YouTubeマーケティングとは?戦略や成功のポイントを紹介

2024年1月30日

YouTubeマーケティングとは、動画配信サービスである「YouTube」をマーケティングに活用する手法です。YouTubeはユーザー数が多く、年齢層も幅広いうえにターゲティングも細かく設定できるため、あまりコストをかけなくても、大きな成果が期待できます。

ただし、炎上リスクや、成果が出るまである程度の時間を要するといったデメリットもあるため、理解を深めたうえで活用するのがよいでしょう。

そこで本記事では、YouTubeマーケティングの概要や戦略、成功ポイントを紹介します。

YouTubeマーケティングとは?

YouTubeマーケティングとは?

YouTubeマーケティングとは、「YouTube」をマーケティングに活用する手法のことです。

動画広告を流したり、自社の商品・サービスや取り組みを自社のチャンネルで配信したりすることで認知度を高められます。ターゲットを絞ったアプローチも可能であるため、より成果につなげやすいといった特徴もあります。

YouTubeマーケティングの3つの施策

YouTubeマーケティングの3つの施策

YouTubeマーケティングの主な施策には、動画広告、動画配信、案件動画の3つがあります。ここでは、それぞれの概要を紹介します。

動画広告

動画広告は、動画の前後や途中に、自社で制作した動画を広告として配信する方法です。短時間で多くの情報をユーザーに提供でき、認知度の向上が期待できます。

YouTubeの動画広告の種類には、動画の再生前後や再生中に表示され5秒後にスキップできる「インストリーム広告」や、6秒以内の広告でスキップできない「バンパー広告」などがあります。

また、コストパフォーマンスが高くコンバージョンが狙える「動画アクションキャンペーン」と呼ばれる広告も利用可能です。このキャンペーンは、インストリーム広告と検索結果などに画像で表示されるインフィード広告を連携させたもので、コンバージョンにつながるアクションコマンド(CTAボタン)が表示される点が特徴的です。

YouTube広告の配信には費用がかかりますが、多くの人に視聴してもらえることや、ターゲットを絞った配信もできるといったメリットがあります。

動画配信

動画配信は、自社でチャンネルを運営し、ターゲット層に向けた動画を制作して配信する方法です。自社で制作した動画を配信する場合はコストを抑えられるうえに、定期的な配信によってファンの獲得が期待できます。

動画配信には、下記の種類があります。

・ライブ配信:リアルタイムで動画を配信
・オンデマンド配信:録画して編集した動画を公開
・疑似ライブ配信:あらかじめ撮影、編集した動画をライブ配信で公開

動画配信によるYouTubeマーケティングを成功させるには、チャンネル登録者数を増やす必要があります。そのために、ユーザーが興味を持つ動画を継続して投稿することが重要です。

案件動画

案件動画は、YouTuberやインフルエンサーなどに自社の商品やサービスの紹介・宣伝をしてもらう方法です。

チャンネル登録者数の多い配信者に依頼すれば、高い拡散力と認知拡大が期待できます。配信者のファンにもアプローチできるので、これまでリーチできていなかった層の獲得にもつながるでしょう。

ただし、依頼するインフルエンサーによっては高いコストがかかる点に注意が必要です。

企業がYouTubeマーケティングをする4つのメリット

企業がYouTubeマーケティングをする4つのメリット

YouTubeマーケティングには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、YouTubeマーケティングに取り組むメリットを4つ紹介します。

低コストで実施可能

YouTubeマーケティングは、テレビなどのマスメディアを使った広告に比べて低コストで施策を実施できます。

テレビの場合、東京のキー局で15秒のCMを流すと1回あたり40万円から80万円程度の費用が必要です。そのうえ、費用をかけたとしてもターゲットに広告を見てもらえるとは限りません。

一方、YouTubeで動画広告を配信する場合、費用は表示回数やクリック回数に基づいて算出されるため、無駄なコストがかかりません。

また、自社でYouTubeチャンネルを開設する場合、チャンネル開設も動画公開も無料で行えます。さらに、一度動画を投稿すれば、削除しない限り半永久的に公開され続けるため、長期間にわたる効果が期待でき、企業にとっての資産形成にもつながるでしょう。

