越境ECに有効なマーケティング戦略とは?成功のためのポイントや成功事例も解説
越境ECを成功させるためには、効果的なマーケティング戦略を見極めることが欠かせません。
本記事では、越境ECのマーケティングにおいて有効な戦略や成功のポイントをわかりやすく紹介します。あわせて成功事例も紹介しているので、参考にしてみてください。
越境ECに効果的なマーケティング戦略一覧
数あるマーケティング戦略の中でも、越境ECには次の戦略が効果的です。
・コンテンツマーケティング
・バイラルマーケティング
・インフルエンサーマーケティング
・UI・UXデザインの設計
・広告の活用
それぞれのマーケティング戦略について解説します。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、顧客に役立つ情報を提供することで自社の商品やサービスのファンになってもらい、最終的に購入につなげるマーケティング手法です。
この手法では、潜在顧客が興味を持ちやすいコンテンツを制作し発信することで接点をつくり、信頼関係を築きます。その結果、商品やサービスの価値を認識してもらい、購買行動を促すことができます。成功の鍵は、顧客が関心を持つコンテンツを制作し、それを適切な媒体で発信することです。
コンテンツの発信方法には、動画、記事、書籍、メールマガジン、Webサービス、セミナーなどがあります。
バイラルマーケティング
バイラルマーケティングは、口コミを通じて多くの人に情報を広めるマーケティング手法です。「バイラル(Viral)」とは、「ウイルスのように素早く広がる」という意味で、情報が短期間で広範囲に伝わることを指します。このマーケティング手法の特徴は、商品やサービスを利用した顧客が、その感想を他の人と共有したいという心理を活用する点です。顧客が自発的にSNSなどを利用して商品やサービスについて情報を拡散することで、新たな潜在顧客の購買行動を促進します。
バイラルマーケティングを成功させるためには、企業や店舗からの介入を最小限に抑え、情報が自然に拡散するよう促すことが重要です。友人や知り合いからの情報は信頼性が高く、信憑性もあると感じられやすいため、顧客の信頼を得やすくなります。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、InstagramやX(旧Twitter)、YouTubeなどのソーシャルメディアで大きな影響力を持つインフルエンサーに商品やサービスを紹介してもらうことで、認知度を高めたり、顧客の行動を促したりするマーケティング手法です。
インフルエンサーが商品やサービスを紹介することで、消費者にとって身近で信頼できる情報を提供できます。そのため共感を得やすく、認知度や購買意欲の向上に効果的です。
また、インフルエンサーマーケティングの一つの手法として、ライブコマースがあります。これは、インターネット上に配信するライブ動画を通じて、配信者と視聴者がリアルタイムでやり取りしながら商品を販売する方法です。17LIVEが提供するHandsUPというライブコマースサービスは、越境EC(国際的なオンライン取引)にも対応しています。
HandsUPでは、現地のライブ配信者を紹介したり、商品の流通をサポートしたり、決済手段の導入を支援したりするなど、越境ECに必要なサポートを総合的に提供します。越境ECに挑戦しようと考えている方は、ぜひHandsUPの利用を検討してみてください。
UI・UXデザインの設計
マーケティング戦略の一環として、利用しやすいUI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)を備えたECサイトをデザインすることも非常に重要です。UIは顧客と製品・サービスをつなぐ接点を指し、顧客が目にするすべての要素がUIに含まれます。具体的には、ECサイトに表示される画像、文字、ボタンなどです。
一方、UXは製品やサービスを利用することで得られる体験全体を指します。例えば、ECサイトの場合、「欲しいものを簡単に見つけられる」「他のサイトよりも使いやすい」「カスタマーサポートが充実している」と感じる体験がUXです。
特に越境ECサイトを設計する際には、商品の探しやすさやサイトの利便性に加え、商品の詳細な説明や多言語対応などを考慮することが重要となります。これらの要素を取り入れることで、他国の顧客にも利用しやすいサイトを構築することができます。
広告の活用
越境ECに取り組む際、進出先の国に適した広告チャネルを活用することも重要です。
広告チャネルとは、顧客を集めるための媒体や流入経路のことを指します。具体的には、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、屋外広告、チラシ、インターネットなどです。
海外だと、日本ではあまり利用されていない広告チャネルが活発に利用されていることがあります。そのため、進出先の国で一般的に利用されているチャネルを事前に調査し、そのチャネルを利用して越境ECサイトの広告を展開することが重要です。
越境ECのマーケティングで成功するためのポイント
では、越境ECを成功させるにはどのような点に注意すればよいのでしょうか。ここでは、成功のポイントを4つ紹介します。
検索順位を上げるためにSEO対策をおこなう
越境ECで成功するためには、SEO(検索エンジン最適化)が不可欠です。SEO対策をおこなうことで、自社の越境ECサイトが検索エンジンの上位に表示され、安定的に顧客が流入する状態を維持できます。
そのためにはまず、顧客にとって価値のある情報を提供し、サイトの信頼性を高めることが重要です。次に、ページの内容が一目でわかるように、明確で関連性の高いタイトルや見出しを設置しましょう。
また、商品やサービスに関連するキーワードを効果的に盛り込み、検索エンジンに認識されやすくすることも重要です。検索エンジンのアルゴリズムは頻繁に変更されるため、定期的にSEO対策を見直し、最新のトレンドやアルゴリズムの変化に対応する必要もあります。
