不動産業界でライブコマース利用が急増?利用される理由や事例について紹介

2023年11月27日

ライブ配信を活用したEC販売の有効な手段として注目されているライブコマースですが、高い販売効果も相まって、近年では不動産業界への導入も進んでいます。

しかし、不動産業界の関係者の中には、「ライブ配信と不動産販売を組み合わせてうまくいくの?」「ライブコマースを導入するメリットは何?」といった疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、不動産業界におけるライブコマースが増加している理由や、ライブコマースの導入によって得られるメリット・デメリットを紹介します。また、不動産業界でライブコマースを活用している事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

不動産業界でライブコマース活用が増加している理由とは?

不動産業界でライブコマース活用が増加している理由とは?

不動産業界がライブコマースを導入するきっかけとなったのは、新型コロナウイルス感染症拡大を懸念した行動制限からです。不動産業界は、対面接客が営業の基本であるため、感染を不安視したお客様の行動制限によって来店人数が一気に減ったことに加え、物件に関する相談や問い合わせも減少しました。

その解決策として導入されたのが、ライブコマースです。ライブコマースであれば、オンラインで映像を確認しながらリアルタイムのやり取りがおこなえます。お客様が来店することなく対面同様の接客を提供できることから、ライブコマースを導入する不動産業者が増えているのです。

また、ライブコマース自体が普及してきたことも大きな要因のひとつといえるでしょう。自宅にいながら買物ができるオンラインショッピングの利用者が増えたことにより、オンラインショッピングと相性の良いライブコマースが瞬く間に人気となりました。

ライブコマースの仕組み

ライブコマースの仕組み

ライブコマースでは、ショップ店員やインフルエンサーが配信者(ライバー)となり、ライブ配信において視聴者に商品の魅力やおすすめポイントをPRすることで、購買につなげる仕組みとなっています。

また、ライブコマースであれば、配信者と視聴者による双方向のコミュニケーションが可能です。ライブ配信中に視聴者がコメント欄に書き込んだ質問や要望に配信者が応えたり、反対に配信者からの呼びかけに視聴者がコメントで返事をしたりといったコミュニケーションがおこなえます。

実際に来店しなくても、コメント欄を活用することによって商品の気になる部分などを確認できるため、視聴者は対面でのやり取りに近い感覚で商品の購入が可能です。

不動産業者がライブコマースを利用するメリット

不動産業者がライブコマースを利用するメリット

ここでは、不動産業者がライブコマースを利用することで得られる4つのメリットを紹介します。

それぞれのメリットを理解し、不動産業界でもライブコマースを活用しましょう。

現地に行かなくても不動産を見せられる

ライブコマースを活用すれば、不動産業界では必須とされている内見をオンライン上でおこなうことができます。つまり、不動産会社と顧客双方にとって、現地で物件を見るために移動する時間と手間を省くことが可能です。

一般的に不動産の内見をする場合は、まず顧客が不動産会社に来店し、そこから担当者が同行する形で現地に向かいます。そのため、不動産会社と物件との距離が離れていたり、複数の物件を見に行ったりすると、多くの時間を要することになります。

一方で、ライブ配信による内見であれば、顧客は自宅や好きな場所で物件を確認できるため、移動にかかる時間や労力を割く必要がありません。とくに、遠方の物件を見たい場合や、忙しくて内見の時間を取りづらい場合に、ライブコマースは大きな効果を発揮するでしょう。

リアルタイムで質問してもらえる

ライブコマースにはコメント機能があるため、視聴者はリアルタイムで気軽に質問することが可能です。詳しく確認したい部分についてコメントすれば、配信者がその部分にフォーカスして紹介してくれたり、回答してくれたりします。そのため、配信中でも対面で話すような感覚で視聴者は接客を受けることができます。

また、ライブコマースでは、視聴者が多いほど、多種多様なコメントが配信者に寄せられます。例えば、「キッチンの収納部分はどうなっていますか?」「ベランダ空の景色をもっと見せてほしい!」といった、視聴者からのさまざまな質問やリクエストを受けることによって、多角的に物件を紹介することができます。

さらに、寄せられたリクエストに応えたり、質問に回答したりすることで、視聴者の視聴モチベーションの維持にもつながるでしょう。

直接のやり取りが不要

ライブコマースを採用することで、対面でのやり取りを減らせる点もメリットのひとつです。新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけに、セミナーやカウンセリングなど、それまではオフラインでおこなわれることが当たり前だったサービスも、オンラインで事足りるという認識が広まりました。

そのため顧客にとって、直接足を運んで対面でやり取りをすることにわずらわしさを感じる方も少なくありません。

ライブコマースであれば、視聴者は基本的に配信を視聴するだけなので、担当者とのやり取りによる気疲れの心配はありません。

そのため、ライブコマースは直接やり取りをすることに抵抗を覚える顧客への有効なアプローチとなり、新規顧客の獲得が期待できるでしょう。

配信者に有名人を起用できる

配信者に有名人を起用することで、より注目を集められます。知名度や人気が高い有名人であれば、大きな集客効果をもたらしてくれるでしょう。

また、有名人を起用することで、新規顧客の獲得も可能となります。有名人にはファンが多いことから、不動産に興味がなくても、有名人目当てでライブコマースを視聴してくれる可能性があります。そのため、現状引越しなどを考えていない顧客にもアプローチが可能です。