多くのユーザーへのリーチが可能

数多くのユーザーにリーチできることもYouTubeマーケティングのメリットです。

YouTubeの国内における月間アクティブユーザー数は7,000万人以上といわれています。ユーザーの年齢層も幅広く、世代を問わず多くのユーザーに自社の商品・サービスを認知してもらえるメディアといえるでしょう。

効果的なターゲティングができる

YouTube広告は、詳細なターゲティング設定も可能です。具体的には、年齢・性別・地域・趣味嗜好・興味関心・ライフスタイルなどでターゲティングできます。適切に設定をすれば、自社の商品やサービスに興味があるユーザーだけにピンポイントで広告を出せるでしょう。

また、動画視聴に関するさまざまなデータの取得もできるため、それらを見直すことでマーケティング精度の向上も図れます。Webサイトのアクセス解析と組み合わせれば、さらに効果的なマーケティングがおこなえるでしょう。

潜在顧客へのリーチができる

インフルエンサーを起用した動画配信によるマーケティング施策をおこなえば、自社の商品やサービスを知らないユーザーにも幅広くリーチできます。

他にも、YouTubeではアルゴリズムにより、ユーザーが検索したキーワードをもとに、ユーザーが興味を持ちそうな動画をおすすめ動画として表示します。

自社の動画がおすすめ動画に表示され視聴されれば、潜在顧客との接点になりえるでしょう。

企業がYouTubeマーケティングをするデメリットとは

企業がYouTubeマーケティングをするデメリットとは

YouTubeマーケティングにはメリットが多いものの、知っておきたいデメリットもいくつかあります。ここでは、YouTubeマーケティングのデメリットを紹介します。

動画の制作が必要でコストがかかる

YouTubeマーケティングに取り組むなら、配信する動画を自社で制作しなければなりません。動画の制作には、機材の購入費や制作・運用にあたっての人件費、インフルエンサーへの報酬などの費用がかかります。自社内に動画制作ができる人材がいなければ、一から人材を育成したり外注したりする必要が出てくるためさらなる費用がかかるでしょう。

継続的にYouTubeマーケティングをおこなう予定であれば、相応の予算や体制を整えておく必要があります。

炎上のリスクは切り離せない

YouTubeマーケティングは、拡散力が高いため、多くのファンを獲得できる可能性があります。その一方で、炎上のリスクは切り離せません。動画の内容に問題があったり、出演者に不適切な発言があったりすると、あっという間に炎上してしまう可能性があります。

一度炎上してしまうと、動画のコメント欄が荒れるだけでなく、X(旧Twitter)やInstagramなどの他のSNSにも拡散され、事態はさらに悪化します。その結果、企業は信用を失い、業績に影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

YouTubeをマーケティングに活用する場合は、コンプライアンスに配慮し、デリケートなテーマを取り扱わないなど、動画内容には細心の注意を払って運用することが大切です。

効果が出るまでに時間がかかる

動画配信用のチャンネルを一から立ち上げる場合、結果が出始めるまでには時間がかかります。動画チャンネルの開設当初は認知度が低く、チャンネル登録者数も少ないことから、動画の再生数は伸びにくく拡散もされにくいためです。そのため、効果を感じ始めるまでに、数か月は見ておきましょう。

広告を出稿したり、インフルエンサーや有名人を起用したりすれば、より早くに成果を出せますが、その分コストがかかります。

費用をかけずに早く効果を出す方法はないため、自社のチャンネルで配信をするなら、コツコツと動画配信を続ける努力が必要です。

YouTubeマーケティングを成功させるポイントとは

YouTubeマーケティングを成功させるポイントとは

YouTubeマーケティングで成功するには、コツを知り、実践することが大切です。ここでは、YouTubeマーケティングを成功させるためのポイントを3つ紹介します。

