売促進のための施策が充実しています。例えば、11.11セールや9.9セールといった大規模な割引イベントや、Shopee独自の広告配信ツール「Shopee Ads」を活用したプロモーションが効果的です。
また、消費者とリアルタイムでやり取りできるライブコマース機能も活用されており、これにより消費者との距離を縮めながら商品をアピールできる点が大きな魅力です。
さらに、Shopeeは「Shopee Xpress」という自社の物流サービスを展開しており、迅速かつ低コストな配送が可能です。こうした機能により、Shopeeは東南アジアにおける越境ECビジネスをおこなううえで重要なプラットフォームとなっています。
越境ECでアパレル業の成果を出すためのポイント
アパレル業が越境ECで成功するためには、国内向けEC販売とは異なるアプローチが求められます。
ここからは、アパレル業が越境ECで成果を上げるための具体的なポイントを解説します。
商品説明文の言語や文字量を調整する
越境ECでアパレル業の成果を上げるには、ターゲット国に合わせて商品説明文の言語や文字量を調整することが重要です。
現地の言語で素材、サイズ、カラー、特徴などの必要な情報を正確に記載することで、ユーザーにとって理解しやすくなります。ただし、説明が長すぎると読み手が疲れ、購入意欲が低下する可能性があるため、適切な文字量を保つことが大切です。
さらに、商品の特徴や質感を伝えるためには、画像や動画を活用するのも効果的で、購買意欲の向上につながります。
SNSを積極的に活用する
SNSの効果的な活用も、アパレル業界において欠かせない施策の一つです。Instagram、Facebook、X(旧Twitter)などのSNSは海外でも広く利用されており、特にファッションやトレンドに敏感な消費者がこれらのプラットフォームを日常的にチェックしています。
アパレル業界では、商品の魅力を視覚的に伝えることが重要です。そのため、画像や動画を使ったプロモーションが可能なSNSは、アパレル商品との相性が抜群です。
例えば、Instagramではビジュアルを中心とした投稿でブランドの魅力を効果的に伝えられます。また、ユーザー生成コンテンツ(UGC)やインフルエンサーとのコラボレーションも、信頼性を高める有力な戦略です。
さらに、国ごとに利用されているSNSプラットフォームは異なるため、ターゲット市場で人気のSNSを調査し、それに合わせたプロモーション戦略を展開することが重要となります。例えば、欧米ではInstagramが主流ですが、アジアではFacebookやXが多く利用されています。
対象国のニーズや好みに合わせる
越境ECでアパレル業を成功させるためには、対象国の消費者のニーズや好みに合わせた戦略が欠かせません。各国のファッションに対する考え方やトレンドは異なるため、日本国内と同じプロモーションでは効果が出にくいことがあります。
そのため、現地の消費者の生活習慣やファッションの好みを事前にリサーチし、その情報をもとに商品ラインナップやプロモーションを調整することが重要です。
特に、信仰心が強い国では、デザインや色が宗教的な意味を持つ場合もあるため、慎重な配慮が求められます。例えば、特定の色や模様が宗教的に重要な意味を持つ場合、その文化に沿った商品を提供することで、現地の消費者からより高い共感と支持を得ることができるでしょう。
アプリを導入する
ECサイトに加えてアプリを導入することは、消費者にとっての利便性を高め、売上を増やすための効果的な手段です。スマートフォンユーザーの中には、ブラウザよりもアプリを利用することを好む人もいるため、アプリを通じて商品購入ができる機能を提供することで、幅広い顧客層にアプローチできます。
アプリでは、購入履歴をもとに商品を提案したり、ワンタッチで簡単に購入できたりする機能など、消費者にとって便利なカスタマイズが可能です。また、プッシュ通知を活用して、プロモーションやセール情報をタイムリーに配信することで、リピート利用を促すこともできます。
これにより、アプリ利用者が頻繁にアプリを利用し、売上の継続的な向上が期待できるでしょう。
アパレル分野の越境ECはライブコマースがおすすめ
アパレル分野の越境ECにおいて、ライブコマースの活用は非常に効果的です。ライブ配信を通じて商品の着用感や質感、デザインをリアルに伝えることができ、視覚的に商品を魅力的に紹介できます。
実際にモデルが商品を着用し、リアルタイムで商品説明や質問への回答をおこなうことができるので、消費者の疑問をその場で解決し、信頼感を高めながら購買意欲を引き出せます。特に中国や韓国では、日本以上にライブコマースが普及しているため、これらの市場に参入する際には積極的な活用が推奨されます。
また、ライブコマースの利用を検討している方は、17LIVEが提供している「越境コマースサービス」の利用もご検討ください。
越境コマースサービスは月額9.8万円から始められるうえに、商品情報の登録と国内発送だけで完結する手軽さが魅力です。ハードルが高いと感じがちな海外EC事業も、最小限のオペレーションで対応が可能です。また、言語対応や複雑な物流の心配も不要です。
越境コマースサービスは、年間取引額500億円を超える専属KOLコミュニティを活用し、越境ECでの売上アップを支援します。KOLの販売データに基づく精度の高いマッチングで、適切なターゲットに商品を届けることが可能です。また、KOLとのやりとりも不要なため、低リスクかつ低コストでの海外進出が実現できます。
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越境ECでアパレル業の売上を向上させよう
世界的な越境EC市場の拡大は、国内で売上が伸び悩んでいるアパレル企業にとって新たなビジネスチャンスを提供しています。越境ECを始める際には、進出先の国を選定し、その国に適したブランディングやプロモーション戦略を立てることが重要です。また、言語、物流、決済などのサービスも整える必要があります。
さらに、対象国のニーズや好みに合わせた商品展開や、SNSの活用も重要です。特にアパレル業界では、進出先によってはライブコマースが効果的な販売手段となる場合もあるでしょう。
また、海外EC進出をお考えの方は、17LIVEが提供する越境コマースサービスの活用もご検討ください。商品情報の登録と国内発送だけで簡単に海外展開ができ、複雑な言語対応や物流の心配も不要です。専属KOLを活用し、年間取引額500億円を超える市場で売上アップを実現します。まずはお気軽にご相談ください。