越境ECを始める際にかかる費用とは?ECモールとECサイトの利点を費用面で徹底比較

2024年8月8日

越境ECに参入する際に、「どんな費用が発生するのか」「どれくらいの費用が必要なのか」と不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

越境ECには、ECサイトの構築費用だけでなく、商品の仕入れ、発送、販促活動など、さまざまな費用が発生します。そのため、越境ECで成功するためには、事前にどのような費用がかかるのかを把握しておくことが重要です。

この記事では、越境ECを始める際に発生するさまざまな費用について詳しく紹介し、あわせて代行会社を利用するメリット・デメリットや選び方のポイントについても解説します。

越境ECを始める際にかかる各種費用

越境ECを始める際にかかる各種費用

越境ECを始める際には、主に下記のような費用がかかります。

・ECサイトの構築費用
・ECサイトの立ち上げ・運用費用
・販売商品の仕入れ費用
・商品発送と保管費用
・マーケティングや広告費用
・出品手数料と為替差損

ここでは、それぞれの費用の内容や目安となる金額について解説します。

ECサイトの構築費用

ECサイトの構築方法は主に5種類あり、かかる初期費用が異なります。それぞれの構築方法と主な内容、目安となる費用については次のとおりです。

構築方法

内容

初期費用・相場

ECモール

Amazon・楽天などを利用

0~数万円

ASP

ECサイトに必要な機能が備わっているプラットフォーム

0~数十万円

オープンソース

インターネットなどで公開されているソースコードを利用

数十万円~

ECパッケージ

運営に必要な機能がパッケージングされたもの

数百万円~

フルスクラッチ

カスタマイズ制限なしでサイトを構築

数千万円~

事業の規模に応じて、越境ECの始め方は異なります。個人や試験的に始める場合には、ECモールやASP(アプリケーションサービスプロバイダ)の利用がおすすめです。

一方、ECサイト運営である程度の利益が期待できるようになった場合や、事業規模が大きくなった場合には、オープンソースのECパッケージを利用するとよいでしょう。

ECサイトの立ち上げ・運営費用

ECサイトの構築が完了した後も、立ち上げや運営の費用がかかります。特に、運営費用は毎月や毎年発生するため、どれくらい利益に影響を与えるかを事前に予測しておくことが重要です。

立ち上げ・運営費用として挙げられる主な内容は次のとおりです。

・セキュリティ関連費
・コンテンツ制作費
・ストア利用料
・レンタルサーバー代
・ドメイン登録費
・保守・維持費
・販売手数料

販売商品を用意するためにかかる費用

越境ECを運営するうえで必要な商品にかかる費用も確認しておきましょう。商品を用意する主な方法は次のとおりです。

・他社からの仕入れ
・自社で製造

他社の商品を仕入れる場合、完成品をそのまま購入するため、仕入れ費用は単純に購入費用だけで済みます。

一方で、自社で商品を製造する場合には、材料費、設備費、人件費などの追加費用が発生します。さらに、自社に製造のための設備やノウハウが不足している場合には、製造を外部に依頼する「OEM」という方法も選択可能です。

商品の発送やストックにかかる費用

商品が売れた際には、発送費や在庫保管の管理料も必要です。また、発送時には梱包資材の費用もかかります。特に、海外発送の場合は国によって関税が発生することもあります。

顧客からの要望に迅速に対応するためには、一定量の在庫を確保しておくことが重要です。そのため、商品の種類や大きさに応じて、外部倉庫を利用するのが一般的となります。

例えば、衣料品のように常温で保存できる商品であれば、倉庫の大きさや広さを基準に選べば問題ありません。しかし、食品を扱う場合は温度調節が必要となり、そのための利用料も高くなります。

