TikTokマーケティングとは?特徴やメリット、成功事例を紹介

2023年12月27日

ショート動画をシェアできるプラットフォームとして若い世代を中心に人気を集めているTikTokですが、マーケティングにも活用できることから、昨今では企業が活用する事例も増えています。

しかし、導入を検討している方の中には「TikTokを活用することにどのようなメリットがあるかわからない」「利用する際の注意点を知りたい」という方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、TikTokを活用してマーケティングを行うメリットや、実施する際の注意点、成功へ導くためのコツなどを紹介します。事例も交えて紹介していきますので、TikTokをマーケティングに活用しようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

そもそもTikTokとはどのようなSNS?

そもそもTikTokとはどのようなSNS?

TikTokとは、15秒から60秒程度のショートムービーを投稿したり、視聴したりできるプラットフォームです。

リリース当初は、リップシンク動画(※)やダンス動画が有名でしたが、ユーザー数の増加とともに、現在ではさまざまな動画が投稿されています。動画スピードの調整やBGM、加工などさまざまな工夫を施すことができ、流行に敏感な若いユーザーの支持を集めてきました。

10代から20代のユーザーが中心ではあるものの、徐々に他の世代のユーザーも増加し、国内の月間アクティブユーザー数は900万人を超えるともいわれています。

また拡散力が高い特徴もあり、TikTokを利用したマーケティングでは、いかに「バズるか」がポイントとなっています。

(※)アニメや映画の音源に口パクで合わせながら歌ったり踊ったりして撮影した動画のこと

TikTokマーケティングを実施する3つのメリット

TikTokマーケティングを実施する3つのメリット

TikTokをマーケティング戦略に活かすことは、企業にとってさまざまなメリットがあります。
ここでは、TikTokマーケティングの代表的な3つの強みを紹介します。

広告への嫌悪感が低い

TikTokの広告は、視聴を強制するものではないため、見たくなければスキップすることが可能です。

スキップ自体も簡単にできるため、ユーザーも広告に対してあまり嫌悪感を抱かない傾向にあります。

また、TikTokでは、ユーザーにとって関心のある動画だけでなく、ないものも含め、さまざまな動画が表示される仕様です。短いコンテンツが多いため、ユーザーはおすすめに表示された動画をひとまず最後まで視聴する傾向があり、好みのものに関連のない動画でも受け入れられやすいメリットがあります。

そのため、おすすめ欄に表示される広告動画に対しても、嫌悪感を覚えるユーザーが少ないのです。

ユーザーの視聴時間が長い

TikTokの発表によると、TikTokユーザーが動画を視聴する平均時間は1日あたり67分です。これは、日々の生活サイクルにおいてかなりの時間をTikTokに費やしていることを示しており、マーケティングをおこなう企業にとってはターゲットにリーチするチャンスが多いともいえるでしょう。

視聴時間が長い理由として、AIによっておすすめされた動画が短いものであり、さらに次々と動画が流れてくることで、飽きることなく見続けられるということが考えられます。

ユーザーが離脱しにくい環境であることも、マーケティングを展開する上では大切な要素といえます。

拡散力が高い

TikTokでは、アカウントの評価よりもコンテンツ単体で評価するアルゴリズムが組まれており、フォロワー数が少なくとも多くのユーザーに視聴してもらえるチャンスがあります。

また、「いいね」の数や再生回数、ユーザーの行動履歴などに基づいておすすめとして表示されるため、ターゲットの共感を得られる動画を制作すれば拡散される可能性があり、認知度の向上を期待できます。

TikTokマーケティングを実施する際の注意点とは?

TikTokマーケティングを実施する際の注意点とは?