他のSNSと併用する

YouTubeは、他のSNSと連携させやすい媒体です。

共有機能によって動画のURLをコピーし、拡散力に優れたX(旧Twitter)やInstagramなどに動画のURLを投稿、掲載すれば、より多くのユーザーにリーチできます。

YouTubeでのマーケティング効果を高めるためには、YouTube単体よりも他のSNS媒体も利用する方がより高い効果を期待できるでしょう。

ただし、媒体が変わっても、企業のブランドイメージがかけ離れないよう、注意する必要があります。発信する情報や表現方法には一貫性を持たせておくことが大切です。

ターゲット選定に力を入れる

YouTubeマーケティングを成功に導くには、ターゲットの選定も重要なポイントです。「誰に」対して動画を配信するのかを明確にしましょう。

YouTubeは投稿されている動画数が多いプラットフォームです。そのため、ターゲット層を定めないまま動画配信をしても、他の動画に埋もれてしまい、見てほしいユーザーに届きません。

自社の商品やサービスに興味を持ってくれそうなユーザーに情報を届けるためには、ターゲットを定める必要があります。

まずは、具体的な顧客像であるペルソナを設定しましょう。年齢や性別、職業、年収、居住地、趣味、価値観、家族構成、ライフスタイルなどを具体的に決めます。ターゲットを細かく絞ることで、そのニーズが見えやすくなり、ユーザーの心に響く動画を作りやすくなるでしょう。

特定の人に刺さるコンテンツを作る

動画は、万人受けするものではなく、特定の人に刺さるものを制作するよう心がけましょう。万人受けするものを制作しても印象に残りづらく、多くのコンテンツの中に埋もれてしまいます。

そのため、特定のユーザーのニーズ(おもしろい・役に立つなど)を満たす動画になるように意識して制作することがポイントです。

ユーザーの心に刺されば、拡散してくれる可能性があり、より多くのターゲットにリーチできる可能性が高まります。

YouTubeマーケティングの成功事例

YouTubeマーケティングの成功事例

YouTubeマーケティングですでに成功している企業は、どのようにYouTubeマーケティングを実践しているのでしょうか。ここでは、YouTubeマーケティングに成功している企業の例を2社紹介します。

タカラトミー

タカラトミーは、新商品の遊び方や紹介などをメインに、YouTubeで動画を配信しています。公式チャンネルの登録者数は150万人以上で、6,000万回以上再生された動画もあるほどです。

子ども向けの製品やサービスであることを踏まえ、動画の内容も子ども向けに制作されており、ポップな音楽とともにキャストやキャラクターが遊び方を紹介してくれます。

動画タイトルや概要欄はひらがなで記載され、子どもが読みやすいよう配慮されているのもポイントです。

動画配信なら、子どもは30分以上でも見てくれるうえ、同じ動画を繰り返し視聴してくれます。これはテレビCMでは難しいでしょう。

さらに、キッズYouTuberを起用することも再生回数を伸ばすのに一役買っています。

サントリーコミュニケーションズ

サントリーは、2018年にVtuber「燦鳥ノム(さんとり・のむ)」のチャンネルを開設しています。開設以降、「歌ってみた」やゲーム実況などをメインに動画を配信し、時折、自社商品のレビュー動画を混ぜこんでいるのが特徴です。

広告だと感じさせないよう、商品とブランドの訴求を行い、燦鳥ノムさんのファンが自然に商品を購入する流れを作って、売上アップにつなげています。

消費者とのコミュニケーション強化のためにVtuberを生み出し、若年層へのリーチに成功した事例となっています。

YouTubeマーケティングを活用してサービスを訴求しよう

YouTubeマーケティングを活用してサービスを訴求しよう

YouTubeマーケティングは、低コストで潜在顧客を含めた多くのユーザーへのリーチが期待できるマーケティング手法です。ターゲット層を細かく設定できるので、費用対効果も高い方法といえるでしょう。

YouTubeマーケティングを成功させるには、他のSNSとの併用やターゲットの選定、特定の層に刺さる動画の制作など、いくつかのポイントを知って実践することが大切です。

企業の成功事例なども参考に、自社にあった方法でYouTubeマーケティングを取り入れましょう。