どの種類の商品をどの程度ストックするかを事前に計画し、概算を立てておきましょう。

マーケティング・広告費用

商品を多くのユーザーに広く宣伝するには、マーケティングが欠かせません。その際に必要となるのが広告費用です。

越境ECにおすすめのマーケティング方法は主に2種類あり、それぞれにかかる費用は異なります。

マーケティング方法

内容

主な費用の種類

デジタルマーケティング

・Webサイト上で商品ページへ誘導する方法
・Webページへの誘導リンクの設置や動画広告など

・広告制作費
・広告運用費
・外部委託の外注費

など

ソーシャルメディア

・SNSを利用して商品を宣伝する方法
・各SNSに商品紹介を盛り込むとともに誘導リンクを設置

・自社運営の場合は無料
・運用代行を依頼する場合は代行費が発生

ソーシャルメディアを活用したマーケティングは、広告費を抑えることができます。

ただし、効果的に運用するためには一定のノウハウが必要です。そのため、自社に十分な知識がない場合や、より効果的なプロモーションを目指す場合には、専門の運用代行業者に依頼するのもよいでしょう。

出品手数料や為替差損

越境ECのプラットフォームを利用する際には、次のような手数料も発生します。

・出金手数料
・出品手数料
・販売・売上手数料
・利用料

「出金手数料」「出品手数料」「販売・売上手数料」はその都度発生することが多く、費用を抑えたい場合は、出金や出品回数を減らすなどの対策が必要です。

さらに、越境ECでは為替差損も考慮しなければなりません。為替差損とは、外貨を日本円に換算する際に生じる差額のことです。為替レートの変動により、損失が出ることもあれば利益が出ることもあります。

例えば、アメリカのサイトで越境ECをおこなう場合、金額はすべてドルで表示されますが、最終的な売上は日本円に換算するのが一般的です。アメリカドルと日本円の為替レートは毎日変動しており、為替差損が発生する可能性があるため注意しましょう。

越境ECで徹底的に費用を抑えるならECモールの利用を検討しよう

越境ECで徹底的に費用を抑えるならECモールの利用を検討しよう

越境ECにはさまざまな方法がありますが、費用を徹底的に抑えたい場合、ECモールの利用がおすすめです。ECモールには次のようなメリットがあります。

・必要な機能が一通り備わっている
・ECモールそのものの集客力を利用できる

ECモールは独自に広告やCMをおこなっているため、マーケティングや広告費用を抑えられます。また、高い集客率が期待できるため、売上の増加も見込めるのが大きなメリットです。

ただし、各種手数料がかかる点や、ライバル店舗が多い点には注意が必要です。また、ECモールが提供する店舗ページはレイアウトが決まっていることが多く、独自性を出しにくいというデメリットもあります。

これらを考慮して、ECモールの利用を検討してみてください。

初期費用をかけてでもECサイトを構築するメリットは?

初期費用をかけてでもECサイトを構築するメリットは?

越境ECに参入する際に独自のECサイトを構築することには初期費用がかかりますが、次のようなメリットがあります。

・デザインの自由度が高い
・多数の言語に対応したサイトの構築ができる
・取り扱い商品を自由に選定できる

自社でECサイトを構築することで、レイアウトやデザインを自由に設定でき、ライバルとの差別化を図ることができます。また、さまざまな国や地域に対応した越境ECサイトを制作し、ターゲットにあわせたページ作りも可能です。

さらに、ECモールでは取り扱いが禁止されている商品も少なくありません。その点、独自に構築したECサイトであれば、取り扱う商品を自由に設定できるという大きなメリットがあります。

越境ECサイト立ち上げに代行会社を利用するメリット・デメリット

越境ECサイト立ち上げに代行会社を利用するメリット・デメリット

越境ECサイトの運営ノウハウが不足している場合、自社での構築や運営は難しく、失敗するリスクが高まります。確実に成功させるためには、代行会社に依頼することも有効です。

ここでは、越境ECサイトの立ち上げに代行会社を利用するメリットとデメリットについて解説します。

代行会社を利用するメリット

代行会社を利用する主なメリットは、次の2点です。

・越境ECサイト立ち上げに必要な人材の採用・育成が不要
・越境EC特有のトラブルにも対応可能

越境ECサイトの代行会社は、多くの企業での立ち上げや運営を経験しており、高いレベルのスキルとノウハウを持っています。これにより、豊富な実績と経験に基づく専門知識を活用できるため、新たに人材を採用・育成するための時間やコストの節約が可能です。

