「人の力」でメディア化するライブコマース。大丸松坂屋百貨店様のHandsUP利用事例をご紹介
全国に16店舗の百貨店をもつ大丸松坂屋百貨店様。「5年先の『未来定番生活』を提案する」ことをビジョンに掲げ、お客様の生活をより豊かにする「未来の目利きキュレーターのような存在」を目指して事業を展開されています。今回は、ライブコマースツールHandsUPを導入された背景とその効果、そして今後の展望について、営業本部 営業企画部 販売促進・広報担当の松原様と長野様にお話を伺いました。
HandsUP導入の経緯
「人の力」を活用して新たな体験価値を提供する
ーまず貴社の事業内容と、現在HandsUPを使用している目的について教えてください。
当社は百貨店事業を営んでおり、大丸9店舗、松坂屋4店舗を中心に、全国に15店舗(分店・関係百貨店含む)の百貨店を運営しています。「5年先の『未来定番生活』を提案する」というビジョンの下、「人」という資産を活かし、新たな体験価値の提供を目指しています。そのため各店舗のバイヤーや催事担当者、営業担当者などが試行錯誤しながらライブコマースを企画・実施しています
HandsUPを選んだ理由
ーECにはもともと注力されていたのでしょうか。ライブコマース導入の背景、そしてさまざまなツールが選択肢にある中でHandsUPを選ばれた理由を教えてください。
もともとECを強化していく方針はありましたが、特に2020年からの新型コロナウイルス感染症蔓延によって、そのスピードが加速しました。当社は全売上のうち、店舗の売上が大きな割合を占めています。外商のお客様向けとして、他のツールでライブ配信もしていましたが、HandsUPを各店で継続的に利用させていただくことになったのは2020年の7月からです。
ライブコマースは名前の通り、ライブでお客様とオンライン上でつながり、その場で購入していただけるプラットフォームです。インスタライブやYouTubeライブとは違って、あくまで配信を観ながら購入できる、このつながりの太いシームレスな体験が他の配信ツールと違う点ですね。ツールの検討にあたっては、当社がやりたいことに対してそれぞれの何が叶うのかを考え、取捨選択していきました。HandsUPを選ばせていただいた理由として大きかったのは、このサービスがアプリケーションに依存しないという点です。
ー視聴者がアプリに依存してしまうと、集客がアプリに左右されてしまうという側面はありますよね。HandsUPの機能面については、どのようなメリットが感じられましたか?
最低限の機材と人員で配信できる点です。導入当初と現在では管理画面を含めてUXもかなり改善されているかと思いますが、当初から、iPhoneと配信環境さえあればすぐに配信できることはメリットだと感じておりました。
「メディア」の役割も果たし始めたライブコマース
イベントの独自性を届けるライブコマース
ー導入当初と現在を比べて、HandsUPの使用目的に変化はありますか?実際にやってみて見えてきたことがあれば教えてください。
当初は販路の1つという目的で導入させていただきましたが、現在は全国の15店舗が津々浦々に、地域性・独自性のあるコンテンツをお届けする手段にもなり始めています。最初にご紹介した、当社ビジョンに関わる「人」の力、ここにつながっていますね。導入から1年が経ち、商品を販売するだけでなく、店舗に関する情報をお届けするメディアのようになってきていると思います。
わかりやすい例だと、物産展会場の紹介です。オンライン上でももちろんご購入いただけますが、その物産展会場の雰囲気や並べられている商品などをライブコマースでご紹介することで、来場強化につなげようとしています。店舗のみで販売するものもご紹介できますし、「今こんなことをやっているんですよ」「こんな名物キャラクターがいます」といったこともお伝えできる、それがメディアという使い方だとと思っています。
ライブ配信は実店舗への動線にもなる
ー実際にライブコマースを観てご来店されたお客様もいらっしゃるのでしょうか?現場に絶たれている方々のお声があれば、ぜひ教えてください。
松坂屋名古屋店で開催された「職人展」という催事では、HandsUPでの配信を観て来場されたお客様がいらっしゃったと担当者から聞いています。これは全国の様々な逸品を作られている職人さんが集う物産展のようなもので、この時のライブ配信は「職人展を知っていただきたい」「ご来場いただきたい」という目的で実施しました。すると会場で「ライブ配信だけじゃわからない部分もあったので興味があって来ました」「これ、もっと質問したくて来たんだ」といったお声がお客様と職人さんとのやりとりの中であったようで。ライブ配信の目的と結果が合致したからではないかと思っています。
