ライブコマースを成功させるための理想的な進め方とやるべきこととは?

2022年2月10日

ライブコマースを始める際、ついつい短期的な成果を求めてしまう企業が多いのではないでしょうか。しかし、ライブコマースでは中長期的な視点に立ち、段階的な成長を目指すことが重要です。本記事では、ライブコマースを成功に導くための考え方や進め方、そして具体的にやるべきことを紹介します。

ライブコマースを成功させる理想的な進め方

コロナ禍による巣ごもり需要の拡大もあり、ECとライブ配信を組み合わせた販売手法であるライブコマースが注目を集めています。しかし、中国など海外に比べると、日本ではまだ本格的に取り組んでいる企業は少なく、成功のためのノウハウが蓄積されていない状態です。

そこで本記事では、ライブコマースを成功に導くための理想的な進め方や考え方を紹介します。

短期で成功する概念は捨て、段階的な成長を目指す

ライブコマースの理想的な進め方

中国では大きな成果が出ている事例もあるため、ライブコマースを導入する企業としてはすぐに結果がほしいと考えがちです。しかし、短期での成功を目指すという概念は捨てなければなりません。なぜなら、ライブコマースとはそれ単体で売上を伸ばす施策ではなく、マーケティング施策(CRM戦略)の一環として腰を据えて取り組むべきものだからです。

マーケティング施策は、長期的な視点にもとづいて戦略を立てることで初めて効果を発揮します。そのため、ライブコマースでは中長期的なスパンを前提に、段階的な成長を目指すことが大切です。具体的には、自社内で演者を確立したうえで、エンゲージメント醸成→販売力向上→売上最大化というステップを踏んでいきます。

成長の第一段階はエンゲージメント醸成

成長の第一段階として意識すべきことは、エンゲージメントの醸成、すなわちブランドと顧客との強い結び付きの構築です。たとえば、「この店員(配信者)から買いたい」「絶対に他のブランドよりもこのブランドを買いたい」といった顧客の愛着を強めるためにどうすればよいかを、しっかりと考える必要があります。

また、ライブコマースを単なるオンライン配信のツールとしてではなく、接客のツールとして捉えることも重要です。「接客をしている」という意識を常に持つことで、双方向のコミュニケーションが促され、エンゲージメント醸成につながります。

ライブコマースを成功させるためにやるべきTODO

ライブコマース成功のために具体的にやるべきことを6つ紹介します。

ライブコマースの配信環境を整備する

まず何よりも、ライブコマースの配信を快適にできる環境を整えることが重要です。安定した通信環境、カメラや照明などの機材、配信に使うスペース(部屋)などを用意した後は、テスト配信を行い配信のやり方に慣れておく必要もあります

ライブコマースと商品に適した演者を育成・選定する

次にやるべきことは、紹介する商品や、配信自体に適した出演者の育成・選定です。出演者としては、社内スタッフが適しています。商品知識が豊富で接客スキルもある社内のスタッフなら、ユーザーの疑問や質問に適切に答えられるため、満足度が高まるからです。また、同じ人物が継続的に出演することで、視聴者のスタッフに対する親近感も高まっていきます。

配信のスキルや経験があるスタッフは少ないかもしれませんが、適任者を選び、しっかりと育成することで魅力的な配信ができるようになります。

社内スタッフではなく、SNSで人気のインフルエンサーを起用する方法もあります。ただし、インフルエンサーのフォロワーの興味とブランドイメージがかけ離れていたり、インフルエンサーが商品に対して詳しくない、熱意をもっていなかったりするとうまくいきません。

こうしたことを踏まえると、ライブコマースにおいてはインフルエンサーのファンと商材がマッチするよう配慮し、インフルエンサー自身が商品を実際に使っているなど、熱意をもって紹介できる人物を起用する必要があります

ライブコマースのスタッフのモチベーションを高める環境を作る

ライブコマースは接客であるため、出演者のモチベーションは非常に重要です。モチベーションが下がってしまうと、ライブコマース自体が継続されないという結果になってしまいかねません。そのため、出演者のやる気が高まるよう、社内で称賛されたり、何らかのインセンティブが得られたりするような環境をつくり上げていくことも大切です。

集客のためのリソースを確保する

どれだけ魅力的なライブコマースの配信を行っても、視聴者がいなければ成り立ちません。そのため、効果的な集客の方法を考えておく必要があります。ポイントは、ライブコマースを視聴する理由を作ることです。たとえば、視聴者限定のオファーやクーポンを出したり、先行販売を行ったりするといった方法があります。こうした施策を考え、実行できるだけの人員や予算などのリソースを確保しておくことが重要です。

また、短期的に新規のお客様を獲得するためにはクーポンなどのオファーが効果的ですが、長期的に考えると、一度ライブコマースを観に来てくれた方とリレーションを築き、ファンを醸成することで、継続的に配信を観に来てもらえる環境を作ることも重要です。

コメントを通じユーザーとのインタラクティブなコミュニケーションを行う

エンゲージメントを醸成するためには、コメントを通じてユーザーとインタラクティブなコミュニケーションをとることが重要です。そのため、台本に固執するのではなくコメントに柔軟に対応し、こまめに拾い上げることが求められます。また、購入してくれた視聴者に対して感謝のリアクションをとることで、リピート率や満足度を高められます。

このようなインタラクティブなコミュニケーションを活性化させるうえでは、アクションのハードルを下げることが有効です。具体的には、配信の中にあらかじめアンケートを盛り込んだり、視聴者が反応しやすいクローズドクエスチョンを盛り込んだりする、といった方法があります。

ライブコマース配信後のデータ分析、PDCAで効果改善を行う

ライブコマース配信後には配信データを分析し、PDCAサイクルを回して改善を図っていく必要があります。分析の際には、視聴者数や視聴時間、コメントの割合、CVR(購入率)など、視聴者の動きに関する指標に注目することが重要です。分単位での行動分析やセグメント分析などを通じて、より効果的な施策を講じられるようになります。

データ分析のポイントについては、以下のホワイトペーパーでも詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。

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スポットではなく、継続的に実施していくことが成功のカギ!

この記事ではライブコマースにおける中長期的な視点の重要性と、成功に向けてやるべきことについて紹介しました。上記で紹介した進め方やToDoリストは、スポットで行っても効果は限定的です。継続的かつ定期的(週一回必ず配信するなど)に配信することで、徐々に効果が現れてきます。そのため、長い目で継続的に取り組める社内体制を作ることが重要です。

以下の記事では、ライブコマースを成功に導く社内体制づくりのポイントを紹介していますので、関心のある方はぜひご覧ください。

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このコラムを書いたライター
HandsUP 運営事務局
HandsUP 運営事務局
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