越境ECで検討したいカート6選!選定ポイントや価格も紹介
越境EC事業を始める際、ショッピングカートの選択は欠かせません。ショッピングカートにはさまざまな種類があり、取り扱う商品や販売する国に応じて適したものを選ぶ必要があります。
しかし、どのようにして越境ECに適したショッピングカートを選べばよいのか、迷われる方も多いでしょう。
そこで本記事では、ショッピングカートの種類やそれぞれの特徴、選ぶ際の注意点について詳しく解説します。
越境ECのショッピングカートとは?
越境ECのショッピングカートとは、海外のユーザーがECサイト上で商品をカートに入れ、そのまま購入手続きを進められるオンラインサービスです。
この機能により、海外のユーザーが簡単に商品を購入でき、注文処理や支払いが自動でおこなわれるため、販売者側も効率よく商品を提供できます。
越境ECでは世界中のさまざまな国からユーザーが訪れるため、対応する国ごとの言語や通貨、決済方法に対応したショッピングカートの導入が大切です。
越境ECのショッピングカートの種類
越境ECで利用できるショッピングカートには、大きく分けて4つのタイプがあります。ここでは、それぞれのタイプの特徴を説明します。
国内向けASPカートの越境対応
国内向けASPカートの越境対応とは、国内向けのショッピングカートに多言語対応や複数通貨決済の機能を追加し、海外のユーザーにも対応できるようにする方法です。
この方法では、既存のショッピングカートをそのまま活用できるため、ゼロから新しいECサイトを構築するよりもコストを抑えられます。さらに、導入が簡単であるため、短期間で越境ECの事業をスタートできる点がメリットです。
ただし、標準機能には限界があり、特定の決済方法や物流サービスとの連携など、細かいカスタマイズが難しい場合もあります。
そのため、国内向けASPカートの越境対応は、海外向けに本格的なECサイトを構築するというよりも、日本国内に滞在している外国人に向けた簡易的なEC運営に適しているといえます。
越境EC専用カート
越境EC専用カートとは、海外向けに特化したショッピングカートシステムです。多言語対応や多通貨対応が可能で、クレジットカードやデジタル決済など、さまざまな決済方法に対応しています。そのため、海外ユーザーにとっても直感的で利用しやすい設計となっています。
さらに、各国の文化や法規制に合わせたカスタマイズが可能で、現地の規制を遵守しながらサイトを運営できます。
管理画面も多言語対応しているため、現地スタッフも簡単に操作でき、複数の国や地域での運営が問題なくおこなえるでしょう。
越境ECを積極的に進めたい企業にとっては、この専用カートは非常に有効な選択肢です。しかし、他のカートシステムに比べて初期費用や運用コストが高くなる可能性があるため、導入前には慎重な検討が必要です。
特定の国向けに開発された越境ECカート
特定の国や地域、例えば英語圏や中国語圏向けに特化して開発された越境ECカートは、対応する言語が英語や中国語に限られます。しかし、対象国の通貨や主要な決済方法に対応しており、消費者の購買習慣やマーケットトレンドに合った機能が備わっているのが特徴です。
そのため、あらかじめターゲットとする国や地域を明確にし、その市場に向けて越境ECを展開する場合に効果的なECカートといえます。
ただし、このECカートは特定の国や地域向けに設計されているため、将来的に他の国や地域へ事業を拡大することを想定している場合には、その対応範囲を慎重に確認する必要があります。
各国のECモール
越境ECを始める際には、各国のECモールに出店することが有力な選択肢のひとつです。この方法では、自社サイトで越境EC専用のショッピングカートを用意する必要がないため、初期投資を抑え、比較的簡単に越境ECをスタートできます。
特に中国では、急速に成長しているEC市場に対応するために、ECモールを活用するのが効果的です。
さらに、大手のECモールは多くのユーザーを抱えているため、集客力が高いという大きなメリットもあります。
ただし、ECモールへの出店は参入しやすい反面、サイトのデザイン自由度が低く、他社製品との差別化が難しいといった課題もあります。
【タイプ別】ショッピングカートの特徴
ショッピングカートには、用途や目的に応じて使い分けられる4つのタイプがあります。それぞれの特徴をしっかり理解しておくことで、自社に合ったカートを選ぶことができます。
ここでは、4つのショッピングカートタイプの特徴について解説します。
