ECサイトにおけるLTVの基礎知識と最大化のポイント

2021年10月20日

新型コロナウイルス感染拡大の影響から、外出自粛やECの利用が呼びかけられていることで、ECのニーズが拡大しています。競争が激化するEC市場において新規顧客の獲得コストは上昇の一途を辿っており、既存顧客のLTVの向上も同時並行で行う必要があります。本記事ではLTVを最大化するためのポイントについて解説します。

LTVとは?

EC事業者が売上をアップするための重要な要素としてLTV向上があります。LTVとは、「Lifetime Value」の頭文字をとった言葉で、日本語だと顧客生涯価値と訳すことができます。
ECビジネスにおいては、サイト上で商品を購入したお客さまが、将来の購入含め、その企業にもたらす利益の総額を指しています。

ECサイトにおけるLTVの計算方法

LTVの計算方法には大きく分けて3種類ありますが、一般的なのは、特定期間の売上と新規購入者を元にした以下の計算式です。

・LTV = 売上 ÷ 新規購入者

上記の計算式以外にも、既存顧客全体の平均購入単価と平均購入回数をもとにした計算式や1人の顧客の年間取引額と継続年数をもとにした計算式もあります。

・LTV=全顧客の平均購入単価 × 平均購入回数
・LTV=1顧客の年間取引額 × 1顧客の継続年数

なお、平均単価・平均購入回数を使用する場合、数値は平均値となるため、単価や回数に偏りが出ている可能性もあるため注意が必要です。

LTVはなぜ重要なのか

LTVが重要だとされている背景の1つが、企業間の競争が激化したことによって、新規顧客獲得のコストが増加していることです。
新規顧客を獲得しようとした場合、既存顧客との関係性を維持して同じ利益をえるよりも5倍のコストがかかるとされています。そのため、新規顧客を獲得するよりも、既存顧客との良好な関係性を長年に渡って維持し続ける方が、収益性が高まると考えられます。だからこそ、顧客維持の指標となるLTVが重要視されています。
上記の理由以外にも、企業が高効率化や収益向上をこれまでよりもスピーディーに実現しようとしていることも、LTVが注目を集める理由となっています。

LTVを最大化させるポイント

ここでは、LTVを最大化させるためのポイントを3つ紹介します。いかに顧客との関係性を維持しつつ、売上を確保していくのか、参考にしてください。

購買単価を上げる

LTVを高めていくポイントの1つが購買単価をあげることです。購買単価を上げる場合、商品価格を上げることを思い浮かべるかもしれませんが、方法はそれだけではありません。
例えば、アップセルやクロスセルといった戦略は購買単価を上げる際に役立ちます。
アップセルとは、お客さまが購入を検討している商品やサービスよりもより高額な商品を選んでもらうための戦略のことです。具体例としては、松・竹・梅といったように価格バリエーションをいくつか用意することなどが挙げられます。
また、クロスセルとは、お客さまが購入した商品やサービスに関連する商品を一緒に販売することで、購買単価を上げる戦略のことです。

このような、アップセル、クロスセルに基づいた戦略を立てることに加え、顧客ロイヤリティを高めることで購買単価を上げることもできます。

購買頻度を高める

購買単価を上げるだけでなく、購買頻度やリピート率を高めることでもLTVを最大化させることが可能です。
例えば、お客さまが購入した商品を買い替える時期が訪れたときに、電話やメールでコンタクトを取り、買い替えの営業をかけることで、次の購買につなげることができると推測できます。

契約期間を延ばす

契約期間が定められている商品やサービスの場合、契約期間を伸ばすことも大切です。
例えば、動画は新サービスなどで見られるサブスクリプションや、単品通販の定期コースなどには、最低契約期間が設けられているケースが少なくありません。最低契約期間があることで、企業はこの期間中は確実に売上を確保することができます。しかし、ただ単に最低契約期間を設定し、契約期間を伸ばそうとすることは望ましくありません。あくまでも、お客さま自信が継続して使いたいと思えるような商品やサービスであることが重要です。

LTVの最大化には顧客ロイヤリティの醸成が重要

先ほども少し触れていますが、LTVの最大化には顧客ロイヤリティを醸成することも重要です。ここでは、なぜ顧客ロイヤリティが重要なのか、またいかにして醸成すればいいのか解説します。

なぜ顧客ロイヤリティの醸成がLTV向上につながるのか

顧客ロイヤリティを醸成することがLTVの向上につながる理由は、LTVを構成する変数が顧客ロイヤリティと密接な関係にあるためです。
LTVは、「客単価」、「購入頻度」、「継続購入期間」という3つの変数によって構成されていますが、これらは、顧客が商品やサービスに対して抱く信頼感や愛着、つまり顧客ロイヤリティの醸成に大きく影響します。

両者は密接な関係にあるため、顧客ロイヤリティを高めようと努めれば結果的に、LTVも高まっていくという仕組みになっています。

顧客ロイヤリティを高める方法として注目されるライブコマース

顧客ロイヤリティを高める方法にはさまざまなものがありますが、ここではその方法の1つであり、近年注目を集めているライブコマースを紹介します。

ライブコマースが顧客ロイヤリティ向上につながる理由として挙げられるのが、リアルタイムでの疑問と課題の解決ができることです。ECで商品を購入しようとした場合、これまでは疑問点があると公式サイトや口コミなどを確認しなければなりませんでした。しかし、ライブコマースであれば、配信者に質問できるため、リアルタイムで疑問解決が可能となり、商品の購入や顧客満足度の向上につなげやすくなります。

また、ライブコマースは、「単なる買いもの」で終わらない 「コトづくり」のショッピング体験をできる点も大きな特徴です。視聴者は、ただ商品をチェックして購入するのではなく、配信者のトークや配信者と視聴者のコミュニケーションを楽しむことができます。そのため、視聴者はライブコマースをただの買い物ではなく、1つの体験として捉えてもらうことができます。こうした体験は、企業やブランドに対する愛着にもつながるため、顧客ロイヤリティ向上に繋がります。

そのほかにもライブコマースでは、コミュニケーションの共有も可能です。視聴者は、企業や配信者、さらには視聴者同士など、あらゆる人と双方向のコミュニケーションを取ることができるため、コミュニティが形成され、商品やブランドへの愛着が生まれやすくなります。

このように、ライブコマースはただ商品を売るのではなく、顧客ロイヤリティの向上にも活用できる手法です。LTVを最大化させたい企業の担当者は、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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このコラムを書いたライター
HandsUP 運営事務局
HandsUP 運営事務局
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