越境EC成功事例7選!軌道に乗せるポイントも紹介
IT技術が発達してきたことで、越境ECの市場規模は世界各地で大きくなっています。これから越境ECでの出店を検討している事業者の方も多いでしょう。
しかし、国内で売れているものが海外でも同じように人気があるとは限りません。また、国内では合法なことが海外では違法になるケースもあるため、越境ECでは事前の調査が欠かせません。
そこで本記事では、越境ECで成功を収めている企業の事例を7つ紹介します。実際の成功事例から、越境ECの戦略や注意点を学びましょう。
越境ECの成功事例7つ
越境ECで成功している企業の成功事例を7つ紹介します。越境ECを成功させるための戦略がしっかりと考えられているため、ぜひ参考にしてみてください。
ユニクロ
日本の代表的なアパレルブランドであるユニクロは、越境ECで成功している代表的な企業で、24の国と地域で販売をおこなっています。ユニクロの特徴は自社ECを持っており、各国でサイトを分けていることです。
自社ECの利用によって、サイトを自由にカスタマイズできるようになっており、「IQチャットサポート」という独自のサービスを導入しています。
また、地域ごとにサイトを分けて現地の言語で制作したことも、海外顧客の獲得につながっています。
多慶屋
多慶屋は、東京の御徒町に店舗を構える総合ディスカウントストアです。日本人だけではなく、外国人観光客が訪れることも多く、帰国したあとも利用してもらえるように越境ECへ参入しました。
多慶屋は日本のECモール「Buyee」内に越境ECのショップを展開しています。Buyeeは、顧客が配送料や代理購入費を負担するのが特徴で、ショップ側の負担を抑えられる点がメリットです。
さらに、多慶屋はターゲットをリピーターに絞り、店舗に訪れた顧客の会計時にECサイトのチラシを渡すという宣伝をおこなっています。これにより、大きな広告を打たずに、低コストで認知度を上げることに成功しています。
北海道お土産探検隊
北海道お土産探検隊は、新千歳空港に二つの実店舗を持つ、山ト小笠原商店の越境ECサイトです。越境ECサイトは楽天に出店しており、当初はボタン一つでサイトを自動翻訳してくれる機能で多言語化していました。
しかし、それでは不自然な翻訳になることが多く、現地の人にはわかりにくい表現であったため、英語と中国語が話せるスタッフを採用して改良に取り組んでいます。さらに、メールでの問い合わせ対応も日本人が翻訳して対応するのではなく、言葉がわかるスタッフに任せることで、顧客からの信頼を獲得しています。
SAMURAI STORE
SAMURAI STOREは、本物の甲冑を取り扱う越境ECサイトです。甲冑の単価は30万〜300万円と決して安くはありませんが、海外からは非常に人気があり、世界中のコレクターから支持されています。ニッチなジャンルではありますが、リピーターを獲得しやすい点が売上につながっている事例です。
また、越境ビジネスが注目され始めた2002年にいち早く越境ECに参入したことも、成功への大きな要因といえます。
BENTO&CO
BENTO&COは、日本の弁当箱やキッチン雑貨を取り扱う越境ECサイトです。越境ECサイトは「Shopify」で制作し、「Ship&co」で納品書や送付状などを発行することで手間をかけずに運営しています。
さらに、弁当箱だけではなく箸や風呂敷などの関連アイテムを取りそろえ、客単価を上げることに成功しているのが特徴です。
マーケティングはSNSが中心ですが、毎年おこなっている「国際弁当コンテスト」がメディアに取り上げられ、集客と日本の弁当文化のアピールにつながっています。
Tokyo Otaku Mode
Tokyo Otaku Modeは、日本のアニメや漫画に関連する商品を海外向けに取り扱っている越境ECサイトです。日本のアニメや漫画は海外でも人気がありますが、海賊版や模造品が出回っており、信頼できる販売元は多くありません。