ASP型ショッピングカート
ASP型ショッピングカートは、ECサイト運営に必要なシステムをクラウド上で提供するサービスです。
サーバーを自分で用意する必要がなく、専門的な知識がなくても、簡単に導入できるのが特徴です。さらに、ECサイトに必要な基本機能が標準で搭載されており、申し込みを完了すればすぐにECサイト運営をスタートできます。
システムのアップデートやメンテナンスも自動でおこなわれるため、管理の手間が大幅に軽減されるのも大きなメリットです。
また、初期費用や運用コストが抑えられる点も魅力です。機能が一部制限されるものの、無料で利用できるサービスもあるため、費用をかけずにECサイトを始めたい個人や小規模事業者に適しています。
ただし、サービスの終了やシステムトラブルが発生するとサイト運営ができなくなるリスクがあります。また、カスタマイズ性が低いため、独自の機能を追加することが難しい点もデメリットです。
クラウド型ショッピングカート
クラウド型ショッピングカートは、ECサイト運営に必要なシステムをインターネットを通じて提供するサービスで、ASP型と同じような仕組みです。しかし、クラウド型はカスタマイズの自由度が高い製品が多いという特徴があります。
ASP型ショッピングカートはカスタマイズの制限が多いため、他のサイトと似たデザインになりやすいことがあります。一方、クラウド型は柔軟にデザインや機能を変更できるため、他のサイトと差別化しやすいのがメリットです。
ただし、クラウド型はASP型に比べてコストが高めになることがデメリットです。
パッケージ型ショッピングカート
パッケージ型ショッピングカートとは、ECサイト運営に必要な「商品管理」「決済」「配送管理」「顧客管理」といった機能がすべて揃ったソフトウェアを、パッケージとして提供するサービスです。
このサービスを利用することで、サイト構築が比較的簡単に進められます。また、自社の要望に応じてカスタマイズできる柔軟性があり、独自のデザインや機能を追加することも可能です。そのため、特に大規模なECサイトの構築に向いています。
ただし、初期費用や運用コストが高くなることが多いため、その点には注意が必要です。また、システムの修正には時間がかかる場合もあります。そのため、十分な資金があり、独自性を求めた大規模なECサイトを運営したい企業には、有力な選択肢となるでしょう。
オープンソース型ショッピングカート
オープンソース型ショッピングカートとは、無料で公開されているプログラムのソースコードを利用してECサイトを構築する方法です。ソフトウェア自体は無料で、カスタマイズの自由度が高いことが大きな魅力です。
ただし、導入にはオープンソースに関する専門知識が求められます。社内に対応できる人材がいない場合、サイト構築や運用、セキュリティ管理を外部に依頼する必要があります。その結果、初期費用を抑えたつもりでも最終的なコストが高くなる可能性がある点に注意が必要です。
越境ECカートのおすすめ6選
越境ECカートは、それぞれ異なる機能や特徴を持っているため、自社のニーズに合ったものを選ぶことが重要です。
ここからは、特におすすめの越境ECカートを6つご紹介します。
LaunchCart
LaunchCartは、アジア市場向けに特化したクラウド型の越境ECカートです。
160種類以上の通貨に対応しており、世界の90%以上の通貨をカバーしています。現地の商習慣に対して徹底的なローカライズをおこなっているECカートのため、各国の顧客にとって利用しやすいプラットフォームを実現できます。
また、総合通販、リピート購入、定期購入など、さまざまな販売モデルに対応し、幅広いビジネスニーズをサポートしてくれるECカートです。
LaunchCartは、中国、台湾、東南アジアなど、アジアを中心に越境ECを展開したい企業にとって、おすすめのソリューションといえます。
Live Commerce
Live Commerceは、機能を簡単に拡張できる「プラグイン」が豊富に揃ったオープンソース型の越境ECカートです。HTMLタグなどの専門知識がなくても、初心者が簡単に越境ECサイトを制作できる「ストアマネージャー」を搭載しています。この機能により、サイトの立ち上げにかかる時間を大幅に短縮し、効率的にグローバル市場への展開が可能です。
豊富なプラグインを活用すれば、複数言語や通貨への対応はもちろん、口コミの自動収集やカート離脱対策など、売上向上に役立つ機能を簡単に追加できます。さらに、関税計算や事前徴収機能も搭載しており、国際物流に伴うトラブルを未然に防ぐことができます。