さらに、越境ECサイトを展開する際には、商品ページもSEO対策をおこなわなければいけません。顧客が検索で自社の商品を見つけやすくするために、各ページに適切なタイトルを付け、商品名や特徴をわかりやすく含めましょう。
また、商品説明文を充実させ、商品の魅力を伝えるとともに、関連するキーワードをバランスよく配置することも大切です。これらの対策を実施することで、越境ECサイトの検索順位を向上させ、より多くの顧客を引き寄せることが可能になります。
コンテンツ戦略はクロスカルチャーをコンセプトとしておこなう
コンテンツ戦略では、クロスカルチャーをコンセプトにすることも重要です。そのためには、参入する国の言語や文化に合わせたコンテンツを準備することが成功の鍵となります。
まず、参入国の言語に翻訳し、現地の文化や慣習に合った表現を使うように意識しましょう。さらに、現地のデザイントレンドやユーザーの好みに合わせたサイトデザインを採用し、参入国のニーズやトレンドを反映した商品説明文を作成することが求められます。
また、国ごとに異なる主要な決済方法を調査し、その国でよく利用される方法を採用することも重要です。日本国内で人気のある商品が海外でも同じように需要があるとは限らないため、参入国で自社の商品やサービスに需要があるかを事前に調査するようにしましょう。
SNSを活用して海外の顧客にターゲティングをする
多くのSNSは国際的に広く利用されています。例えば、X(旧Twitter)はアメリカで非常に人気があり、韓国ではカカオトークが人気です。これらの国際的なプラットフォームを活用することで、海外市場へのプロモーションを効果的におこなうことができます。
自社のブランドや商品がまだ認知されていない国でも、SNSを通じて新規顧客を獲得しやすくなるでしょう。SNSを活用したプロモーションでは、対象国の言語や文化に合わせたコンテンツを提供することが重要です。
国際市場でのカスタマージャーニーを重視する
越境ECにおいて、顧客が商品を知ってから購入するまでのプロセス、つまりカスタマージャーニーをスムーズにすることも重要です。
購入までのカスタマージャーニーには、次のステップがあります。
・情報収集
・信頼構築
・購入決定
・サポート
これらのステップを円滑に進めるために、カスタマージャーニーを重視しましょう。まず、顧客が情報収集をおこなう際に、自社の商品を知ってもらうためのプロモーション活動をおこないます。次に、顧客が商品に価値を感じられるように、品質や信頼性を強調し、信頼関係を構築します。
さらに、顧客がスムーズに購入できる環境を整え、購入後もサポートを提供することが大切です。
越境ECマーケティングの成功事例3選
越境ECマーケティングの成功事例は複数存在します。成功事例から成功のポイントを見つけ、自社の戦略に活かしてみましょう。
ヤーマン株式会社
ヤーマン株式会社は1978年に設立され、美容・健康機器の研究開発、製造、輸出入販売をおこなっています。また、化粧品や先端電子機器の輸入販売、生活雑貨の販売も手掛けている企業です。
同社は中国のECサイト「Tmall」にて、皮膚科医やインフルエンサーを起用したライブ配信を定期的に実施しています。この取り組みにより、Tmall内の電子美容機器部門で6年連続販売実績と売上シェア1位を達成しました。さらに、中国の「独身の日」(11月11日)では、5年連続で1日の販売実績が1億人民元を超えています。
タビオ株式会社
タビオ株式会社は、1968年に創業し、1977年に設立された企業で、靴下の企画・製造および販売をおこなっています。「靴下屋」や「Tabio」などのチェーン店を展開している企業です。
タビオ株式会社は、アメリカのホリデーシーズンにおける売上拡大を目指し、コンテンツマーケティング戦略を実施して成功を収めました。成功の背景には、次の取り組みが挙げられます。
・ブランドの価値観やストーリーを伝えるコンテンツの強化
・メールマガジンを通じた既存顧客のサポート
・Instagramを活用した見込み顧客の獲得
・オフラインイベントの実施
これらの施策により、タビオはホリデーシーズンの売上を効果的に伸ばすことができました。
株式会社多慶屋
多慶屋(たけや)は、1951年に設立された企業で、食品・酒類・日用雑貨・化粧品などを総合的に販売しています。1947年の創業以来、訪日外国人旅行者に人気のディスカウントショップを運営しています。
多慶屋が訪日外国人旅行者に人気を得た理由の一つは、多言語対応です。店内の商品棚のポップやフロアガイドは多言語で表記されており、商品バーコードを読み取ると多言語で商品説明が確認できるタブレットも設置されています。
さらに、特に利用の多いタイ人と中国人のお客様に対応できるスタッフを採用しているのも特徴です。これにより、日本語に不慣れな訪日外国人旅行者でも安心して買い物を楽しむことができます。
また、訪日外国人旅行者が帰国後にもう一度商品を購入できるように、越境ECサイトへの誘導チラシも配布しています。
越境ECのマーケティングでは効果的な戦略を複数組み合わせよう
越境ECの成功には、複数のマーケティング戦略を組み合わせることが重要です。例えば、コンテンツマーケティングやインフルエンサーマーケティングなどがあるので、自社に合った方法を選びましょう。また、SEO対策やターゲット国の言語や文化に適応することも必要です。
予算や導入のしやすさも考慮し、複数のプロモーション方法を検討して組み合わせることで、効果的な海外展開を実現できます。
さらに、越境ECにおいてライブコマースの活用も非常に効果的です。17LIVEは、越境ソーシャルコマースの支援をおこなっており、販売から物流、決済までの工程をワンストップでサポートします。越境ECを検討している企業は、ぜひ17LIVEにご相談ください。