越境ECサービスの選び方!失敗しないためのポイントも解説

2024年8月30日

インターネットの発展と普及によって、新たなビジネスモデルとして注目されている越境EC。この越境ECを有利に展開するためにはどのようなサービスを選んだらよいのか、選択に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、越境EC展開のためのプラットフォームの種類や、越境ECサービスを利用することで得られるメリット、注意すべきデメリットについて解説します。また、越境ECサービスを選ぶうえで重視すべきポイントについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

越境ECサービスとは

越境ECサービスとは

インターネットを活用し、オンライン店舗を通して海外で電子商取引をおこなうことを一般的に越境ECと呼びます。越境ECサービスとは、この越境ECを効率よくおこなうためのツールやプラットフォームを提供するサービスのことです。

越境ECでは、異なる通貨での取引や言葉の違いによる翻訳、国ごとに税金や規制が違うといった課題があります。

そのため、越境ECの対象国の規制や特色を十分考慮したうえで、自社に合った越境ECサービスを選択することが重要です。また、自社商品と越境ECサービスとの相性にも左右されるため、自社商品とマッチしたプラットフォームを選定する必要があります。

越境ECサービスの種類

越境ECサービスの種類

越境ECサービスには、「自社EC型」と「モール型」の2種類があります。それぞれにメリットとデメリットがあるので、両者の特徴と違いを理解しておきましょう。

自社EC型

自社EC型とは、インターネット上で独自ドメインを取得し、自社でECサイトを運営する形態のことを指します。

自社EC型は、サイトデザインや機能を自由にカスタマイズできるため、自由度の高い独自のネットショップを構築できることがメリットです。また、出店料や販売手数料がかからないため、モール型よりも販売コストを抑えられます。

しかし、自社ブランドのブランディングにつなげやすく販売コストを抑えられる一方、運営当初は集客力不足を補うためのマーケティング活動が欠かせません。また、多言語対応や多通貨設定も自社でおこなう必要があるため、一定の知識と労力が求められます。

サイト運営の手間をかけても、自社独自のネットショップを構築したい方におすすめです。

ECモール型

ECモール型とは、インターネット上に作られた一つの大きなネットショップに複数のショップが集まっている、いわばショッピングモールのような形態のサイトを指します。国内で展開しているサービスでは、楽天市場やAmazonがその例です。

ECモール型のメリットは、サイトの認知度が高いことから集客力に優れている点や、サイト構築の手間が省ける点です。集客力がある程度担保されているため、品質がよく市場にマッチした商品であれば、売上を伸ばすことができるでしょう。さらに、多言語対応や多通貨設定をする必要がなく、販売に集中できるメリットもあります。

しかし、多くの競合が出店・出品しているため競争が激しく、出店費用や販売手数料といったコスト負担が生じます。ECサイトの構築に手間をかけたくない方や、集客力に魅力を感じる方におすすめです。

越境ECサービスを利用するメリット

越境ECサービスを利用するメリット

ここでは、越境ECサービスを利用することで得られる3つのメリットを解説します。

海外のユーザーを獲得できる

越境ECサービスを利用する最大ともいうべきメリットは、海外のユーザーを獲得できる点です。

日本国内の需要は限られているため、ある程度の認知度がある状態だと新規ユーザーの獲得が難しくなります。一方で、越境ECサービスを利用することで、未開拓の需要増加が見込まれる地域へのアプローチが可能となります。

海外のユーザーに対して製品やサービスを提供できれば、豊富な人口を抱える市場の後押しによってビジネスを急成長させられる可能性があるでしょう。

世界中のユーザーが顧客となり得る可能性を秘めており、効果的なマーケティング活動を展開することでさまざまな国や地域の市場を開拓することもできます。

低コストで海外へのビジネス展開ができる

越境ECは、現地に実店舗を構えることなく海外展開ができることから、コストを抑えたビジネス展開が可能です。

実店舗を構える場合では、現地に販売拠点を設けて日本から商品を運び、スタッフを雇用して販売するといった事前準備が欠かせないため、大きなコストがかかります。

その点、越境ECではそこにかかる労力が必要なく、さらに開店前のトラブル回避や実店舗の維持管理費用が不要になるなど、さまざまなメリットがあります。

低コストかつ短期間で海外ビジネス展開へのチャレンジができることは、越境ECに挑戦することで得られるメリットです。さらに、越境ECサービスを利用することで、翻訳や現地の支払方法の導入ができ、言葉の壁や通貨の課題もクリアできることから、より手軽に越境ECを始めることができるでしょう。

日本製品に魅力を感じるユーザーがいる

日本の製品は、高品質で信頼性が高いという認識があり、海外では「Made in Japan」ブランドが高い評価を受けています。人気を集める商品ジャンルも多種多彩で、日用品やお菓子などの食料品、雑貨や家電まで幅広い日本製品を好むユーザーがいます。

特に、日本への関心が高いアメリカやヨーロッパ諸国、アジア圏には日本製品に魅力を感じるユーザーが多く、越境ECの市場としてもおすすめです。

また、アニメやマンガ関連の商品や、日本の伝統文化である「和」に関連する商品は、他の国にはない独自性が高いため、海外ユーザーからの支持を集めています。

越境ECサービスを利用するデメリット

越境ECサービスを利用するデメリット

メリットが大きい越境ECサービスですが、一方でデメリットもあります。しかし、適切な対策を実施すればデメリットを最小限に抑えることができるでしょう。

ここでは、対策を講じるべきデメリットについて解説します。

輸送コストが高い

越境ECでは、輸送距離が長くなるため日本国内のECと比較して輸送コストが割高になることがデメリットです。

また、輸送日数もより多くかかることから、商品の紛失リスクや破損リスクもあります。そのため、輸送先の国ごとに輸送コストを把握しつつ、商品の流れを常に追跡したり輸送中における損傷が起こりにくい梱包にしたりするなどの対策が必要です。