Live Commerceは30日間の無料体験が可能です。まずは、その利用しやすさや多彩な機能を試してみてください。
CS-Cart
CS-Cartは、世界中で50,000件以上の導入実績を持つ、パッケージ型の越境ECカートシステムです。特に、ECモールやマーケットプレイスの構築に特化したバージョンでは、1,500件以上の導入実績があります。商品管理や注文管理、テナント管理、顧客管理など、EC運営に必要な機能がひとつにまとめられたオールインワンソリューションです。
CS-Cartは、買い切り型のパッケージプランと、ホスティング付きのサブスクリプション型サーバープランの2種類から選ぶことができます。
パッケージプランでは、一度の購入で永続的なライセンスが付与されるため、長期的にはコスト削減が可能です。サーバープランでは、専用クラウドサーバーで運用でき、SSL証明書やバックアップ機能が含まれているため、セキュリティ対策や運用管理の負担を軽減できます。
CS-Cartは、単一店舗向けのスタンダード版、複数店舗が集まるECモール向けのモール版、出品者が商品を提供するマーケットプレイス版の3つのバージョンを提供しています。
そのため、ECサイトの運営形態に応じて適したバージョンを選ぶことが可能です。特にマーケットプレイス版では、Stripe Connectによる売上自動振込機能や、テナントが独自にキャンペーンを実施できる機能など、効率的な運営をサポートする多彩な機能が充実しています。
また、CS-Cartの大きな強みは、ソースコードが暗号化されていないため自由にカスタマイズできる点です。アドオンを追加してもコアシステムに影響を与えることなく、必要な機能を簡単に拡張できるため、特定のニーズに応じた柔軟なECサイトの構築が可能です。
参考:CS-Cart公式サイト
Magento
Magentoは、豊富な拡張機能を備えたオープンソース型の越境ECプラットフォームです。オープンソースであるため、ソースコードを直接編集でき、数多くの拡張機能を活用して独自性の高いECサイトを構築できます。
このプラットフォームの大きな特徴は、ひとつの管理画面で複数の国向けのECサイトを運営できることです。各国のニーズに合わせて商品を販売できるほか、高いカスタマイズ性も魅力です。
しかし、カスタマーサポートが提供されていないため、問題や不具合が発生した場合には、自力で対処する必要があります。
このサポート面の不安を補いたい場合は、Magentoを基盤としたクラウド型のAdobe Commerceを選ぶとよいでしょう。Adobe Commerceでは、AIを活用したマーチャンダイジングや分析機能、ホスティングオプションなど、より充実した機能が提供されています。
参考:Magento公式サイト
Shopify
Shopifyは、170カ国以上で利用されているASP型の越境ECカートです。多言語や多通貨に対応しており、顧客は各国の決済方法から好きな支払いオプションを選べます。
Shopifyの大きな特徴は、SNSや海外の大手ECモールを販売チャネルに追加できる点です。マーケティングツールやSNSとの連携を活用することで、集客力を高め、販売を効率的に進めることができます。
さらに、豊富なアプリを利用すれば、リアルタイムの在庫管理や国ごとの税率設定が簡単におこなえるほか、専用の配送ネットワークを活用したフルフィルメント機能も提供されています。
また、Shop Payを利用したスムーズな支払い方法にも対応しており、コンバージョン率向上にもつながるでしょう。
参考:Shopify公式サイト
マルチリンガルカート
マルチリンガルカートは、10年以上の運用実績を持つASP型の越境ECカートで、多くの企業に導入されています。
このカートは多言語対応に優れており、英語、中国語、韓国語をはじめとする多様な言語に対応しています。さらに、30種類の通貨での表示や、Paypal、Alipay、WeChatPayなど、海外でよく利用される決済方法にも対応可能です。
CSSやHTMLの知識があれば、オリジナルデザインの多言語ショップを簡単に構築できるだけでなく、言語ごとに異なるデザインを設定することも可能です。
また、標準でSSLが搭載されているため、ユーザー情報を安全に保護しながら、SEO対策にも効果的なECサイトを運用できます。
越境ECのショッピングカートを選定する際のポイントとは?
