越境EC代行に依頼できることとは?メリット・デメリットや選び方も解説
越境ECの代行とは、越境ECサイトの運営代行やマーケティング施策などをおこなってくれる代行業者のことです。このような業者は、越境ECに関する業務のサポートをしてくれるため、自社にノウハウがない場合には心強い味方となってくれるでしょう。
しかし、初めて依頼する場合は、どの代行業者を選べばよいか迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、越境EC代行の対応業務や依頼するメリット・デメリット、業者の選定ポイントなどを解説します。
越境ECとは?
越境ECとは、インターネット上で国境を越えておこなう電子商取引(EC)です。購買者の場合は商品を海外のECサイトで購入し、自国に取り寄せることを指し、販売者の場合はECサイトやECモールを利用して海外の顧客に商品を販売することを指します。
購買者にとっては国内では手に入らない商品を手軽に入手できるメリットがあり、販売者にとっては海外市場に参入し、売上を拡大するチャンスとなります。
販売者が越境ECに参入する基本的な方法は、自社で越境ECサイトを構築し運営する方法と、AmazonやeBayといった海外のECモールに出店・出品する方法の2種類です。
越境EC運営代行がやってくれること
越境ECの代行とは、越境ECサイトの運営やマーケティング施策を専門におこなう業者です。自社で越境ECサイトを構築する場合、技術的な課題や運営ノウハウが必要となり、代行業者に依頼することでこれらの負担を軽減できます。
越境EC運営代行は、サイトの構築から、物流、決済、カスタマーサポート、マーケティングまで多岐にわたる業務を包括的にサポートしてくれるため、依頼することでスムーズな運営が可能となるでしょう。
ここからは、越境EC運営代行が提供する具体的なサービス内容を解説します。
現地のニーズ調査
日本国内で人気の商品が、海外市場ではまったく売れないケースは珍しくありません。文化や消費者の嗜好が異なるため、単純に国内でのヒット商品をそのまま海外で展開しても成功しないことがあります。
代行業者がおこなう現地のニーズ調査では、商品展開前に現地の消費者の嗜好やトレンドを詳しくリサーチします。その調査結果を実際の販売活動に反映させることで、効果的な商品展開が可能です。
マーケティング施策の提案や実施
現地の人々にECサイトを認知してもらうためには、その国の特性や文化、消費者の行動パターンを考慮したマーケティング施策が欠かせません。
例えば、ある国ではSNSの影響力が強く、別の国では検索連動型広告が効果的であるなど、国ごとに異なる特性を理解することが重要です。
代行業者は現地のニーズや市場をしっかりリサーチし、これまでの経験を活かして最適なマーケティング施策を提案・実施してくれます。
過去の成功事例や市場データをもとにした広告キャンペーン、現地のインフルエンサーとのコラボレーション、適切なプロモーションやセールのタイミングなど、具体的で実践的な施策を提供してくれるでしょう。
出品や運営の代行
商品の出品や販売は、現地の法律や規制を遵守しておこなわなければなりません。国ごとに異なる法律や規制に対応するためには、専門知識と経験が不可欠です。
代行業者は現地の法律についても熟知しているため、適切な手続きを踏まえて代行してくれます。そのため、自社の負担を大幅に軽減できるだけでなく、法律違反のリスクも回避できる点がメリットです。
さらに、代行業者は多言語でのカスタマーサポートを提供している場合もあります。そのため、現地の顧客との円滑なコミュニケーションが可能になり、顧客満足度の向上も可能となるでしょう。
越境ECで代行業者を利用するメリット
越境ECで代行業者を利用するメリットとして、次の3点を解説します。
・法律や規制などについて相談できる
・海外進出のノウハウを持っている
・マーケティング戦略が立てやすくなる
それぞれのメリットを確認していきましょう。
法律や規制などについて相談できる
越境EC参入時には、国内ECにはない参入国特有の法律や規制などの専門知識が必要です。輸出入の際には貿易知識や関税などに関連する法律の理解も欠かせません。
例えば、中国では中国サイバーセキュリティ法や中華人民共和国電子商務法などがあり、これらに違反すると出品業者が刑事罰を受ける可能性があるため注意が必要です。
複雑な法律や規制に対応するために、代行業者の利用が大きなメリットとなります。代行業者は各国の法律に関するノウハウを持っており、企業に対して適切なアドバイスを提供し、必要な手続きを代行してくれるため、依頼企業は法律違反のリスクを避けられるでしょう。
海外進出のノウハウを持っている
国内向けのECで培ったノウハウは、文化や規制、消費者の行動が異なる海外市場ではそのまま利用できないことが多々あります。例えば、中国には「グレートファイアウォール」と呼ばれる独自の検閲システムが存在し、特定の用語やWebサイトがブロックされることがあります。
そのため、現地でのSEOを含めたマーケティング戦略に大きな影響を及ぼし、国内での成功戦略が通用しないこともあるでしょう。
代行業者は、すでに海外市場での実績と経験を持っており、そのノウハウを活用して企業の海外進出を支援してくれるでしょう。現地の検索エンジンやSNSの最適化、検閲システムを考慮したコンテンツ制作など、現地に適応した具体的な施策を提供してくれます。
マーケティング戦略が立てやすくなる