また、越境ECをおこなう際には関税がかかります。国や取り扱う商品によって関税が異なるため、自社が取引したい国では自社商品にどれぐらいの関税がかかるのかを事前に把握しておきましょう。

国や地域ごとに異なる対応が必要

国や地域によって販売に関する法律や規制が異なるため、日本とは違う対応をしなければならないこともデメリットです。

例えば、EUで独自に設定している個人情報保護に関する制度であるGDPR(ECデータ保護一般規則)では、個人データの取扱を規制しています。GDPRに違反した場合は、EUから高額の制裁金を科される可能性があります。

他にも化粧品や食品など、特定の商品は国ごとに輸入が規制されているケースがあるため、規制品ではないか確認したうえで、適切な対応を取らなければなりません。

また、仮に法律や規制をクリアできたとしても、国ごとに文化や嗜好が異なるため、それぞれマーケティングや販売戦略を立てる必要があるでしょう。

トラブルを防ぐ対策が必要

越境ECでは、トラブル対策を講じることによる負担が増えるというデメリットもあります。越境ECでのトラブルは、国内で発生したトラブルよりも解決が難しいため、トラブルに発展しないよう事前の対策が重要です。

例えば、現地の言葉で商品説明をおこなう際には、現地文化になじむ自然な翻訳サービスを導入したり、複数言語でのカスタマーサポート体制を整えたりすることでトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

また、海外で発行されたクレジットカードの不正利用によるトラブルの報告も数多く報告されています。国内ではめったに起こらないような想定外のトラブルに遭遇する可能性もあるので、柔軟な対応力が求められます。

越境ECサービスの選定ポイント

越境ECサービスの選定ポイント

越境ECサービスを選ぶうえで重要なのは、商品との相性を見極めることです。ここでは、越境ECサービスを選定する際のポイントを3つ解説します。

商品に適したサービスを選択する

ECモール型の越境ECプラットフォームには、それぞれのプラットフォームごとに独自の強みがあります。そのため、それぞれのプラットフォームの強みを把握したうえで、商品の特性や特徴と噛み合っているプラットフォームを選択することが大切です。

例えば、アメリカEC市場でトップシェアを誇るAmazonではあらゆる商品を出品できますが、取り扱う商品やカテゴリーが多すぎるため、ブランディングは難しい側面があります。

一方、衣類やアクセサリーに特化したECプラットフォームのように、限られたカテゴリーのみを扱うケースであれば、ユーザー数には劣るもののカテゴリーに関心の高いユーザーが集まりやすく、自社の製品と親和性が高い可能性があります。

ターゲット市場との親和性を意識し、商品に適したサービスを選択しましょう。

利用料金を比較する

越境ECサービスでは、プラットフォームの利用料が発生します。利用料には商品を出品するために支払う初期費用の出店料や、実際に商品が売れた際に支払う販売手数料、プラットフォームが提供するサービスや機能を利用するために支払う管理料があります。

利用料金は、プラットフォームによって異なります。そのため、利用料を含めた運営費にどの程度の予算をかけられるのかを考慮したうえで選定するようにしましょう。

ただし、利用料金を重視しすぎた結果、親和性に乏しいプラットフォームを選んでしまっては本末転倒になるので、バランスの見極めが大切です。

競合商品の成功例の有無をチェックする

どのプラットフォームを選ぶべきか迷ったときは、競合商品の出品数や評価数の多さを基準にすることもおすすめです。なぜなら、同じプラットフォームに競合商品が多いと相乗効果を狙いやすいからです。

出品数や評価数の多いプラットフォームは、それだけ需要が多いことの裏付けでもあるため、同様の商品を販売する際の親和性を測る指数にもなります。

また、競合商品の成功例は、自社商品の販売戦略やアプローチ手法のヒントとして活用できます。商品の差別化やブランディングによってプラットフォームを活性化できれば、プラットフォーム全体の需要を底上げすることもできるでしょう。

越境ECやバリューコマースの展開にはHandsUPがおすすめ

越境ECやバリューコマースの展開にはHandsUPがおすすめ

HandsUPは、17LIVEが提供する伴走型ソリューションサービスです。ライブ配信を通じてEC販売を行うライブコマースに特化しており、動画配信を利用した効果的な越境ECをサポートします。

月額9.8万円から始められ、専属のKOLが1,300人以上在籍しており、年間取引額500億円を超えるKOLコミュニティーへ販売依頼が可能です。商材に合わせた精度の高いKOLをアサインし、商品情報の登録のみで全てのオペレーションを国内発送で完結できるため、越境ECの課題を効率的に解決します。

従来のECにありがちな集客の難しさや、EC事業を安定させるためのリピーター獲得といった課題を解決する一つの選択肢として、ぜひHandsUPの活用をご検討ください。

HandsUPの詳細を確認する

越境ECサービスは商品に適した選択が大切

越境ECサービスは商品に適した選択が大切

越境ECには、カスタマイズ性に富んだネットショップを構築できる自社EC型と、集客力に優れたECモール型の2種類があり、自らの販売戦略と合致したタイプを選ぶことが大切です。

越境ECサービスを利用することでリスクとコストを抑えて海外へのビジネス展開ができるメリットがある反面、文化や言語の違いによる対応やトラブル対策が必要となります。

自社商品に適した越境ECサービスを選択できるかどうかが、失敗しないためのポイントです。自社商品とプラットフォームの相性を見極めたうえで選ぶようにしましょう。