そこでTokyo Otaku Modeは、ライセンサー・メーカーの許可の下、海外向けに販売を開始しました。販売は自社ECでおこなっていますが、Facebookや自社サイトを通して海外へオタク文化を伝える活動にも取り組んでいます。
ヤーマン
ヤーマンは、美顔器や健康機器を取り扱っている日本の企業です。中国の大手ECモールである「Tmall」に出店して越境ECに参入しており、中国の一大商業イベントである独身の日に15億円以上の売上を達成しました。
アメリカの商業イベントであるブラックフライデーのように、現地の大規模セールに商機を見出して取り組むことは越境ECにおいて非常に重要です。また、ヤーマンは越境ECによる中国市場での成功をきっかけに、中国に子会社を設立しました。現地に会社を設立したことで、さらに販路を拡大させていくでしょう。
越境ECを成功させるための5つのポイントとは
越境ECを成功させるために、押さえておきたいポイントがいくつかあります。ここでは、主なポイントを5つ解説します。
現地の需要に適した商品を販売する
越境ECを成功させるうえで欠かせないのが、販売国と商品の選定です。日本国内で人気のある商品だからといって、海外でも売れるとは限りません。国が変わると文化やトレンドが異なるため、現地のニーズは念入りに調べましょう。
欧米では漫画やアニメグッズ、和風雑貨など日本ならではのアイテムが人気ですが、近隣のアジア圏では家電や化粧品などの高品質な日用品が人気です。商品を事前に選定していない場合は、ターゲットとなる販売国のニーズをしっかりと考慮しましょう。
マーケティング施策をおこなう
越境EC用の販売サイトを作っただけでは集客は難しいため、マーケティング施策も必要です。まずは、サイトにアクセスしてもらえるように、SNSやSEOなどを活用して宣伝をおこなうとよいでしょう。
また、公式のアカウントを作成するだけではなく、現地のインフルエンサーを通じて紹介してもらうことで、より多くの人に商品を知ってもらえます。特に、画像や動画が中心のSNSは、若い世代にアピールしやすい点が特徴です。紹介文が少なくてもしっかりPRできるため、現地の言葉に不慣れでも宣伝しやすいでしょう。
現地の関税や法規制などを正しく理解する
越境ECでは、現地の関税や法律に従って商品を販売しなければなりません。国によっては販売ができない商品もあるため、現地の法規制については必ず事前に調査してください。
もし、販売禁止の商品であった場合、罰金や運営停止の処分が下されるおそれがあります。また、販売可能な商品であっても、高い関税が課せられている場合は注意が必要です。
関税は国や地域によって異なるため、トラブルが発生するケースも少なくありません。販売サイトには、利用者にもわかりやすいように法律や関税についての明記をしておきましょう。
優秀なコンサルタントや現地スタッフを配置する
越境ECを成功させるには、コンサルタントや現地スタッフの力を借りることも大切です。現地の市場に詳しい優秀なコンサルタントがいれば、より効率的に販路を拡大できるほか、無駄な業務も削減できます。
業務フローを整備して無駄のない運営をおこなうことで、利益の向上や顧客満足度の向上につながります。さらに、現地スタッフを配置すれば、利用者からの問い合わせに時差なく回答でき、トラブルにもスムーズに対応可能です。
利用しやすい決済方法を採用する
決済方法はできるだけ多くの選択肢を用意しておくことがおすすめです。もし利用者が使用したい決済方法がなかった場合、購入につながらないことも考えられます。
決済方法をあまり増やしたくない場合は、現地で信頼されている決済方法を導入しましょう。人気の決済方法も国によって異なり、欧米や韓国ではクレジットカード決済、中国ではアリペイ(支付宝)や銀聯が主流です。
さらに、決済方法については不正利用の対策も重要です。不正利用のトラブルが発生すると損失が出てしまうため、事前に対策を練っておきましょう。
越境ECを始める際の5つの方法とは
越境ECを始める主な方法は、5つあります。自社サイトの有無によっておすすめの方法が異なるため、自社に合った方法で越境ECを始めましょう。