ー現場からのそうしたお話はとても貴重ですね。店舗への動線を張るという意味でもライブコマースは優位に働くサービスなので、この点もサービスの一機能として広めていければと思います。
ライブコマースは目的を明らかにして実施する
ライブコマースの企画は「目的」が要
ーライブコマースの目的は、イベントごとに変わるのでしょうか。ライブコマース上で販売することが目的の場合もあれば、先ほどの「職人展」のように認知を目的とする場合もあるようですが。
まさしく、目的は分かれます。お店の担当者にまず企画段階で設定していただくのが「どんな目的でライブコマースを実施するか」です。おっしゃる通り「オンライン上での売上を得ることが目的」という店舗もあれば「このイベントを知っていただくこと、来ていただくこと」を目的として実施する店舗もあります。目的によって台本や演出、構成、扱う商品も変わってきますので、この目的設定は必ず明確にしていただくようにしています。
目的を土台に、本社と店舗で配信内容をブラッシュアップ
ーHandsUPの運用体制についても教えていただけますでしょうか。
基本的には目的設定も含め、各店舗が主体的に実施しています。本社はサポート役です。初回配信はフルサポートしながら行いますが、2回目以降はお店の方で主体的にやっていただきながら、要領をつかめるまで本社が必要に応じてサポートする体制です。「もっとこんな目的が良いのでは」「この内容ならこんな演出を入れたら面白いのでは」といったアドバイスをさせていただきながら進めています。
ー企画から運用まで、基本的には各店舗で動いている状態なのですね。
そうですね。ただ、お店によって人的なリソースや配信リテラシーも異なりますので、全店舗が同じような動き方をしているわけではありません。本社はお店の意向や状況に合わせてサポートの仕方を変えています。
HandsUPを利用して感じたメリット
動画を自社メディア内で二次利用できる
ーHandsUPを使用していただいて、UI・UXを含めて使用感はいかがでしょうか。使いやすい点、使いにくいと感じた点など現場からお声があればお聞かせください。
現状、お店からネガティブな声は上がっていません。導入当初は「アーカイブ期間が手動でないと設定できない」など、気になる点はいくつかございましたが、現在はアップデートとともにより使いやすい形に改善していただいています。
御社のサービスの中でいいところだと思うのは、動画をアーカイブだけで終わらせず、当社メディア中で活用できる点です。10日間のアーカイブで終わらずに、配信動画をコンテンツ化できるというのは活用幅が広がるという点でメリットだと考えています。
操作が容易
ー基本的な操作に関してはいかがでしょうか。
管理画面での複雑な操作がないため、こういうツールに慣れていない方でも1度お伝えすれば簡単に使用できる点も魅力的かと思います。現場の担当者からも使いやすいと声を聞いております。
お客様と双方向のコミュニケーションができる
ーHandsUPを利用されてみて、具体的にはどのような効果がみられましたか?
売上はもちろん、お客様の声を生で拾えることです。先ほど「メディアとしての使い方もしている」というお話をしましたが、これまで当社のメディアは一方的にお客様にお伝えする「プッシュ型」メディアの使用がメインでした。しかしHandsUPを導入することでお客様との双方向のコミュニケーションができるようになり、各店舗が簡易に使用できる新しいコミュニケーションツールとしてのさらなる活用を検討しています。
今後の展望
ー最後に、今後HandsUPのライブコマースを貴社の中でどのような位置づけとするか、どのようなことを達成していきたいかについて展望をお伺いできますでしょうか。
単に、モノやサービスの情報をお届けするだけでは、お客様にとって既存の体験と変わりません。それだけではなくどんな人が、どんな喋り方で、どんな内容を届けるのか。これはアプリやメールでは知ることができない、+αで提供できる顧客体験価値です。そういった、「人」を介して+αの価値をお届けできるツールとして、今後も継続活用していきたいと考えています。
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