不動産業者がライブコマースを利用するデメリット

不動産業者がライブコマースを利用するデメリット

ライブコマースには多くのメリットがある一方、デメリットもあります。導入する際はメリットばかりに目を向けず、デメリットを正しく理解することが大切です。

ここでは、不動産業者がライブコマースを利用するデメリットを紹介します。

不動産の知識がある配信者を選定しなければならない

ライブコマースの配信者を選定する際は、不動産の知識がある方を起用するようにしましょう。配信者に不動産の知識がなければ、視聴者から寄せられたコメントや質問に対して的確に対応できません。そのため、配信者には不動産に関する知識が不可欠です。

また、配信者には不動産に関する知識に加え、ライブ配信に関するスキルも求められます。数多くの質問に回答しながら滞りなく配信を行わなければならないためです。

不動産に関する知識とライブ配信のスキルの両方を満たさなければならないことから、配信者の選定が難しいというデメリットがあります。

物件を直接見たい人には向かない

ライブコマースでは、配信者に要望を伝えて物件の細部まで確認することはできますが、あくまでも映像でしかありません。そのため、実際に自分の目で見たり触れたりすることを重視する方には不向きといえます。

また、「ライブコマースを視聴する時間があったら、実際に物件を見た方が早い」と考える方も一定数いるでしょう。このように、すべてのお客様のニーズをライブコマースで満たすことは難しいのです。

どちらが良い、悪いということではなく、オンラインとオフライン、つまりライブコマースと内見の両方をうまく組み合わせて、さまざまなお客様にアプローチすることが大切です。

ライブコマースが不動産業界に浸透していない

不動産業界では、ライブコマースがまだ十分に浸透していないのが現状です。そのため、お客様へライブコマースとはどういったものなのか、何ができるのかを説明するなど、周知を行うことから始めなければならない可能性があります。

また、視聴者と不動産業者双方において、ライブコマースに対する理解力が乏しいことから、ライブコマースを導入してもしばらくの間は内見の方が需要が高くなる可能性が高いです。

一方で、大手などの不動産会社では、ライブコマースをはじめとしたオンラインへの取り組みを強化する動きがみられます。今後、オンライン化がさらに加速すれば、不動産業界におけるライブコマースの需要も増えていくことでしょう。

不動産業界でライブコマースを効果的に活用している事例

不動産業界でライブコマースを効果的に活用している事例

ライブコマースがまだ一般的ではない不動産業界ですが、効果的に活用している企業もあります。いずれの企業も新型コロナウイルスの影響がきっかけとなり、ライブコマースを導入しました。まさに、ピンチをチャンスに変えた画期的な取り組みといえます。

ここでは、不動産業界でライブコマースを効果的に活用している事例を3つ紹介します。

株式会社トップ不動産開発

株式会社トップ不動産開発は、山形市に拠点を構え、山形県や宮城県を中心に賃貸管理・売買仲介事業を手掛けています。新型コロナウイルス感染症拡大によって不動産市況への影響が懸念される中、2020年の2月に池野広社長が自らスマートフォンを片手にライブ配信を始めました。

池野社長は、Facebook LiveとYouTubeで売却用物件の内見の様子を30分から1時間に渡って生配信しました。動画閲覧数を含めると、1本当たり500人から1,000人ほどの視聴者が訪れ、問い合わせの電話が多く入るほど集客効果を得ています。

実際に契約まで至った物件もあり、ライブ配信によって成功した事例といえるでしょう。

神居秒算

神居秒算は、中華圏の不動産購入希望者と日本の不動産会社をマッチングする、中華圏最大級の日本不動産情報プラットフォームです。神居秒算は、2021年よりライブコマースによる不動産売買を始めています。

ライブコマースを導入したことで、主に投資目的の中華圏の顧客に対し、有益な日本国内の不動産情報を発信することに成功しました。

神居秒算は、日本国内の15万件以上におよぶ不動産住宅情報を保有し、データベースを活用した投資価値の高い物件情報をライブ配信にて提供しています。日本語と中国語を自動で翻訳するチャット機能を備えているため、言葉の壁にストレスを感じることもありません。

ライブコマースを顧客の利便性や満足度向上にうまく結びつけている事例といえるでしょう。

不動産業界もライブコマース活用で新規顧客を開拓しよう

不動産業界もライブコマース活用で新規顧客を開拓しよう

コロナ禍をきっかけに、さまざまな業界への広がりを見せたライブコマース。不動産業界においてもライブコマースは新たな営業戦略として注目されており、導入する企業が増えています。

視聴者は、ライブ配信によって自宅にいながら物件を確認することが可能です。不動産業者と視聴者の双方にとって時間短縮につながるほか、リアルタイムでのやり取りが可能なメリットもあります。一方で、配信者には不動産知識と配信スキルが求められるため、配信者は慎重に選定しなければなりません。

17LIVEが展開する「HandsUP」では、丁寧なコンサルティングと独自のツール提供により、ライブコマースを成功へと導く伴走型ソリューションサービスを提供しています。わずか1年半で200を超えるライブコマースの導入実績があり、導入初期から本格運用に至るまで徹底してお客様のライブ配信をサポートしています。

ライブコマースの導入方法や、配信者の選定にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。