越境ECでは、出店後のマーケティングが成功のカギとなります。出店する国の消費嗜好や文化、トレンドを考慮したマーケティング戦略が必要です。
代行業者はこれまでの実績や経験をもとに、現地市場での成功ノウハウを持っています。例えば、どのような商品がどのような消費者層に受け入れられるか、どの媒体でプロモーションをおこなうべきか、どのタイミングでキャンペーンを展開すべきかなど、具体的で実践的な戦略を提案してくれるでしょう。
さらに、商品販売後のアフターフォローも代行業者に任せられます。現地の言語でカスタマーサポートをおこなうことで、顧客満足度の向上が可能です。
越境ECで代行業者を利用する際の注意点
代行業者を利用する際には、次のような注意点も認識しておく必要があります。
・社内にノウハウを蓄積できない
・自社運営へ切り替える際に膨大なコストが必要
・信頼関係の構築が難しい
それぞれの内容について確認していきましょう。
社内にノウハウを蓄積できない
越境ECの運用を代行業者に任せることで運営効率は改善しますが、その一方で、社内には実践的な知識や経験が蓄積されないデメリットがあります。また、代行業者に依存するあまり、自社内での対応能力が低下し、迅速かつ効果的な問題解決が難しくなることも考えられます。
そのため、越境EC運用を代行してもらう場合でも、代行業者と定期的な情報共有をおこない、自社内にもノウハウが蓄積されるような仕組みづくりが重要です。
自社運営へ切り替える際に膨大なコストが必要
越境ECで代行業者を利用する場合、途中から自社運営へ切り替える際にかかるリソースやコストについても認識しておく必要があります。
代行業者に依頼している間も自社にある程度の費用負担はありますが、自社での運営に切り替える際には、より多くのリソースやコストが必要です。
越境ECサイトを運営するには、長期的な計画が必要です。そのため、将来的に内製化するかどうかを早い段階で決めておき、戦略を立てておくことが求められます。
もし内製化を目指す場合は、一度にすべてを内製化するのではなく、段階的に移行することでシステム上のトラブルやリソース不足などを防げるでしょう。
信頼関係の構築が難しい
代行業者とは基本的にオンラインでのやりとりが中心となるため、対面でのコミュニケーションが少なく、信頼関係を築きにくい課題もあります。代行業者にすべてを任せてしまうと、運営状況や市場での反応を正確に把握できず、問題が発生した際に迅速に対応できない可能性もあります。
そのため、代行業者とはできるだけ積極的なコミュニケーションをとることが大切です。メールやチャットツール、オンラインミーティングなどを活用し、定期的な情報共有をおこなうことが重要となるでしょう。
例えば、週次や月次のオンラインミーティングを設定し、進捗状況や問題点、改善策を話し合うことで、運営状況を把握しやすくなります。
越境EC運営代行業者の選び方のポイント
越境ECが成功するかどうかは、適切な代行業者を選べるかも重要となります。ここでは、代行業者の選び方のポイントについて解説します。
各国の内情を詳しく理解しているか
自社が越境ECのターゲットとして考えている国の市場や消費者の嗜好、文化的背景、競合状況を深く理解している代行業者でなければ、適切な運営ができず、期待する成果を上げるのは難しいでしょう。
国ごとに異なる規制に対応するためには、専門的な知識が不可欠です。規制を知らずに運営を進めると、法律違反やトラブルに発展し、ビジネスの継続が困難になる可能性もあります。
また、市場規模や成長性、消費者の購買行動やトレンドを把握していることも重要です。サイト運営の技術力がいくら高くても、現地での市場ニーズの見極めが甘ければ、売上向上は望めないでしょう。
豊富な実績があるか
代行業者のこれまでの実績も必ずチェックしておきたいポイントです。特に自社がターゲットとする国での越境EC実績があるかどうかは必ず確認しましょう。
実績が多い代行業者は数多く存在しますが、国によって規制、法律、消費者ニーズは大きく異なるため、ターゲット国以外の実績しかない業者を選んでも期待する成果が得られない可能性が高いです。
例えば、中国市場に参入したい場合は、中国での越境EC実績が豊富な代行業者を選ぶなど、ターゲットとする国に強みを持つ会社を選定するようにしましょう。
自社が求める業務に対応しているか
代行業者によって得意な業務が異なる場合もあります。モールでの運営を得意としているのか、またはオリジナルサイトの構築を得意としているのかなど、どのような業務を得意としているのかを事前に確認しておきましょう。
さらに、長期的な運営代行を依頼するのか、短期的な運営代行を依頼するのかによっても選ぶべき会社は異なります。
長期的な運営代行を依頼する場合、継続的なサポートや定期的な報告、運営改善の提案などが必要です。一方で、短期的な運営代行を依頼する場合、特定のキャンペーンやプロジェクトに集中したサポートが求められます。
運営代行業者を選ぶ際には、事前に自社の運営方針を明確にしておくことが大切です。
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越境EC運営代行業者は実績やサービスの質で選ぼう
越境EC運営代行は、サイトの構築から、物流、決済、カスタマーサポート、マーケティングまで多岐にわたる業務を包括的にサポートしてくれるため、スムーズな運営が可能となるでしょう。代行業者は海外戦略に長けており、現地に合ったマーケティング戦略を提案してくれます。
自社に越境ECのノウハウがない場合は、越境EC運用代行に依頼することも検討してみてください。