また、越境ECでは言語や文化の違いから国内では発生しないようなトラブルが起こる可能性があります。代行会社は関税など現地の知識も豊富であり、トラブルやリスクの回避にも大いに役立つでしょう。

代行会社を利用するデメリット

代行会社を利用する際のデメリットは、コスト面です。どの程度の作業を依頼するかによりますが、多くの業務を任せるほど費用も高くなります。

また、越境ECサイトの構築やサポートを提供する代行会社は数多く存在するため、自社に最適なサービスを提供してくれる会社を見つけるのが難しい場合もあるでしょう。

さらに、代行会社に構築や運営を委託すると、社内にノウハウが蓄積されにくいという問題もあります。

そのため、代行会社を選ぶ際には任せきりにせず、定期的に業務内容をチェックし、自社でもある程度のノウハウが蓄積できるよう工夫することが重要です。

越境EC代行会社の選び方のポイント

越境EC代行会社の選び方のポイント

越境EC代行会社によって提供しているサービスは異なります。「思っていたサービス内容と違う」といったトラブルを防ぐためにも、ポイントをおさえて自社に合う代行会社を選ぶことが大切です。

ここでは、越境EC代行会社を選ぶ際に注目したいポイントを解説します。

越境ECの実績や知識が豊富か

越境ECに取り組む際は、豊富な実績と知識を持つ代行会社を選ぶことが重要です。なぜなら、国内と海外ではECサイトに求められる情報やスタイルが異なるからです。

例えば、日本で多くのユーザーに好評なサイトデザインであっても、海外では「見づらい」「わかりにくい」といった評価を受けることがあります。そのため、越境ECの実績が豊富で、参入を考えている国のEC市場に詳しい代行会社を選ぶことが成功の鍵となるでしょう。

越境EC対象国の規制や内情などを理解しているか

越境ECを成功させるためには、対象国の規制や市場の特性を熟知している代行会社を選ぶことも重要です。国ごとに異なる規制や市場環境を理解しないまま商品やサービスを販売すると、罰金などの重い罰則を受ける可能性があります。

例えば、医薬品に関しては、日本で認可されている成分や商品が海外では規制されていることが多々あります。日本国内では問題なく販売できるものでも、他国では違法とされることがあるため、注意が必要です。

さらに、日本と海外では文化や消費者の好みが異なるため、売れ筋商品にも違いが出ます。日本であまり人気のない商品が、海外では非常に人気を集めることもあるのです。そのため、対象国でどのような商品が売れるのかを把握している代行会社を選ぶことで、越境ECの成功率が高まります。

自社が求める要素と制作会社の強みがあっているか

代行会社が提供するサービスはそれぞれ異なるため、自社が求めるニーズに合ったサービスを提供しているかを確認することが重要です。

例えば、複数の国で越境ECを展開する場合、一つの言語にしか対応していない代行会社では十分とはいえません。言語ごとに別々のサイトを構築するのには手間と費用がかかります。このような場合、多言語対応のサービスを提供している代行会社を選ぶと、スムーズに運営できるでしょう。

代行会社の公式サイトには提供しているサービスの概要が記載されていますが、詳細を知るためには直接問い合わせて確認することをおすすめします。

越境ECをおこなう際は必要な費用も知っておこう

越境ECをおこなう際は必要な費用も知っておこう

越境ECを運営する際は、国内のECサイトとは異なり、言語や文化の違いによるリスクや規制を考慮する必要があります。安全かつスムーズに越境ECを進めるためには、代行会社への依頼も一つの選択肢です。

17LIVEでは、越境ECを検討中の企業向けに、販売から物流までのすべてのプロセスをサポートする越境ソーシャルコマース支援を提供しています。相談や見積もりは無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。