自社サイトの越境ECへの対応
すでに自社サイトがあり越境ECを始めたい場合は、自社サイトを越境ECに対応させる方法がおすすめです。越境ECに対応させるには、EMSや決済方法の追加などのバージョンアップをしなければなりません。その際は「LaunchCart」のような越境EC対応化サービスを利用すると便利です。
また、サイトを販売国の顧客が見やすいように改修する必要もあります。すでにあるサイトを多言語化してもよいですが、ユニクロのように国や地域に合わせてサイトを分ける方法も有効です。
越境EC用の販売サイトを新しく作る
まだ自社サイトがない場合は、越境EC用の販売サイトを制作する方法もあります。サイトは自前で構築することも可能ですが、高度なプログラミング知識が必要です。
ノウハウがない場合は「Shopify」や「STORES」などのECサイト構築プラットフォームの利用を検討してみてください。これらのサービスは、越境ECに対応したサイト作りを目的としているため、専門知識や経験がなくても簡単に販売サイトを制作できます。
ただし、デザイン性や機能性にこだわりたい場合は、Web制作会社やサイト作りに特化したエンジニアへの外注がおすすめです。
越境ECに対応したモールへ出店する
自社サイトを制作するコストを抑えて越境ECを始めたい場合は、ECモールへ出店する方法もおすすめです。日本にもECモールはありますが、現地での利用者が多いECモールへ出店する方が購入者を獲得しやすくなります。
日本のECモールであれば安心して出店できる反面、海外ユーザーが少ないというデメリットがあります。一方で、現地のECモールへの出店は、現地の利用者から認知されやすい点が魅力です。日本とは運用ルールが異なるため、慣れるまでに時間はかかりますが、その分、売上アップが期待できるでしょう。
配送代行サービスを使う
自社サイトにアクセスした海外ユーザーに向けて越境ECを始めたい場合は、配送代行サービスを利用しましょう。
越境ECを始めるには、最低でも翻訳サービスと海外配送サービスの導入が必要です。本格的に参入するには物足りないものの、海外ユーザーを取りこぼさないための対応であれば十分でしょう。
これらのサービスは、越境ECに特化した代行業者に依頼することも可能です。配送だけではなく、サイトの運営や在庫管理などさまざまな業務を代行してもらえるため、必要な業務のみを依頼することでコストを抑えられます。
越境ライブ・ソーシャルコマース支援を活用する
越境ECに対応した、ライブコマース支援サービスの利用もおすすめです。海外では、国内以上にライブコマース市場が大きく、越境ECを成功させるために大きく活躍する可能性があります。
特に17LIVEが提供する「HandsUP」では、越境ECを成功させるまで伴走型の支援をおこなっているため、ECサイトの展開からライブコマースのサポートまで、綿密にサポートいたします。
また、ライブコマースをおこなうKOL(キーオピニオンリーダー:影響力の高い専門家)の紹介から、現地での販売までワンストップで支援可能です。商社や販売代理店を探すよりも、流通開始までの手間を省きやすくなります。
「越境ECに挑戦したいが、成功するか不安」「海外への販売ノウハウがないので、どこに相談すればよいかわからない」という方は、ぜひ17LIVEまでご相談ください。
越境ECの成功事例をもとに出店戦略を構築しよう
越境ECを成功させるためには、綿密な出店戦略を立てることが重要です。まずは、ターゲットとする販売国と、取り扱う商品をマッチングさせましょう。この組み合わせを間違えてしまうと、思いどおりの結果にはつながりません。また、国ごとに法規制も異なるため、下調べは念入りにおこなうようにしましょう。
ECサイトは、現地のユーザーが使いやすい環境を整えることでリピーターの獲得が期待できます。国内での運営に限界を感じている企業も、越境ECに参入して新たに販路を拡大していきましょう。