TikTokマーケティングには、メリットだけでなく注意点もあります。ここでは、TikTokでマーケティングをおこなうにあたって知っておきたい注意点を3つ紹介します。

著作権侵害に注意する

視聴者の興味を引く動画を制作したい場合、トレンドの曲をBGMとして使用したいといったケースも考えられるでしょう。しかし、楽曲には著作権があり、著作権法という法律で保護されています。そのため、そのまま使ってしまうと法律違反になり、刑罰を受ける可能性があります。

楽曲を使いたい場合は、TikTokが公式に提供している曲を使うのが無難です。動画制作時に「楽曲を選ぶ」から選択できるものは、JASRACから使用許可が下りている音源なので、安心して使用できます。

炎上するリスクを考慮する

TikTokは拡散力が高いSNSです。そのため、不適切なコンテンツを投稿してしまうなどすれば、あっという間に炎上します。ときには法律に抵触していない内容でも、ユーザーが不快に思えば炎上してしまう可能性もあるでしょう。

TikTok上だけでなく、他のSNSでも拡散されてしまうと、収拾がつかなくなることもあります。そうなると、消費者から企業に対する信頼は損なわれ、回復するには相応の時間や努力が必要になります。

そうならないためにも、TikTokに投稿する動画の内容には細心の注意を払うことが大切です。

特定の人物や他社を批判する内容や、賛否が分かれる内容に意見すること、またプライベートな情報を含んだ内容などは避けましょう。

可能であれば複数人体制で運用し、投稿前には必ず内容のダブルチェックを行うことをおすすめします。

売上に直結しない可能性があることを理解する

動画がいわゆる「バズった」状態になったとしても、それが売上に直結するとは限りません。

TikTokで広告動画を見てもらうためには、ユーザーが興味を示す動画を作らないといけないため、広告感が薄くなる傾向にあります。そのため、一般の投稿と捉えられてしまうことも多く、動画内の商品やサービスの認知までつながらない可能性が高いです。

かといって、訴求感を前面に押し出してしまうと敬遠される可能性が高く、スキップされてしまいます。そのため、ユーザーに嫌悪感を抱かせない程度に、間接的にプロモーションをする工夫が必要です。

TikTokマーケティングを成功させるためのコツ

TikTokマーケティングを成功させるためのコツ

TikTokマーケティングを成功させるためには、コツを押さえて活用することが大切です。ここでは、成功させるための3つのコツを紹介します。

TikTokのアルゴリズムを知る

TikTokでより多くの人に動画を見てもらうためには、まずアルゴリズムから理解しなければなりません。アルゴリズムを知っておけば、どのジャンルの動画がどの層のユーザーに届くのか、どのような動画が伸びやすいのかといった傾向を把握できるためです。

TikTokでは独自のアルゴリズムによって、ユーザーにおすすめとして表示する動画を決定しています。そのアルゴリズムには2種類あり、1つ目はいいねの数やコメント数、シェア数、視聴時間、再生回数などが関係して再生回数が伸びるというものです。

具体的な指標は公開されていないものの、多くの支持を得られるほど、より多くのユーザーの目に触れます。

2つ目は、離脱までの時間や「興味ありません」ボタンなど、ネガティブな要素によって上位表示されなくなるというものです。他のSNSへの誘導も影響するといわれているため、これらの点に注意して動画を制作するようにしましょう。

ターゲットを明確にする

10代の利用が多いとされているTikTokですが、動画をバズらせるには、より明確にターゲットを設定することが大切です。

宣伝したい商品・サービスが視聴者の心に響かないと、せっかく動画を見てもらえたとしてもなかなか成果につながりません。宣伝したい商材の需要がどの層にあるのかを正確に把握するとともに、ターゲットに好まれやすい構成や流行のコンテンツを分析した上で制作しましょう。

ユーザー目線でキャンペーンを実施する

TikTokマーケティングで成果をあげている企業のほとんどは、プロモーションと同時に多種多様なキャンペーンを開催しています。

例えば、期間限定で割引をしたり商品購入時におまけをつけたりしているほか、抽選でアイテムを得られるなど、ターゲットの興味を引きやすいキャンペーンを用意しています。

過去には、大手コンビニや有名飲料メーカーなどもTikTokキャンペーンを開催し、大きな反響がありました。景品の金額もそれほど高価なものではないため、予算に限りのある企業でも導入しやすい手法といえます。

ユーザー属性に合わせたキャンペーンを展開すれば、購入意欲を刺激できるでしょう。

TikTokマーケティングの成功事例

TikTokマーケティングの成功事例

ここからは、実際にTikTokでマーケティングを行い、成功をおさめた企業の事例を紹介します。これからTikTokマーケティングに挑戦したいという方はぜひ参考にしてください。