越境ECにおいて、ショッピングカートの選定は成功に大きく影響します。あらかじめ選定時のポイントを押さえておけば、迷わずに自社に合ったカートを選ぶことができるでしょう。
ここからは、越境ECでショッピングカートを選ぶ際に押さえておくべきポイントを解説します。
販売する商品と販売先の国を決定する
まず、どの商品をどの国で販売するかを明確にしましょう。販売商品と販売国が決まらなければ、適したショッピングカートを選ぶことが難しくなります。
ショッピングカートには、それぞれ対応している言語、通貨、決済方法が異なります。対応が不十分だと、顧客が商品を閲覧したり、購入したり、支払いを完了したりするまでがスムーズに進まなくなる恐れがあります。
そのため、まずは販売先の国に合った言語、通貨、決済方法を提供できるかを確認することが重要です。その後、必要な機能やデザイン、カスタマイズのしやすさを基準に、ショッピングカートを選んでいきましょう。
実績を確認する
販売する国で多く利用されているショッピングカートの導入実績を確認することも、非常に重要です。導入実績が豊富なショッピングカートは、その国の文化、商習慣、法規制に詳しく、現地の顧客が利用しやすいように適切にローカライズされています。
実績を調べる際には、顧客のレビューや実際の導入事例(ケーススタディ)を確認して、信頼性を確かめましょう。現地の顧客にとって慣れ親しんだショッピングカートの方が、利用しやすくなる傾向があります。
特に、導入するカートに特別なこだわりがない場合は、実績を参考にして選ぶのも賢明な判断です。
実現したいことを確認する
ショッピングカートには、種類ごとに実装できる機能やカスタマイズの範囲に違いがあります。そのため、越境ECで達成したいビジネス目標がある場合、選んだショッピングカートでそれが実現可能かどうかを確認することも重要です。
例えば、サブスクリプションモデルを導入する場合、定期的な商品配送やサービス提供をサポートする機能が備わっているカートが必要になります。
また、ビジネスの成長に伴って規模が拡大しても対応できるよう、拡張性の高いショッピングカートを選ぶことも大切です。将来的なニーズを見据え、総合的に判断するためにも、まずは自社の具体的な目標を設定し、その目標に合ったショッピングカートを選ぶことが求められます。
費用感が合うものを選ぶ
ショッピングカートを利用する際には、初期費用と月額費用が発生します。まず、予想される売上をもとに、これらの予算をしっかり設定することが大切です。
売上規模に対してコストが過剰にならないよう、必要な機能の優先順位をリストアップしましょう。もし予算を超える場合は、機能を再検討し、コストに見合ったプランを選ぶようにします。
また、基本プランと上位プランの違いなども理解し、複数のショッピングカートサービスを比較することも重要です。
多くのショッピングカートでは無料トライアルを提供していますので、料金だけでなく、実際の使い勝手や機能も確認しておくとよいでしょう。
越境ECを総合的にサポートするHandsUPがおすすめ
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HandsUPは、越境ECにおける集客不足や言語の壁、物流の課題に対しても効率的な解決策を提供します。商品情報の登録と国内発送だけで越境コマースを始められ、月額9.8万円から利用できる手軽さも魅力です。
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越境ECの戦略に応じたショッピングカードを選ぼう
越境EC向けのショッピングカートには、国内向けのカートを越境EC対応にしたもの、越境ECに特化したもの、さらには特定の国に絞ったものがあります。事業の規模や販売対象国、必要な機能によって適切な選択肢が異なるため、ビジネス戦略に合ったカートを選ぶことが重要です。
また、予算や専門的な知識を持つ人材の有無によっても、選ぶカートが変わってくるでしょう。
本記事で紹介した越境ECカートを参考に、自社のビジネス戦略に合ったショッピングカートを選んでみてください。