コカ・コーラの「リボンでありがとうチャレンジ」

大手飲料メーカーである日本コカ・コーラ社が2018年に実施した、ハッシュタグを用いたキャンペーンです。

ユーザーが動画を投稿する際に、「#リボンでありがとう」というハッシュタグをつけ、誰かに感謝の気持ちを伝えるというものです。参加者の中から抽選で100名にQUOカードが贈られたほか、特別賞として8本の動画を選出。選ばれた動画は、クリスマスイブに渋谷の屋外ビジョンで放映されました。

このキャンペーンを通して、同ハッシュタグのつけられた動画が合計で4,500万回も再生されるなど、大きな盛り上がりを見せた事例です。ハッシュタグを活用したチャレンジ系イベントの代表的な成功事例といえるでしょう。

ユニクロの「UTPlayYourWorld」

ユニクロは2019年に、独自に展開するTシャツブランド「UT」のインフルエンサーをグローバルな規模で募集するキャンペーンをおこないました。

その内容は、日本・アメリカ・フランス・台湾・中国の5カ国で、イベント期間中に専用のハッシュタグをつけて動画を投稿したユーザーの中から、各国1名ずつをインフルエンサーとして選出するというものです。選出された人には、テレビCMや各店舗モニター・公式SNSでのプロモーションに出演できる特典が与えられました。

このイベントは、SNSでの拡散もあって大いに注目され、投稿された動画の総数は約20万本だったといわれています。さらに、キャンペーン開始から、2週間で約3.3億回という視聴回数を記録するなど、大きな成功をおさめました。

KIREIMO(キレイモ)の「#キレイモいいね割チャレンジ」

女性専用の脱毛サロンである、KIREIMOが2020年に実施したキャンペーンです。専用のハッシュタグをつけて投稿された動画が獲得したいいねの数に応じて割引が受けられる、というものでした。

このキャンペーンで注目すべきは、インセンティブが適切に考慮されている点です。投稿に対する1いいねごとに100円の割引が適用されるキャンペーンで、なおかつ他のキャンペーンとの併用も可能でした。それがユーザーの参加モチベーションを高くする工夫となり、参加者を大きく伸ばす結果となったのです。

本来、若い女性をターゲットとしているKIREIMOですが、キャンペーンに関しては幅広い層を対象とすることで参加を促し、認知度の拡大やブランディングに成功した事例といえます。

岡山県和気町の「おじキュン」アカウント

地元の魅力を日本や世界に向けて発信するべく、「おじさん」と称される世代で結成されたユニットがPR活動を行うアカウントです。

それぞれのメンバーカラーをまとった中年男性4人組が町内の施設や観光スポットを訪れ、そこで人気の音楽に合わせて踊るという内容です。コミカルな動きや決して完成度が高いとはいえないダンス、年相応の姿が多くのユーザーにささり、話題となりました。

「おじさん」と「かわいい」という意外性のある組み合わせによってユーザーの心をつかみ、さまざまなメディアで紹介されるなど、地域活性化に大きく貢献したといえる事例です。

TikTokマーケティング活用して認知度と売上向上をしよう

TikTokマーケティング活用して認知度と売上向上をしよう

エンターテインメント性の高いSNSとしてプライベートシーンを楽しませてくれるTikTokですが、ビジネスに取り入れることで企業の可能性を大きく広げられる可能性があります。

また、TikTokを活用するマーケティングの手段として、TikTokでのライブ配信を用いて商品やサービスの販売を行う「ライブコマース」を活用する方法もおすすめです。

しかし、「自社に運用するノウハウがない」という企業も多いでしょう。自社にノウハウがなくともライブコマースをスムーズに運用したい場合は、17LIVEの伴走型ライブコマース支援サービス「HandsUP」を利用するのがおすすめです。

HandsUPでは、ライブコマースの導入と運用に際して、企業課題に寄り添ったコンサルティングを行い、提案から制作・運用までをしっかりとサポートしてもらえます。

TikTokをうまく活用し、自社の認知度向上や売上アップを目指しましょう。